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お家賃は本で、払います?
本棚荘の大家さんは言う。「昔は本がお家賃だったのよ」と。中にも外にも本棚だらけのそのアパートに越して来た“わたし”。そこで出会ったのは、猫芝居をなりわいとする猫遣い師、本棚に捨てられていたサラリーマンなど、やっぱりへんてこの住人たち。どこかいびつで、とげを抱えた彼らに触れるうち、少しずつ“わたし”のなかで何かが変わり始める……。文庫書下ろし。(裏表紙より)
不思議な、独特の世界観でのお話でした。シュールなのか、ファンタジーなのか、よく分からないまま読んでいって、いつの間にかくすっと笑っていました。
主人公はとげ抜き師。同じとげ抜き師の姉が外国にいってしまったので、代わりに部屋の留守番をすることになった。その部屋は本棚荘という変わったアパートにあり、大家さんは「昔はお家賃は本で払ったものよ」と言う。
冒頭がとげ抜きのお話なので、とげというのは人の心の傷や心に根を張った何かなのかなあと思ったら、それについては言及されることはなく、本棚荘なので本の話をするのかなと思ったらそういうわけでもなく。奇妙な住人と奇妙な生活のお話で、最後はちょっと煙に巻かれたような気もしましたが、なんだかふんわりと満足しました。
住人たちが、なんとなくみんな猫っぽいなあと思う。本と猫の相性はいい、と聞いたことがありますが、猫遣い師とその鞄猫、日中ずっと寝ている女学生、捨てサラリーマンと、なんとなくみんなマイペースに生きているように感じられて、猫っぽい。
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