読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
グランシェルト王国の騎士であるレインとラズウェルは、ある日不思議な声を聞き、記憶喪失の少女フィーナとともに土のクリスタルを狙う輩と戦うことになるが、その敵・常闇のヴェリアスに敗れ、クリスタルは破壊されてしまう。三人は他国にあるクリスタルを守るために旅立ち、飛空挺技師のリドや、軍師ニコル、レジスタンスのリーダーのジェイク、大賢者サクラと出会い、この世界とクリスタルの秘密を知ることとなる。それはレインにとって、己の父と向き合うことでもあり……。
泣いた。号泣した。フィーナと魔人フィーナの関係性に。原作はソシャゲだろうけれど、物語は間違いなく私たちが愛するファイナルファンタジーだったよ……。
どちらか一方を求められたときにどちらも選ぼうとする天才剣士のレイン。そんなレインの兄的な位置にありながら多少なりとも鬱屈を抱えるラスウェル。純粋無垢で世界のあらゆるものを新鮮に受け止めるフィーナ。快活で自身の仕事に誇りを持つ飛空挺技師のリド。物言いに反して家族思いで情の深い軍師ニコル。軽薄な物言いで本心を誤魔化しながら秘密を抱えるジェイク。見た目に反して長い時を生きて後悔を抱える大賢者サクラ。そして、突然フィーナに表出するもう一人の彼女である魔人フィーナ。
このパーティでファイナルファンタジーをやります、と言われて面白くないわけないんだよなあ……。
レインとラスウェルの関係性に、父レーゲンが絡むというあれそれも美味しいし、敵側の事情も複雑ながら深みがあり。うんその設定FFだよね! の嵐で大変楽しかったです。
そしてまあみんな歌がうまいうまい。2.5次元ミュージカルのクォリティ、あんまり期待しない場合が多いんですけれど、この作品は群を抜いて歌がうまい。「歌がうまいな!?」と驚きました。
だからこそ、大事なシーンでの歌唱が映えるんですよ……冒頭で書いたフィーナと魔人フィーナの歌な……。
二人は表裏一体、ひとつのものを二人で分け合っている状態なのですが、とある局面でどちらか一方しか残れない展開になるわけです。このときのそれぞれの思いの吐露、何を思い、何を感じ、何を愛したのかを歌い上げるシーンが圧巻で、涙が止まらなくなってしまいました。過ごした時間も見ていたものも異なるはずの二人が、やがて一人に統合される、それがパート分と歌詞で表現されるところがめちゃくちゃよくて、良すぎて泣きました。こういうヒロインたちだいすきです……ありがとうファイナルファンタジー……。
舞台そのものは状況を鑑みて配信公演となったそうで最後の挨拶で役者さんたちの無念がこちらにも伝わってきたので、再演の際は是非とも応援したいし、なんなら生で見に行きたいと思いました。本当に、このカンパニーで演じていただけることを祈っています。
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