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99%の誘拐 (講談社文庫)
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その反抗はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作!(裏表紙より)

導入の、息子を攫われた男の手記のところからものすごい勢いで引き込まれてしまった。
コンピューター制御による犯罪。88年刊なのに、私が読んだ21世紀の現在なら可能なのかもしれないと思わせるところにぞくぞくした! 多分警察の捜査も進化していると思うけれど、とても面白かった。
とても冷静で理性的な誘拐と復讐だったように思う。手記を読んだのが十一年後だとすると、その一年間に誘拐の準備をしたわけで。そうなると彼の心は、冷静というより狂気で静かだったようにも思う。
オススメありがとうございました!
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