読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
人形は夢を見る。恋もする。初めての恋に落ちたら、胸の魔抱石に性別を与えられ、人間になる——。イファは、数ヶ月前に生まれた”魂持ち”の人形。いつか運命の恋をして立派な男になるまで、人形師のヘィディや弟子のアーセルと楽しく暮らすはずだった。突然の別れも、その先に待ち受けていた”水葬王”フォルトナートとの最高で最悪な出会いも、そしてまさか自分が”女の体”になってしまうなんて、全くの予想外で……!? 恋をするすべての人へ贈る、栗原ちひろの新境地ラブファンタジー!!(裏表紙より)
表紙がかなりきらきらしいのが、20歳になってから手に取るのがとても恥ずかしくなった……。思わず最後の挿絵見て友人と「ひょー!」と叫んでしまったことだよ。
主人公イファの魔抱石の出自が呪われていて、その出自に関係して相手役フォルトナートがイファに対して憎しみを抱いている、というゴシックファンタジーなのだけれど、文体と台詞の明るさからか暗い気持ちにはならなかった。私はオペラシリーズみたいな文章が好きだったんだけれど、でもこの底の方できらきらしている明るさは好きだ。イファが見出したフォルトナートの魂みたいなものなのかな。
フォルトナートがバラッドの塔へ踏み入るあの辺りがとても好きだ。「砕けて、なくなっちゃったね」の台詞がなんだか好きだった。
イファの性格が本当に良くて、主人公だな、救い手だな、という感じで栗原さんのことだからきっと素敵な終わり方をするんだろうなと思っていたら、ラストは素晴らしかった。これ映像にしたら綺麗だ……。しかし一方でフォルトナートの所行の悲しみと暗さがある気がするんだけれど、でも、本当に綺麗な光景が浮かんだ。
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