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小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)
小学六年生、高校三年生、二十九歳。好きだった。逢いたかった。生きていた。貴樹は明里が好きだった。だが二人の間には、未だ巨大すぎる時間が、茫漠とした未来が、どうしようもなく横たわっていた。どれだけの速さで生きれば、君にまた逢えるのか。「桜花抄」「コスモナウト」「秒速五センチメートル」の三編。

映像の「秒速五センチメートル」を監督自身がノベライズしたもの。映像を見たことがあるならすごくいい補完になっていると思うし、これだけでも言葉の大切さがよく分かる小説で、とても良かった。
映像の方は、世の男性方に「鬱だ」と言われる決着が着くのだけれど、映像の第三話がプロモーションビデオのようになっているので、小説できちんと書かれているのは良かったなあと思った。希望がある。
第一話「桜花抄」は十二歳と十四歳の二人の物語で、初々しくてうまくいかなくて甘酸っぱい。第二話「コスモナウト」は一番好き。貴樹に恋した女の子が一喜一憂して、最後「——優しくしないで」と願う切ない話。第三話「秒速五センチメートル」は前述したように、もがくように生きてきた貴樹と希望の話。
映像も綺麗なので合わせて見てほしい。
秒速5センチメートル 通常版 [DVD]
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