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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「アドバンテージ 母がくれたもの」
その時代、急速な発展を遂げた世界は貧富の差が激しくなり、テロ行為や少子化、自殺、未成年者の売春などの問題を抱え、誰もが生きることに喘いでいた。美容系バイオ企業でモデルだったグウェンは美しさの盛りを過ぎて職を失ったが、一人娘のジュールズは才能に溢れた優秀な娘だった。娘を能力にふさわしい学校に進学させるためにはお金がいる……困窮したグウェンは自らの身を差し出す実験体となることを決意するが……。

生きるためには有利なものがいる。才能よりも美しさよりもお金が必要とされるディストピアな未来。幼くも賢い娘のため、何もかも差し出すことにした母親の物語。
消費される若さ、美しさ、人間のちょっとした描写が息苦しい。この世界がどこかで終わる予感を感じながら、人があがいて生きる日常の延長という作品の苦しさがしんどくもあり魅力でもあると思います。
ジュールズの年齢に見合わぬ聡明さと、子どもらしい部分が、きつい……。愛という感情は、この世界では無限には存在しないものなんだろうなあ……。愛を誰もが当然に享受できない時代。愛らしい愛、無償の愛が生まれない世界を感じる。とても興味深くて好きな作品でした。
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Author:月子
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