読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ノースポール合衆国自治州『キヴィタス』は1億6千万の人口を収容する人工都市だ。アンドロイド管理局に勤める若きエリート、エルガー・オルトンは、帰り道で登録情報のない「野良アンドロイド」の少年を拾う。ワンと名乗った少年型アンドロイドとエルは不思議な共同生活を始めるが、ワンは記憶を失っていた。彼の過去を探るうち、エルは都市の闇に触れてしまい?(Amazonより)
見事なSFだった。女性向けSFという感じで、世界観が硬質的で、エルとワンにやりとりがとても面白くて軽妙。オレンジ文庫でこういうSFが出るんだなー! と嬉しくなりました。
人間としてどこか欠けているエル。機械にしては人臭すぎるワン。この二人が出会い、欠片がはまるようにお互いを必要とするまでの過程が、キヴィタスの闇を覗き込む事件とともに描かれていて、ちょっとずつ二人が歩み寄り、成長していくところがとてもいい。なんというか、とても「生(なま)」を感じた。
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