読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
呪われた島から旅立ち、逃亡の日々を送ることになった孤独の悪魔を背負う男ヨクサルと死霊術師の孫娘シュガーリア。
世界から失われつつある異端を救う道行きの中で、彼らは人ならざる有翼種の血を引く子供、ビーノと出会う。
「俺達のことは、信じなくてもいい」
「あなたは生かすわ……なんとしても」
帝国の謀略が蠢く砂漠の街、バフハに潜入した彼らに追っ手が迫る中、ヨクサルは自分の罪と過去に直面する。
「お前を殺すのは──僕の役目だよ、ヨクサル」
孤独と幻想のあわいで、シュガーリアの身を焦がしたのは、初めての恋の激情だった。(カバー折り返しより)
外の世界に出た二人の旅。どこまでもお互いしか見えていないような、この世界における尊く儚いものを見守るような気持ちで読んでしまった。ヨクサルとシュガーリアの繋がりはとても強固なものなのに、一方で脆く崩れてしまいそうな危うさと美しさがある。
幻想を破壊しながらそれを利用する帝国と、争う幻想と、その狭間の人と。否応無い変化がいずれ訪れる予感を覚えながら、ヨクサルとシュガーリアがともにあれることを祈らずにはいられません。
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