読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターの講座を受けることに。彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む! 気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。(裏表紙より)
性格も立場もまったく違う女子中学生たちが四人集まって、カルチャースクールで起こる謎を解く日常ミステリ。
キャラクター性が強い日常の謎ものは大好きなのでもっと読みたかったです。お嬢様で引っ込み思案な千鶴、先は読めるけれど子どもっぽい桃、ちゃっかりものの真紀、頭脳明晰な公子という四人なので、もっとがつがつ謎解きしていいのよ。
四人がそれぞれにコンプレックスを持っていて、それを仲間たちに見て羨ましく思ったり嫉妬したりっていうのがよかったなあ。お話も登場人物の気持ちもぐるっと回って一周する短編集っていいな。
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国を守るため、麗峰国皇帝に正妃という名の《人質》として嫁いだ倒国の姫・香鈴。西域の帝国との戦で、帝国の王子で武将でもあるクラールに保護された香鈴は、彼からプロポーズをされる。しかもクラールは、これは倒国公認の政略結婚なのだと断言! 何度拒絶しても諦めない彼に困惑する香鈴だったけれど——。「クラール殿、それって二重婚なのでは?」名ばかりの皇帝正妃と敵国の王子の恋は前途多難? 中華風×政略結婚ラブファンタジー★(裏表紙より)
中華風の国の出身で正妃でありながら冷遇される香鈴。西洋風の国の出身で帝室出身者の騎士クラール。国の思惑により結婚しろと命じられた二人のお話……なんですが、話として落ちたのは二人の恋愛面だけで、放置されている設定や人物が多くてそちらが気になりすぎました。異文化交流を期待しただけに残念……。
しかし自らを責め続ける公主と、不器用ながらもまっすぐな騎士の恋はとても可愛らしくて応援したくなりました。神様の解釈についても、国によって異なって伝わっているという状況を面白く使っている、んですがそれだけにやっぱりもう少し踏み込んだ内容が読みたかったー!
開国帝都。あたらしき女を自称する、ハイカラ娘こと環蒔お嬢さんは今日も元気だ。「溝口さん! 百鬼夜行が出たのですって!」と、僕を連れて、噂の現場・銀座へ。
はぁ。「僕は恩ある男爵さまのため、勉学を優先したいのですが」という主張は、もちろん聞いて頂けないんですね?
“百鬼夜行”なんてただの噂話……と言いたいけれど、お嬢さやその友人、人ならざる者まで巻き込んで事件が発展し——。
男爵令嬢のハイカラさんに連れられて、秘密を抱えた書生が挑む開国帝都のあやかし奇譚、開幕!(裏表紙より)
ハイカラさんと書生さんとあやかしもの。おおーうまいことミックスされてるなあ! と感じた作品でした。とてもバランスがよくて読みやすかった。
百鬼夜行を主として起こる事件に、なんでもかんでも首をつっこむ環蒔お嬢さん。それに振り回される僕こと溝口。あやかしに遭遇してあわやというところで、実は溝口にはとある秘密が。
環蒔お嬢さんの無鉄砲な性格は「頼むからじっとしていてくれ!」と思うのですが、彼女の主義主張がとても爽やかでいて好ましく、応援したくなります。この若さは多分いつか折れてしまうときがくるんだろうけれど、折れないでいてほしいなあと思う。
成金の金持ちだが気弱なヴィクターは、没落貴族の令嬢ヴィクトリアと政略結婚することになった。会ったこともない相手との結婚を不安がっていた二人だがなんとなくいい雰囲気になるも、ヴィクターのどじによって結婚式は延期に。ヴィクターは上手く言えなかった誓いの言葉を練習するが、調子に乗ってコープスブライドの指に気付かず指輪をはめてしまう。彼を花婿だと思った彼女によって死者の国に連れて行かれてしまったヴィクターは……。
寓話みたいだと思ったらロシアの民話を元にしているみたいですね。こういう、女性の気高さに救われたり、力強い男性が優遇されたり、不可思議なものの世界が賑やかだったりするのはとても異国的だなあと思う。
