読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
サノスの襲撃からしばらくが経ち、多大な犠牲と影響が残ったまま日常が戻った。スパイダーマン・ピーターは、学校の友人たちや想い人のMJに告白しようと夏休みのことで頭がいっぱい。だが、尊敬するアイアンマン・トニーから託されたものを抱えたまま、ヒーローとしての生活か16歳の高校生としての日々をとるかを思い悩んでいた。そんなある日、異世界から脅威と新たなヒーローがやってきて……。
公開中なので続きから。
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IT企業に勤める晶は、パワハラ社長に振り回され、同僚たちに手を貸しては自らを疲弊させ、恋人の京谷とは四年も付き合っているのに結婚の話ができていないという状態だった。だが行きつけのバー「5tap」で常連客であった恒星と交流を持ったことで、少しずつ周囲の人々の問題が浮き彫りになっていく。「馬鹿になれたら楽なのにね」言いたいことも言えない、与えられた役割を演じてしまう、けれど本当の自分を持っている人たちの行く先は……。
面白かった。人が当たり前に持っている痛みや苦悩、どうしても踏み出せない一歩を丁寧に描いてくれていた気がしました。創作物なんだから劇的に変わってほしいし、スカッとしたいんだけれど、こういう風にリアルに、じりじりと変化する様を描いてくれる作品は色々考えさせられて面白い。
ちょっとした台詞がさりげないのにすごくしゃれていたなあという印象。だから時たま口にされる、くさい台詞におかしみがあって、ふっと力が抜けて笑ってしまう。心地いいと感じました。
恒星さんがすごくいいキャラで、かっこよかった。こういう力の入ってない、ゆるっとした毒舌の人、好きだなあ。
とある村で起こった連続殺人事件を解決するために派遣されてきた捜査官イカボッド・クレーン。村では犯人は首なし騎士だと噂されており、それを真面目に受け取らないイカボッドだったが、首なし騎士が人を殺害するところを目撃してしまった。衝撃を受けたイカボッドは、首なし騎士が誰かによって操られていると知るが……。
ホラーの美しさを集結させたような作品。結構血がばっしゃーぐっしゃーと出るし首だけになった人がめっちゃ出てくるのでだめな人はだめそう。
幻想と現実の境目みたいな時代で、幻想の話をしている作品だなあと思いました。俗にまみれた人々と連続殺人事件と首なし騎士って、すごいロマンですね。また少年少女が手を貸してくれるところがいいんだー。大人主人公ならではのよさ。真犯人が怪しく美しくてよかった。
しかし首なし騎士が結構普通の敵みたいに追いかけてきたり組み合ったり吹っ飛んだりするところはちょっとシュールで笑ってしまった。
ある惑星にある国々、その一つ、ソレイユ王国の王女ユウキは幼い頃に両親を亡くしながらも12歳となって立派に王女としての責務を果たそうとしていた。だがグランディーガ帝国との間に戦争が勃発。大切な人たちを失う。一方、帝国の軍人である17歳のステラは、傷付いた過去から作り笑いを浮かべながら任務を遂行する少女で……。
可愛らしい絵なのに結構がちな戦争もので、誰が本当の敵なのか、戦いを続けていいものなのかと迷う王道なストーリー。しかしやっぱり戦争ものなので、身近な人たちが脱落していく感じが結構胸にくる……。結構な勢いで死んでいくんだよなあ……。
王女らしいまっすぐさと、軍人らしい不器用さの対比が面白くて、最後の最後の邂逅は最終話らしくてよかったなあ。
前世は人並みでしたが(自称)、ひきこもり令嬢の元気を取り戻してみせます!
