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ハルシフォンの英雄 (角川ビーンズ文庫)
新興国アダルシャンには、王権を守護するという宝剣がある。剣の名はハルシフォン。先頃、皇女ユスティニアと結婚した、戦神の誉れ高い王弟アレクシードに下賜されたものである。だが国王ユーゼリクスの剣となるべき英雄(アレクシード)には、現在(いま)も黒い噂がつきまとう。果たしてかれに、王の守護者たるべき資格があるのか、と。そんな折、アダルシャンと隣国との間に、国境の領土問題が発生して…? 「アダルシャンの花嫁」に続編登場!(裏表紙より)

前作である「アダルシャンの花嫁」での容赦ない展開に、大切な人を失ったアレクシード。非常に人間関係と政治部分がどきどきするシリーズだなあと思いました。うじうじする(でもやることはちゃんとやる)アレクシードが非常にいい登場人物で、彼が何を見つけていくのかというのが非常に綺麗な気持ちで見守りたくなる。
兄と弟の気持ちが、微妙にすれ違っているのに悶えてしまう。どちらも相手を大切に思っているのに、そしてそれぞれ正しいと思われる行動をしているのに、どうしても正面からかち合わない。ユーゼリクスがアレクシードのため彼を内政に近付けなかったのに、という思いと、アレクシードの兄のために国を守らねばという思いが、どうしてこうも他人の思惑や政治のせいですれ違ってしまうんだろう! これはいい兄弟小説です。
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