読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
一は日本、二は中国を舞台にした小品が収められている。どれもさくっと読めてすんなり入ってくる。それでいてばしっと決まる。
「碁盤」
好き。碁好きな遊女がある碁盤を手に入れ、本因坊がそれを見たが、女は亡くなってしまう。その碁盤は本因坊に巡り巡って辿り着くが、遊女の幽霊が出るという。実はそれは本因坊に譲られるはずだったものでという話。静かな雰囲気と静かな通い合いが良い。
「彦右衛門と狸」
笛吹名人の彦右衛門爺さんは、その我が儘の為に殿様から禄を取り上げられてしまった。それを良しとして田舎に引きこもって笛を吹いていた爺さんのところに毎晩狸がやって来るようになる。笛を習いたいのかと聞くと頷くので笛を作ってやると一緒に吹くようになった、という話。
童話っぽくて良かった。これはどうやら殿様マニュアルみたいなものだったらしい。
「竹林絵図」はある青年が絵の中に入ってちょっと絵を直して戻ってくるが、どうやら数日後に消えてしまったらしいというオチ。これを読んで梨木香歩の「家守綺譚」を思い出した。
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