読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「図書」誌上での好評連載を中心に編む時評集。一生活者の視点から、ものを言い、日々の雑感を綴る。今というこの時代、日本というこの国に生きることへの本能的な危機意識が、生来の観察者を発言者に変える。二〇一四年から一六年まで、日本がルビコンを渡った決定的時期の覚書として、特別な意味をもつ一冊。(カバー折り返しより)
世相の覚書という感じ。政治など社会の話ばかりですが、その当時のニュースを思い返しながら、こうやって一つ一つ立ち止まって考えたこと自分はあったかなあ、と思うなどしました。読みながらそこはかとない不安や怒りや、どうしてそうなったのだろうという疑いが感じられる気がして、日本はどこに向かうのかなあと不安になった。
PR
家庭教師のユーディットは、教え子のエルダが瀕死の状態から幻獣の《龍》として覚醒し、一命を取りとめたところに居合わせたことで、世話を焼くことに。そんなある日、彼女はエルダの鱗を持って王都へ向かうことになったのだけれど……。龍の鱗に目をつけた男に捕まり、ユーディットは窮地に陥ってしまった。そのとき、美麗な青年姿の《龍》ヴィオークに助けられ、なりゆきで彼に護衛されることになり——。
恋する気持ちに気づけない鈍感龍と堅物家庭教師のラブファンタジー。(裏表紙より)
あらすじから想像する話の45度くらい、設定がややこしくて登場人物が多い話でした。山場らしい山場があんまりない気がしてちょっと物足りなかったなあ。
継母から疎んじられ、腹違いの弟クレイトンの面倒を見て育ったユーディット。家から離れて家庭教師としての身分を確立し、弟も軍の花形として戦争で華々しい功績を挙げている。現在ユーディットの教え子のエルダは弟の婚約者。そんな状況でエルダが、家が没落したために両親とともに無理心中を図ってしまい、危篤状態に陥ったところ龍として覚醒する……すごーく重くてシリアスな冒頭で、大丈夫か……薄幸ヒロインすぎないか……と思いました。
龍がすでに希少種になっている世界なので、龍の鱗などは高値で取引されており、これをエルダに頼まれて売りに行くところで危険な目に遭ったユーディットは、龍の出現を察知したはぐれ龍ヴィオークと出会う。
人の社会で暮らしている割にはちょっと空気の読めないヴィオークがあんまり見たことのないヒーローの造形で面白かったです。ユーティットはもっとびしばしやってもよかったと思うなあ笑
学生たちを食い潰す「ブラックバイト」が社会問題化している。休みのない過密シフトで心身を壊すほど働き、売上ノルマのため「自爆営業」も強いられる。授業に出ることもできず、留年・退学に至るケースまで……。多くの相談・解決にあたった著者が、恐るべき実態と原因を明らかにし、具体的な対策をも提示する。(カバー折り返しより)
学生さん、あるいはその親御さん向けに書かれたものかなと思いました。学生を食いつぶそうとするブラックバイトの事例と、どうしてこのようなブラックバイトがはびこることになったのかという考察、実際に遭遇したらどう対処するかという内容。
読めば読むほど、働くことが怖くなる……。暗黒の時代だよなあ。
ともかく学生さんはちゃんと勉強して、なりたいものになることを最優先してほしいけれど、貧困とまではいかないまでも昔に比べて自由になるお金が少なくなったんだろうなあと思う。ブラックバイトの餌食になるのはみんな真面目で素直な子たちなんだろうなあ。
特徴的な声で海に向かって同じ旋律を歌う少女、ニノ。彼女には大切な人が二人いる。一人は「この歌を目印にしてもう一度会える」と言ったモモ。もう一人はこの旋律をくれたユズ。高校に入り、ユズとようやく再会したニノだったが、ユズは現在軽音楽部で「in NO hurry to shout;」通称イノハリのメンバーとして活動していた。しかし文化祭の出来事をきっかけに新ボーカルになったニノだが、モモとの再会やメジャーデビューもあり、大きく揺れる……。
原作は白泉社の少女漫画。原作は初期の頃なんとなく読んでいた、程度。高校生の音楽ものです。
序盤の展開がすごく早いので多分ざくざく話を切ってあると思うんですが、やっぱり福山さんの作品は見せ場がすごくいいなあ、と思いました。福山リョウコさんの作品は心理描写やテーマの回し方がすごく好きなんですが、アニメにしてもやっぱり映える。
ニノの造形は十代の女の子が好きそうな女子っぽさと男子っぽい素っ気なさで、彼女が追いかけるモモ、彼女を追いかけるユズという三角関係はきっと読者や視聴者の心を揺さぶるんだろうなあと微笑ましい気持ちで見ていました。みんなこういうの好きだよねえ。私も好き!