コスメ会社に勤める英梨は、転生してエリーとして公爵令嬢・アリアンヌの侍女に任命される。彼女に対面しその姿に驚愕。肌はただれ全身喪服姿のひきこもり令嬢だったのだ。肌荒れの原因を探ると化粧品に殺虫剤が仕込まれていると判明!? 前世の知識をフル活用して、ご主人様を美しく&渦巻く陰謀を明らかにしてみせます!(裏表紙より)
侍女のエリーには不思議な記憶がある。「石鹸は泡立つもの」「髪を洗う専用のシャンプーがある」など。だが誰に尋ねてもそんなものは知らない、存在しないという。そんなある日、自分がこことは違う別の世界の人間、コスメ大好き会社員だったことを思い出した。
諸々すごく都合がいい……淡々と話が進むのでさらっと読めるのですが、設定や関係性の変化をもっと深く読みたかったなあ、と思いました。
愛と恐怖のレクイエム
おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」おかあさんは、そう聞いたんだ。しわくちゃの手を握りしめて。(「死者のための音楽」より)民話の世界に足を踏み入れたかのごとく、美しく切ない光景が眼前に広がってゆく。子どもたちへの愛と死を描いた、妖しく哀しく懐かしい山白怪談の世界。
教えたこともない経を唱え、行ったこともない土地を語る息子。
古い井戸の底に住む謎の美女。すべてを黄金に変える廃液をたれ流す工場。
身元不明の少女に弟子入りされた仏師。山に住む鬼におびえて暮らす人々。
父を亡くした少女と、人が頭に思い浮かべた物を持ってくる奇妙な巨鳥。
生まれつき耳の悪い母が魅せられた、死の間際に聞こえる美しい音楽。
親と子の絆を描いた、懐かしくも幽幻な山白朝子の怪談7篇。
(裏表紙より)
面白いってこういうことを言うんだよなあ! という気持ちで読む。いい短編って心が潤うわ……。
ホラーだったり幻想的だったりといういろんな要素があって、後味がいいわけではないんだけれども、お話としてやっぱりすごく面白くて、ぞわっとしたり息を飲みくだしたり、すごく楽しかった。
どれもそれぞれすごく好きなんだけれども、読み始めて「めっちゃくちゃいいなこの本……」と思った教えたこともない教を唱える子どもの「長い旅のはじまり」が一番好きかもしれない。
第三王女なのに王位を継ぐことになったエリザベス。彼女はある日、隣国の第四王子トーマスと突然お見合いをすることに! 自分に自信がない彼女は、きっと彼は玉座を奪いにきた敵なのだと思い込んでいた。絶対に負けないと、エリザベスは怒りに燃えていたけれど……。想いが空回りしてとんでもないことを言ってしまったせいで、トーマスの恋心に火をつけてしまい!?(裏表紙より)
のんびりほのぼのしたお話。この設定だとテンション高めなラブコメになりそうな気配なんですけれども、全体的にまったりとした空気で、エリザベスの空回りを遠いところから眺めている感じ。
エリザベスとトーマスもそれなりに癖のある人たちなんですが、お付きの人たちも掘り下げたら面白いエピソードが出てきそうな感じがしたなあ。
春の終わり、にょきにょき伸びるアスパラガス。真夏に囓るきゅうりの爽快さ。目にしみるさんまの煙に秋の到来を感じ、酉の市で手に入れる切山椒は歳末の風物詩。おつな味、いまの味が記憶の扉を開く。惜しくも急逝された安西水丸画伯のイラストも大増量! 食を愉しみ、食を哲学する絶品エッセイ特盛83篇をご賞味ください。(裏表紙より)
平松さんのエッセイは、お店で食べるものやちょっと珍しいものや贅沢なものがすごく美味しそうに感じられるんだよなあ。いいなあ豊かな日々だなあと思って羨ましくなる。どちらかというとがつんと胃袋や食欲を刺激する食べ物がよく登場する気がしていて、うっかりしているとお腹がぐうぐう鳴ってしまう。お腹が空いた!
母を亡くし行き場のないジェーンは、魔法卿・コーネリアスの城でメイドをすることに。〈魔法使い〉という異端を集め、悪名高い城で待っていたのは凄腕の毒舌執事・ジョンだった。「彼女の手は不要です」——なぜかジェーンに否定的な彼に認めてもらい、ここで居場所を見つけるしかない。そんな中、ジェーンの“ある秘密”にまつわる事件が!? 第16回小説大賞優秀賞&読者賞W受賞作。読むと、誰かに優しくしたくなる物語。(裏表紙より)
柔らかくて可愛らしい、少女向けのお話だったなあ。ちょっとメルヘンで幸せなおとぎ話のような作品だった。
異国の人であった母とこの国の父の間に生まれたジェーン。異国風の顔立ちと母の教えを胸に、ある秘密を抱えて魔法卿城にやってきた。このジェーン、賢くまっすぐな性格でなかなかただものではないという雰囲気をずっと漂わせていて、もしかしてと思っていたんですがやっぱりそうか。その辺りの謎にもう少し突っ込んで欲しいと思いながらも、少女が居場所を見つけたり、「優しい嘘」に気付いたりと、ロマンチックで素敵な話だったと思います。