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金春屋ゴメス (新潮文庫)
近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。競争率三百倍の難関を潜り抜け、入国を許可された大学二年生の辰次郎。身請け先は、身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道、無慈悲で鳴らした「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった! ゴメスに致死率100%の流行病「鬼赤痢」の正体を突き止めることを命じられた辰次郎は——。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。(裏表紙より)

近未来の日本に江戸国があるって、どういう感じなのかなーと思ったら! すごい好みのSFというかファンタジーというかな世界で、なのに江戸もので、混在した感じが面白かった! これは、いいわー。月に行ける世界なのに日本に独立国(と一応されている)江戸国があるって、すごく好き!
物語の本筋は、謎の病の正体を突き止めるものなのですが、近未来だからこそ「何故今の医療技術を中に入れないのか」「どうして正体が分からないのか」とか、ここにはあってあちらにはないもの(逆もしかり)という違いが、じわっと面白かった。原風景の話が出ていましたが、どんなに時が経っても変わらないものの在り処がなんとなく見えた気がして、SFなのに江戸人情……という混ぜ合わせが、いいなと思いました。
オススメありがとうございました!
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