死者の花嫁に花婿と勘違いされてしまった気弱な若者は、果たして誰と結婚するのか? 死は恐ろしいものだけれど身近で親しいものだという世界観がすごく好きです。倫理観もちゃんとしていて、悪人が罰せられてよかったよかった。
二人の花嫁もとても凛として可憐でしたが、犬かわいいよ犬。二匹でお尻のにおい嗅いでるところがとってもキュートで笑ってしまった。
ついに全国制覇を果たした「ニュー・ディレクションズ!」。主要なメンバーが卒業してそれぞれの道を歩み、下級生たちは新しくなったグリークラブで連覇を目指す。肥満を恐れるマーリーや、パックの異母弟のジェイク、口が悪いチアリーダーのキティ、アメフト部の踊れる選手ライダーなど新メンバーが加入するが、地区大会で事件が……。
レイチェルは大学に進学して初舞台を目指し、カートもそれを追ってニューヨークへ。フィンは軍を辞めてグリークラブの副顧問的な立場になったりと、卒業後のメンバーもちょこちょこ絡むシーズン4。
新メンバーのパンチはそれまで3期と比べるとだいぶと弱いですが、歌唱力は抜群に安定しています。みんな絶妙にうまいんですが、それでも「私がセンターよ!」という勢いはなくて、これもまた時流かなあと思ったりも。それでも女子メインを張ることになるマーリーの作詞作曲能力や、ユニークの素晴らしい歌声は、ニュー・ディレクションズ!の連覇を期待させるなあ。
社会的な問題として扱っているのは、夢を追うことだったりトランスジェンダーや同性愛だったりSNSだったりするんですが、一番衝撃だったのは第18話。「Shooting Star 最後に伝える言葉」で扱われた銃の発砲、もし学校に銃を持った人間がやってきたらという問題です。
それまである程度柔らかで優しい話が続いていたので、ここにきてかなりハードできつい展開になってびっくりしたし、銃社会の恐ろしさや問題を突きつけられた気がして息が止まりました。偶然音楽室にいたために立てこもった生徒たち、そこに居合わせたシュー先生やビースト先生。一人学外に避難できたティナ。トイレに行ったところに発砲を受けて個室に立てこもるブリトニー。事件に遭遇した人間の、それぞれの立場(恐怖の現場にいること、仲間が外/内にいることなど)や傷が描かれて、これはすごいエピソードだった。
レイチェルは「ファニー・ガール」の主演を掴むことができるのか。新たなメンバーを加えたグリークラブは連覇を達成できるのか。他のメンバーの未来は。次シーズンはフィン役の俳優さんが亡くなっておられるので、また見るのが辛い予感がしますが、最後まで見届けたい。
うだつの上がらないショーンは友人のエドとルームシェアをしている。だが最近恋人のリズに振られてしまった。楽観的で鈍いショーンは街を覆ったゾンビの大量発生にしばらく気付かなかったが、状況に気づくと友人や恋人たちを守ろうと駆け回る。
ゾンビでコメディ。冒頭から、街を襲った以上事態にショーンたちだけ気付いていないという状況に笑ってしまうんですが、その後の展開も絶妙に巧いし、ださかっこいいし、痺れるわあ。
性格も考え方も全然違う人間がこういう事態に遭遇すると、とんでもないことが起こるんだなあ笑 自分を律してみんなで協力して生き延びよう! というのとはまったく正反対の方向性で、ゾンビに襲われて緊迫したシーンでもなんだかちょっと笑えてしまう。パロディであろうかっこいいシーンやカットや展開があるんだけれど、他の部分でのくだらなさのせいで台無し感があってまたそれが笑えて楽しい。やっぱり名作だなあ。
冒険者になったばかりの女神官は同じく新人冒険者たちにパーティに誘われ、ギルドからの依頼を受けてゴブリン退治へ向かう。だが、たかがゴブリンと侮っていたパーティは全滅、最後に残った女神官が襲われようとしたところで甲冑を着込んだ冒険者に助けられる。彼の通称はゴブリンスレイヤー。とある理由からゴブリンを退治する依頼ばかりを受けている変わり者だった……。
RPG等で最初に戦うようないわゆる雑魚キャラ、ゴブリン。それを舐めてかかるとひどい目に遭うぞ、というのを少々残酷な現実とともに描いたファンタジー作品。調べてみて初めて知ったのですが元々は掲示板系の作品だったんですね。
