読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに——生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが……。(裏表紙より)
本屋大賞を受賞されたとのことで、まずは過去作品を読んでみようと手に取りました。
めっっっっっっっっっちゃくちゃ好みでまいった! 何回泣きそうになったか!
詐欺師の青年が、不器用ながらも優しい実直な青年と恋仲になるんですが、騙している罪悪感はさることながら、蓮の生い立ちに関係する描写が辛くて切なくて切なくて。すごく丁寧に、美しく書く方だなあ、と過去作と最新作に俄然興味が出てきました。
いや本当に。蓮の描写もいいんですけれど加賀屋の台詞がいい。ただ優しいだけの男じゃないことが伝わってくる。育ちの良さとか、不器用さの裏に、積み重ねられた葛藤と柔軟さを感じます。いい男だなあ。
PR