読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「あー……そっか、もしかして俺しばらく音信不通だった?」『一週間。さすがに死んだかと思うだろ』そんなにたってたっけ。どうりで六月も終わるはずだ。
——三嶋は友人の電話に起こされ、寝ぼけたままバスルームへと向かった。ふと、戸口に人の気配がし振り返ろうとした時、首筋にあてられた刃物の感触に全身が凍りついた。
「動かないで。動いたら切れるよ」
三嶋の前に突然現れた少女マドカ。三嶋の夏はこうして始まった———。
第9回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作『キーリ』シリーズの著者、書き下ろし長編。(裏表紙より)
夏になったら読みたくなると聞いていたので、手に取ってみた。
現代らしさを残しつつも遺伝子操作、特に新生児の遺伝子をカスタムすることが流行している社会で、それらの幸不幸を抱えている主人公三嶋と、少女マドカ、その周辺の人々の物語。これは、とてもいい拾い物(誰かが家に転がりこむ話の意)!!! 世界観がとてもよくて、一緒に住む話っていうのはこういう風にちょっと寂しくて陰気な雰囲気の方が好きだー。
無気力な三嶋が、マドカに振り回され、痛い思いなどもして、過ごしていく生活がとてもいい。しかもあの場所で一度話が終わらずに、まだ続いたのがよかった! こういうの、読みたかったよー。分厚かったし、電撃文庫らしい軽さがあんまりなくて、読み応えがあって面白かった。よいものでした。
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