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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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妖精王の月
 そなたの答えがノーでも、彼女の答えはイエスだ。わたしは〈人質の墳墓〉から花嫁を連れていく。フィンダファーの寝袋もろともさらいあげると、妖精王は塚山から去った。
 タラの丘の〈人質の墳墓〉でキャンプした夜、別の世界にあこがれるいとこ、フィンダファーが妖精王にさらわれる。翌朝からグウェンのいとこを連れもどす旅がはじまる。妖精たちとの絶妙な出会いに助けられながら。だがケルトのフェアリーランドは、グウェンにとっても魅力ある世界だった。
 カナダの青少年がその年、一番おもしかった本を選ぶルース・シュワッツ章の1994年受賞作。(カバー折り返しより)

黒い服のよく似合うフィンダファーが、美しい青年に出会うところから物語は始まる。フィンダファーのあれこれがあるのかなあと思ったら、そのいとこグウェニヴァーの冒険譚だった。寝物語に語るお話という感じであっさり読めた。フィンダファーを取り返すというのが物語なのかなと思ったら、いきなりRPGな世界に入っていくのでびっくりした。最後の戦い辺りは聖書関係なのかな。
ひとつひとつの表現がフェアリーテイル的でいいなあ! バンシーめいた声でむせびなく、とか。短い草の草原とか石舞台とかなんだろうなあと勝手に想像するのが楽しかった。
冒頭のある言葉に感動したので、ラストの締め方はものすごく背筋がぞくっとして感動した。
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ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)
ニーベルンゲンの宝を守る竜の血を浴びて不死身となったジーフリト。だが妃クリエムヒルトの兄グンテル王の重臣ハゲネの奸計により殺されてしまう。妃の嘆き、そして復讐の誓い。こうして骨肉相食む凄惨な闘いがゲルマン的忠誠心の土壌のうちに展開する。均衡のとれた美しい形式と劇的な構成をもち、ドイツの『イーリアス』と称せられる。(全2冊)(上巻表紙より)

某窓が出てくる少女漫画にこれが載っていると聞いて、漫画も一緒に読んでいます。
ジーフリトがクリエムヒルトを妻とし、殺されるまでが前編。ジーフリトが殺されるきっかけとなる、クリエムヒルトがプリュンヒルトと言い合いをするのは「どっちかいい加減に折れろ」と思わず呟いてしまった。でも事情の理解が浅いプリュンヒルトの方が悪いかなあと思ったり。配下になったら主君より身分の高い王でも、主君に尽くせっていうのは、ちょっと難しいかなあ。
後編から復讐劇開始。エッツェル王の求婚を受け入れたクリエムヒルトは10余年も復讐を望み続け、自身の地位を利用して復讐を遂げようとする。あっちこっち色んな人が出てきて相関図を思い描くのが大変だった。
とても復讐心の醜い話だったように思う。ハゲネの友情も人を殺しておいてなんだお前はと呟いてしまった。なんだかすべて遠い出来事のようだった。
西の魔女が死んだ [DVD]
「西の魔女が死んだ」を見ました。号泣しました。冒頭から涙流すのってどうなのーと思いながら、亡くなった祖母のことを考えて、大好きって言いたかったなあと思っていました。映画には銀龍草のくだりがない代わりに、郵便屋さんが登場。郵便屋さんと息子の話の意味は、まいが進まなければならない未来の暗示だったのかなと思いました。
それにしてもとても綺麗な場所。映画公開した頃におばあちゃんの家見学ツアーやってた気がするんですが、すっごく行きたかった! 日々の中に在るものがとてもいいなあと思うのです。西の魔女は、家が好きです。そこで生み出されるサンドイッチや、ジャム、まいの着るスモッグやエプロンがとても素敵。思わず見終わった余韻で泣きながらリンゴジャムを作ったぜ! 甘かったぜ!
ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」—江戸、深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。(上巻・裏表紙)

短編集かと思ったら、実は短中長編でひとつの物語。
ぼんくらの同心、とあるけれど、そんなぼんくらに感じなかったのは、もっとへたれでニートな「僕僕先生」(仁木英之)の王弁を知っているせいかなあ。
上巻は長屋の面々の事件と楽しさみたいなものなんだけど、「長い影」という話に近付くと暗雲が立ちこめてきた。しかしこの話の清涼剤は、美少年で測量という特技を持つ弓之助の存在だなあ! この子、かわいいぞ……! 疲れた親父と合わさると最強じゃ! 平四郎&弓之助コンビ超良い……! 疲れた親父と賢い美少年いいなあ。この美少年には弱みがあって、そこが子どもらしくてかわいくていい!
しかし話は段々と人間関係の複雑怪奇なところへ落ちていく。なんか色々やるせないなあと思う幕切れ。でも上巻一話の話から見ると、この終わりはこの小説の決められていた形だったんだろうなあと思ったり。人情とか、人間とか、そういうもの。
とても面白かった!
夜市
夜、森の中で開かれる市『夜市』。異界の住人たちが行き来するこの場所に行こうと言い出したのは、同級生の裕司だった。親切な老紳士と話し、彼に案内された場所で買い求めるものとは。「夜市」「風の古道」の二編。

ホラーに馴染みがないのでよくわからないけれど、しっとりとしたいい文章だなあと思った。個人的にはもっと書き込みが欲しい感じがしたけど、それは私感。
夜市の意外な結末と、風の古道の結末の流れがどうも似ている気がするけれど、私は風の古道の法が好きだなあ。ラストページの締め方がとても好きだ。
 これは成長の物語ではない。
 何も終りはないし、変化も、克服もしない。

