読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
おそらく、信じてはもらえまい。でもたしかに彼女はそこにいる——文筆家を目指するみ子は、祖母から一族の秘密を聞かされ、それを書き記すように告げられる。秘密とは、一人の女性のことだった。嘉栄という名のその人は、世間からひた隠しに隠されていた。(裏表紙より)
祖母・豊世から、家族から隠された女性・嘉栄の話を聞いたるみ子。祖母と双子として生まれてきたはずの嘉栄は、しかし緩やかにしか歳をとらない不思議な体質だった。表沙汰にはできないと隠されて育てられ、ある時には外国に、ある時には家の蔵に閉じ込められた嘉栄は、豊世、その娘・静子、そしてるみ子に大小の影響を及ぼしている……という不思議なお話。るみ子が聞き取った話も交えて自分語りのようにして進行していきます。
ほぼ何も起こらないんですが、嘉栄の不気味さ、侵し難い何かがぐうっと迫るようでした。この一族の磁場でありながら、埒外のところにある存在で、どうしても理解できないし需要もできないけれど、確かに血が繋がっているのだ、という……。
掴み所はなかったのですが、なんだか最後の最後にぞくっとしてしまった。
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