読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「なら、あんたの娘でいい」
父親の借金のせいで、大地主一族の屋敷の使用人になった十二歳の少女、アマル。自由も、教師になる夢も、すべてうばわれた。
「こんな世の中、おかしい。あきらめたら、なにも変わらない」
自由をその手でつかみとるため、アマルの反撃がはじまる————
これは、現代のパキスタンの話。これがジェンダー(社会的性別)の現実。(カバー折り返しより)
パキスタン系アメリカ人の作者が書いた、パキスタンの少女の物語。
この国では、長女は家族のために働く。男の子の方が優遇され、優先的に教育を受けさせてもらえる。だから識字率は高くない。一部の裕福な権力者によって支配され、不正がまかり通るところ。
その中でも夢を持ち、賢く生きようとするアマルが理不尽さの果てに噴出した怒りのせいで、権力者の怒りを買い、身売り同然で使用人になるんですが、よくできた彼女は運を掴みなんとか己を保つ。あんまり長くないお話なので辛い展開は長引かないんですが、世界は変わるという希望を描きつつも、なんというか、彼女のような人々が本当の意味で自由を手にできるのはいつだろうなと思いを馳せて、少し苦しかった。
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