読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「ぶたまん」の響きは、聞いたそばから耳がとろけそう——新大阪から乗り込んだ新幹線の中でその人気を見せつけられ、すがすがしい五月の夕刻には浅草でどぜう鍋をつつき、数十年ぶりに実家で食べる金色の栗ごはんに胸が弾む秋。どんな時でも読めば食欲が湧いてくるエッセイ76篇を収録した文庫オリジナル。 解説・伊藤比呂美(裏表紙より)
食べ物に関するエッセイ集。だいたい2〜3ページで一本なので、読みやすくはあるんですが、えっその後はどうなったの!? と気になるところが多く、もっと読みたい! と思いました。
夜中に読むと本当にお腹が空く。お昼に読んでも「今日のお昼ご飯はそば、いや、豚を炒めて……」なんて考えてしまう。

続刊行決定!! の注目シリーズ第二弾。千年王国では、二十歳を過ぎれば嫁き遅れ。規格外ヒロインのクリスティーナ、通称・骨董姫ことクリスと訳あり侍女(♂)のステファニーちゃんが大活躍の連作短編ミステリー! 今宵も華麗なる千年王国、プルーリオン公爵領メリーディエスの街は平和ながらも賑やかなようで……? クリスが欠伸まじりに観劇に向かったのは、本物の「ガラスの靴」が使われているという噂もある、話題の歌劇『シンデレラ』。しかし上演開始直後、劇場は暗転!? 煌めく「ガラスの靴」が姿を消してしまい……? 『ガラスの靴より輝く靴(リアル・ジュエル・スリッパー)』より。/あろうことか骨董姫を狙ったスリの少年を、ネームレス・ジャックと名付け公爵城に迎えることになったクリスだが……? 『我が麗しの若き騎士(マイ・フェア・ボーイ)』より。「かたや睦言」「かたや脅迫」W王子からの求婚ラブコメ『ガラスの靴はいりません! シンデレラの娘と白・黒王子』の少し前のお話――。(Amazonより)
電子オリジナル。『ガラスの靴はいりません!』の前日譚で、クリスとステファニーが領内の事件を解決する連作短編集。謎解き要素があったり、クリスの賢さが際立っていたり、お裁きが清々しかったりと、面白かったです。
クリスが本当に頭のいい女性なんだなあと思いつつも、自堕落っぷりが羨ましくてならない笑 いや、ちゃんと考えてぐうたらしているんですけど、ここまで清々しく「公爵家を途絶えさせるために放蕩します」とやりきる覚悟があるのはすごいと思います。
有能侍女のステファニーちゃんは、クリスに夢中なんだなとわかるところもあり、このまま二人で突き進んでいってほしい。

千年王国では、二十歳を過ぎれば嫁き遅れ。かつては「比類なき一粒真珠」と称えられたクリスティアナも、今やぽっちゃり上等な三十路となり、色恋とは無縁の放蕩生活を謳歌していた。ところがある日……王国の美しき双子の王子から、なぜか同時に求婚されて!? 「僕を愛して」「俺を欲しろ」…もちろんお断りなクリスティアナは全力逃亡しながらも王子と自身の過去に向き合うことになって……?(Amazonより)
三十路、ぽちゃぽちゃで、贅沢ばかりの放蕩生活を送るクリス。彼女の両親は身分違いの恋を遂げた王子と庶民の娘で、戯曲シンデレラの題材にもなった二人だ。そんなクリスは父親から、この公爵家の歴史を終わらせろと言われ、結婚もせず財産を食いつぶすことに精を出している。
という状況で、次期国王と目されている双子王子から求婚を受けてしまう、逆ハーレムものです。
この双子王子の攻勢がかなり気持ち悪くて笑 でも同じことを言葉を変えながら繰り返されるの、コメディ感強くてめっちゃ好きです。双子の二人から迫られるから楽しいんだよなあ。
隠しキャラ的なステファニーちゃんもいい味が出ていて、楽しかったです。

雑誌編集者の楓は、娘の衣装を自作する人気ブロガーに批判的なコメントをしたことから、自身の過去のブログを匿名掲示板で晒され、陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方、寝たきりの妻を抱える官僚の棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで執拗に絡んできた女を破滅に追い込もうとする——。ネット上の二人が現実で交叉したとき、驚天動地のどんでん返しが炸裂する。(裏表紙より)
こういういやーな気持ちになるミステリ、好きです。久しぶりにすごく嫌な気持ちになりました(褒めています)。
書くところを間違えると重大なネタバレになってしまうのであれなんですが、中盤くらいで「もしかして……」と思えるので、構成が巧みってこういうことを言うんだろうなあと思いました。そのもしかしてが「やっぱり!」に変わる瞬間よ。
最終的に棚島にはもうちょっと痛い目を見てほしい気がしたんですが、これから家族とともに日常を営んでいく彼は苦しみ続けるのだろうか、と想像するとなんというか、こちらの方が苦しいかもしれないなあと思いました。

猪目空我は、かつて少年探偵役で人気を博した子役くずれのイケメン。とくに技能があるわけではないが、過去の栄光を活用し外見重視の雰囲気探偵事務所を開くことに。早速、格安賃料で借りたのは古い屋敷の一角のうえ、他の住人は謎めいたお嬢さまと美しい執事のみ。ここに怪しさ爆発の大家と店子が誕生した。
一方、屋敷の執事にも秘密があった。それは彼の正体が死神で、死にゆく者に乞われた場合”カーテンコール”で三回だけ、彼らをこの世に呼び戻せるというもので……。
エリート死神執事とハリボテ探偵が贈る人生最後の"やりなおし"ファンタジー!(裏表紙より)
本を読む前の予備知識としての内容紹介って珍しいな。上記の内容を踏まえて、物語が始まります。加えてお嬢様にも秘密が。
栗原さん節炸裂でとても楽しく読みました。顔面と賢さに特化して人間的にはだめだめ(死神だからそれでいいんですけど)の死神執事と、脳みそが筋肉でまっすぐで正直な探偵にもなれない探偵・猪目、そして美しいけれどどこか奇妙なお嬢さまに、謎めいた万能を持つおじさまと、怪奇なものたちがどこかの街で寄り集まって当たり前のように日常を営んでいるの、なんだかくすっとしてしまう。
お互いしか見えていない、とか、お節介が人外を人にする、とか、まっすぐすぎて異形に気に入られる、とか、そういう胸をくすぐるものがたくさん詰め込まれていてにやにやしてしまった。あと冷蔵庫がなんかいい。ロマンを感じた。