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人魚は空に還る 帝都探偵絵図
富豪の夫人の元に売られてゆくことが決まった浅草の見世物小屋の人魚が、最後に口にした願いは観覧車へ乗ることだった。だが客車が頂上に辿りついたとき、人魚は泡となって消えてしまい——。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きる彼らの交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれる作品集第一弾。表題作を含む五話収録。(裏表紙より)

明治もので、雑誌記者と美貌の天才絵師のコンビで探偵です。天才絵師の有村礼はいいとしても、雑誌記者の里見高広の方もなかなか濃い設定で、非常に好みでまいった!
高広は、雑誌記者。しかし、腕っ節が強く、英語に堪能で、推理力もあり。ちょっぴり不器用そうなところとか、ホームズの小説を英訳することで付き合いがある礼に対して「物で釣っているような気がする」と思うところとか、かわいい男の人だなあと思いました。
好きなのは「怪盗ロータス」と「真珠生成」かな。「怪盗ロータス」は話の余韻が好きで、ちょっと切ないようなところと、なんだか幻想的な感じが好きでした。怪盗と遭遇するって幻想っぽい。
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