過去に起こった出来事ゆえにゴブリンばかり退治しているゴブリンスレイヤー。ゴブリン殺しの専門家ならではの設定やエピソードが盛り込まれていて、ダークな展開と合わさって面白かったです。残酷さが含まれた殺伐系ファンタジーはいい……。仲間が増えてゴブリンスレイヤーと関わりを持っていくようになると、最後の集団戦闘がまた滾るんだよなあ。
マクロス級移民船団「マクロス・フロンティア」に「マクロス・ギャラクシー」で圧倒的な人気を誇る歌姫シェリル・ノームがコンサートツアーにやってきていた。美星学園航宙科の生徒である早乙女アルトは梨園出身だが父親に反発し、パイロットを志望している。そしてシェリルに憧れるランカ・リーはいつか歌手になることを夢見ながらコンサート会場に向かっていた。三人の出会いと、異星人であるバジュラの襲撃、そしてマクロス・ギャラクシー船団上層部の陰謀が絡み合い、激しい戦いが始まって……。
2007年の作品。全部最後までちゃんと見て、改めてシェリルが好きだなあ! と思いました。なんてかっこよくて、脆くて、それでも凛と立とうとする強い人なんだろう。ランカはランカでスターダムへ一気に駆け上がるシンデレラさと新人っぽさが可愛くて、シェリルとランカはいいダブルヒロインだなあと思いました。
それだけにアルトのエピソードが少ないのが残念。彼が実家の仕事とどう向き合って折り合いをつけたか、しっかり描いてほしかったなあ。どうしても優先順位が低くなるエピソードだとは思うんですけれども、だからどっちつかずな印象があるエンドになってしまった気がする。多分シェリルとくっついたんだろうっていう気はしますが……。
ミシェルのキャラがとてもよくて、脱落は辛かった……。当時もぎゃーって言いましたが、彼の誰にも心を開けない、本当のことを言えない性格が理解できるからこそ、涙なくしては見ることのできないエピソードでした。
いやしかしやっぱり面白かった。記憶していた以上にシェリルとランカが素敵でした。
デンマーク皇太子のエドヴァルドは様々なスキャンダルを起こす破天荒な性格だったが、テレビ番組の影響を受けてアメリカに留学することになる。ウィスコンシンの大学で医者を目指すペイジは身分を隠してエディと名乗る彼に出会い、最初は険悪ながらも次第に恋に落ちていく。
女子大生と皇太子のロマンス。キャリア志向の真面目な学生と、世間知らずでわがまま放題の王子様、この最初は合わない二人がお互いに感化されて変化していくところはロマンスの醍醐味という感じでたいへんきゅんきゅんします。ペイジの影響を受けたエディが爽やかでかっこよく見えてくるから、恋って人を変えるなあ。
二人がくっついておしまいかと思いきや、ペイジがデンマークにやってくるのは物語の中盤。恋人(婚約者扱いかな?)として政務に携わるというのがきちんとストーリーに組み込まれていておおっと思いました。そして二人の出した結論は……。
最後の最後でにっこりできる、ロマンスのほろ苦さも味わえるおとぎ話のような作品でした。
少年が開いた扉は、何故だかアクセサリー店へと繋がっていた。来た道を思い出せない少年の前に現れたのは、無神経で無愛想、おまけに生活能力ゼロの店主。その傍らには、喋る狼が!? 訪れる客も、風変りな者ばかり。店主に店の所在地を訊ねても、飄飄とした的外れな答えしか得られない。「迷子、おまえがどこから来たのか当ててやろう」……すべてが不合理な中、奇妙なゲームが始まった!(裏表紙より)
おそらく現代日本から来たと思われる少年が、複数の異世界の国から訪問者を受け入れる謎めいたアクセサリー店で自らの帰る場所を探す話。なんですが全然話が終わっていないので、いろんな世界のいろんな人の事情を楽しむ一冊となっています。
巨人の国からやってきた人物の依頼、追われているという人物の依頼、機械の国からやってきた依頼、物作りを生業とする少女の依頼、などなど、文化や仕事が全然異なる世界からの訪問者たちが「アクセサリーを作ってほしい」と依頼し、それに不思議な店主シオンが答える。ページ数が多ければライト文芸にカテゴライズされそうな作品。
話が始まっているようで始まっていないし終わってもいないので、少々消化不良です。メイは帰ることができたのかなあ。