読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ヨルサ大陸を流れるナリ川の下流には、砂漠の真珠と呼ばれる水の都ファロンがあった。ファロンの象徴である水の神殿で巫女のソルマが殺され、それから水の都に雨が降らなくなった。異常事態を回避するため、新たな巫女姫を選ぶことが決まり、サヒャンとリランら42人の舞姫が水の大祭で舞いを舞うことになる。巫女姫に執念を燃やすリランに不安を覚えながら、サヒャンは大祭にのぞむが…。(カバー折り返しより)
砂漠の国、水を尊ぶ都ファロンで、優れたる舞い姫であり女神の憑座でもある巫女姫を選ぶ。だが絶対に殺されない場所で先代が殺されたことは、過去に処刑されたとある女性と関わりがあった。
少女小説らしからぬ不穏さですが、ヒロイン二人、サヒャンとリランがなかなかの百合。子どもっぽくも無垢で天性の舞い手であるサヒャンと、賢くも毒と秘密を持つリラン。この二人のやりとりがなんだかとっても仄暗くて、なのに読んでいて悲しい。
処刑された国王の元恋人の存在が絡む復讐が、どのように行き着くのか。気になる。
PR

映画界の巨匠として名高い監督のグイドは新作「イタリア」の記者発表を行おうとしていた。だが脚本はできておらず、いつものように記者たちを煙に巻き、答えられない質問を受けて逃げ出した。追い詰められた彼は妻ルイザをはじめとした多くの女性を翻弄し、傷つけるが、その脳裏には作品としての素晴らしい映像が浮かんでいて……。
合間合間にグイドの妄想として舞台(ステージ、歌)が挟まる。これがまた豪華絢爛、力強くてかっこよくて素敵なんだよなー! 女性陣は本当にお気の毒というか、創ることにかけては天才的なのに他はだめな男に振り回される感がわかるというか。だからこそ、二年後のラストシーンはよかった。エンディングがぞくぞくするほどかっこよかったし、こういう構成大好きなんだよ!

海岸に打ち上げられた女性と恋に落ちた男性。男は灯台守で、女は海底国アトランティスの女王だった。二人の間に生まれた子どもを残して、女性は追っ手によって国へ連れ戻されてしまう。子ども――アーサーは海の生き物と話せる能力や母に近しいアトランティスの参謀によって鍛えられた戦う力でもって成長したが、ある日海底国の王が地上に攻め入ろうとしていることを聞かされ……。
髪が長くて髭が濃くてむきむきのなかなか男臭い主人公。ヒーローとはマッチョであるという価値観がばりばりに感じられます。対する悪役もマッチョであるのが面白いな。異父弟と主人公に対する復讐者の組み合わせが面白いです。冒頭で復讐者となるデイビットと父ケインの別れがものすごい盛り上がりだったのが、え、え? となったのがちょっと面白かった。善ばかりを成すのがヒーローではないということでしょうか。
ヒロインのメラの髪がとても美しくて素敵な色。気の強すぎるヒロインも楽しかったです。

乗っていた蒸気機関車が強盗団に襲われたジョン。強盗団はその機関車に捕縛されているボス・キャヴェンディッシュを取り戻しにきたのだ。だがそのボスを狙っているのは悪霊ハンターのトントも同じく。兄の死をきっかけに、ジョンもまたキャヴェンディッシュを追う。マスクを着けた『ローン・レンジャー』として。
西部劇的世界観の冒険活劇という感じ? 愛する者を奪われて悪党に復讐する、相棒がうさんくさい悪霊ハンター、開拓時代の雰囲気が残る荒野、みたいなものを混ぜ合わせてある。どきどきわくわく感もあるんですが、合間合間に現在(メインストーリーの未来)に視点が飛ぶのがちょっと見辛かった。いや役者さんを映したかったんだよね、わかるよ。
トントは本当にジョニー・デップ氏が作り上げたトントという感じで、この映画の半分くらいの質量で彼の存在感がすごい。

ニュート・スキャマンダーが捕らえたグリンデルバルドが脱獄した。恩師ダンブルドアとの再会し、クリーデンスやグリンデルバルドを追跡することになったニュートだが、やがて事件は魔法族の権利の拡大を訴える黒い魔法使いの誕生に繋がっていく。
第二作目。ヴィルデモート以前に凶悪な魔法使いがいて、この辺りで起こった出来事が次世代につながっていて、と意外に込み入っていてちょっと難しい「ハリー・ポッター」関連作という印象です。前作は幻獣たちが登場して賑やかだったのが、今回は凄まじく不穏なトーン。戦争というものが、魔法族と非魔法族にどう影響するのかっていうのは描きどころだなあと思います。いやでも悲しい終わり方をする予感しかないんだけど大丈夫か?

江戸時代後期。将軍の異母弟に当たる松平斉韶は立場を利用しては自己中心的な振る舞いで多くの人間を傷つけ、ときには自死に追い込んでいた。このまま斉韶を放置できないと考えた大炊頭は、御目付役の島田新左衛門に暗殺を命じる。
2010年のリメイクの方。仲間を集めて悪い殿様を討ちます、というのが簡単な説明でしょうか。途中で山賊っぽい無法者が加わるのがとても日本の話っぽい。かつ、い人を殺すとたとえ主人公でも報いを受けなければならないというのと、後世に託すように若い人間が生き残るというのがやっぱり日本の話という感じ。
きらきらした邦画感はなく、終盤、斉韶が泥だらけになるように、あえてとても泥臭く作っているんだろうという部分に好感を持ちました。言っちゃなんですが、全員の小汚い感じがすごく侍映画であるところを押し出していたように思う。

潔癖症の詐欺師ロイは、相棒に紹介された精神科医の診察を受け、病状の改善のために別れた妻との間に生まれた娘と会うように勧められる。ぎこちないながらも14歳になった娘のアンジェラと交流を深めるロイ。ある日アンジェラはロイの「仕事」を教えてほしいと言い出して。
ああーやっぱりねー! そういうことだよねー!! という「騙す・騙される」をテーマにした作品。
詐欺師に身を落とすような男の悲哀ぶりやおかしみが描かれている。なんというか、憎めない、優しい人なんですよね。父と娘の交流を描いているかと思えば、あれなんだかおかしいぞ、というのが最後に収束するのが楽しかったです。こういうロイだから、最後にこういう終わり方になったんだろうなあ。

この優しい物語をすべての働く人たちに
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で自殺した男のニュースだった——。スカっとできて最後は泣ける、第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作。(裏表紙より)
ブラック企業で働く会社員が、線路に飛び込もうとしたところで助けられた自称元同級生の男と過ごすことで、仕事を辞めようと一歩踏み出すまでのお話。
隆の状況や与えられている仕打ちはきついんですが、全体的にさらっとしていて読みやすかった。隆は素直だし、ヤマモトはいいやつだし、これからの二人が楽しく生きてくれることを祈る。