その後も続くのが感じられる。物語後の諸々の事情はどうなったんだろうなあ。
ブラック・ベルベット―緑を継ぐ者と海へ還る少女 (コバルト文庫)
大都市ファウラーで、三人の少女は新しい生活をはじめた。キリはハル神父に弟子入りして武術の鍛錬に励み、ロキシーは半分獣である自分をコントロールするために、祈りの日々を送っていた。ただひとり、人質としてランディ商会のジョンに軟禁されていたファナもようやく解放されることになり、喜ぶキリだったが、同時にジョンから残酷な現実をつきつけられ、ある決断を迫られていた——。(折り返しより)

なんだか、キリが最終的に独りになりそうな気配がする、というのが読んだ感想。ファナとジョンの間の殺伐としているけど優しい気配が、とても悲しかった。
しかし展開速すぎないだろうか! 今のところここまでしか持ってないので、聖山に行ったらどうなってしまうのかかなり気になる。キリの幼女疑惑も、周囲が何を考えているのかという疑問もあるし。気になる。
三大賞金首。一色を有する大主教と聖女。揃うとかっこいいだろうなあああとごろごろする。
雄飛の花嫁 涙珠流転
 綏国公主・珠枝は、かつては、先王の寵子として幸せに暮らしていた。しかし、父王亡きいま、美しく愛らしい異母妹・仙華の陰で心細い日々を送る。
 そんななか、大陸では巴飛鷹率いる閃国が勢力を広げ、綏との間で緊張を高めていた。そして、和睦のため、珠枝が閃の王妃として差し出されることに!
 必ず迎えに行く——幼い日から慕い続ける異母兄の言葉を神事、見知らぬ国へ嫁ぐ珠枝を待つ運命は!?(裏表紙より)

すごくいい少女小説。政略結婚、年の差、戦争、戦場に赴く少女と傑物の王。すごくすごく美味しかった。
飛鷹がとても包容力があって素敵な人物。珠枝を大切にしているのがよく分かって悶えることしばしば。珠枝が髪を切る意味が面白くて新たな発見だった。表紙の飛鷹は珠枝の短い髪に指を絡めてるんだよなあああ(ごろごろ) 泣くという意味も表紙にも本編にも使われていて、とてもいいときめきでした。
仙華が、とてもかわいくて鬱陶しい人物で、空気読めない発言をする度に「あああ……」となった。燿桂が最後に母と決別したのは良かったけれど遅かったんだなあと思うとこちらも「あああ……」だった。
とてもとてもときめきでした。ごちそうさまでした! これ一冊完結のシリーズなんだよな。よし、揃えよう!
ブラック・ベルベット―病める真珠が愛した司祭 (コバルト文庫)
神聖帝国ディートニア転覆のため、ハル神父を探すキリ。ロキシー、ファナとともに東の大都市ファウラーへ渡った彼女だが、ハルの友人で、案内役を頼むはずのグラハムが消息を絶ってしまう。欲望うずまく街ファウラーの洗礼を浴びながらも、わずかな手がかりをもとにグラハムの行方を追うキリは、やがて水からが身につけている聖武具『黒真珠』に導かれるようにハルのもとに辿り着くが——。(折り返しより)

ファウラーは中国なのかあという。この世界の主はユーラシア大陸なんだろうか。
今回は協力者探しがメイン。ハル神父が○○してたのは趣味だろうかにやにやと思いつつ(挿絵がすごく綺麗な人だった)、一番好きなのはシュトラールだったりします。金髪褐色肌の無愛想男で信心深いとか!
ものすんごい光と影が綺麗な映画になるだろうなあと思いながらこの巻を読んでいた。大都市とか賭場とか派手なアクション! そして美少女や美女。いいなあ。これ好き。きらきらしてる。一巻は荒野で、乱入者と戦いみたいな感じでこっちも好きだけど!
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
小鳩君と小山内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎をを解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。(裏表紙より)

面白かった。創元推理文庫は優しいミステリーが読めるなあといつも思う。小市民を目指し慎ましく生きようとする少年少女、でもうまくいかなくて、というのがあらすじで、学生が向かうことの出来る有り触れた謎を解き明かしていくのがとてもいい。
しかしこの一冊を通して、最後に解き明かされる謎、これはもっと書き込めるのではないかなあと思ったけれど、一市民が立ち向かい、行うことができるのはこの書き方(本のスタイル)のようなものなのかなあと思うと納得。そういうのもミステリーとしてとても素敵だなあと思った! しかし小山内さんに何があったんだろう。
小鳩君はちょっと背が小さい少年っぽい顔で、小山内さんは少し明るいロング髪の普通体型の子かなあとか。健吾は黒髪短髪の大きめの少年ですっごく姿勢がいいと思う。妄想妄想。
きのうの世界
水無月橋と呼ばれる橋がある、昨今流行のレトロな街並を維持するM町に殺人事件があった。市川吾郎というその男は不思議な力を持っていたらしい。偽名を使って、彼はM町で何を調べていたのか。そしてM町に立つ、二つの塔の意味は?

面白かった! 淡々と進むひとつの町の面を、様々な人の視点で見ていく。殺人事件がメインのミステリーというより、町というかひとつの「世界」を描きたかったのかなあと。
話は「きのう」という過去を探っていくもので、それが現在に進んで、未来への一歩を踏み出したのは、あの水柱のシーンじゃないのかなあ。過去から現在から未来へというのが私の考えたこの作品のテーマ。
締め方が恩田さんらしくて好きだなあと思った。偶然と、世界と、人、みたいな。
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Author:月子
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