音楽番組に出たりフェスに出たり、親の存在があったりなど、エピソードもすごく豊富で楽しかったです。原作追いかけられてないけど読んでみようかなあ。
出版社で働く編集者の佐々木幸子は、四角四面すぎる性格の持ち主。そんな彼女はついに結婚するが、結婚式の当日、夫となるはずだった俊吾に逃げられてしまう。ショックを受けている自覚もなかったが、疲れきった幸子はふらりと入った食堂のサバ味噌定食を食べてその旨さに感嘆する。
見たのはスペシャルドラマ。
グルメもの。原作は何巻かまで読んだことあり。
食事シーンの過剰すぎる表現も面白いのですが、幸子のありえないほど几帳面すぎる性格が実際に表現されているのが面白いなあと思いました。こんな人は生きづらいだろうけれど、そういうのを感じさせないお話で、とにかくご飯が美味しそう。ご飯を食べていて美味しいものに巡り合ったときって、なんかもう、どっぱーと幸福感が溢れる感じですよね。
連続ドラマはどんな感じになってるのかなあ。見てみたい。
見たのはスペシャルドラマ。
グルメもの。原作は何巻かまで読んだことあり。
食事シーンの過剰すぎる表現も面白いのですが、幸子のありえないほど几帳面すぎる性格が実際に表現されているのが面白いなあと思いました。こんな人は生きづらいだろうけれど、そういうのを感じさせないお話で、とにかくご飯が美味しそう。ご飯を食べていて美味しいものに巡り合ったときって、なんかもう、どっぱーと幸福感が溢れる感じですよね。
連続ドラマはどんな感じになってるのかなあ。見てみたい。
リン・ミンメイの伝説から時が経ち、移民惑星を探すマクロス7船団はある日正体不明の敵の襲撃を受ける。スピリチアと呼ばれる生命エネルギーを奪い取る敵に対して苦戦を強いられていたところ、ロックバンド「Fire Bomber」のボーカル・熱気バサラとミレーヌ・ジーナスの歌によって状況が変化、彼らの歌に効果があることが見出され……。
「俺の歌を聞け!」です。OPがめちゃくちゃSFでかっこいい。
過去がなくただ敵味方関係なく歌う熱気バサラと、天才パイロットの父と元エースの母を持つヒロイン・ミレーヌ、彼女のお見合い相手として出会う精鋭部隊のエースパイロット・ガムリンの三角関係ですが、ヒロイン像も三角関係もひと昔というか、いま描くとだいぶと変わるなあと感じるところがたくさんありました。ヒロインの造形、いまだとわがまま娘すぎる笑
でもヒロインを魅力的に描こうとしているのはすごく伝わってきていて、ほぼ毎回服装や髪型が違っていたり、大事な局面で男衆のお尻を叩く言動をするあたりは、子どもの頃に憧れたヒロイン像そのままでした。とても可愛いです。
「Fire Bomber」の歌を繰り返し繰り返し使うところに「歌で戦う」ことを感じさせて面白かったなあ。戦うといってもバサラはまったく戦わず歌うだけなのですが、それを貫き通したのはかっこいい。歌で銀河を救ったなあ。
寡黙で大事なときにしかしゃべらないビヒーダさんが最高にかっこよかったです。こういうキャラ好きなんだよー。
幸せな日々を送っていた皇女アナスタシアだったが、魔法使いラスプーチンによる呪いで革命が勃発し、ロマノフは滅んだ。そしてアナスタシアは逃亡の際に家族と離れ離れになってしまう。十年後、パリに亡命した皇太后にアナスタシアを引き合わせて報酬をもらおうと画策する人々が溢れる中、過去を持たない少女アーニャは自分を知る人を求めて旅立つ……。
アナスタシア伝説を下敷きにしたミュージカルアニメ映画。子どもの頃に見た覚えがあったんですがほとんど覚えていなかった。当時はなんとも思っていなかったけれど、ぬるぬる動くアニメですごい。細かいところまで描き込んでいてすごい作品だ。
過去を持たない少女と、過去の彼女を救ったことのある青年が再会し、恋心を育む。彼女は貴族の世界に戻るか、それとも彼との愛に生きるか。そこに邪悪な魔法使いが彼女を殺さんと迫ってくる。ちょっとファンタジー成分がとってつけた感はあるんですが、貴族の世界か自由な恋かというのはロマンスとしては素晴らしい題材だなあと思います。
とにかく人物がものすごくぬるぬる動くのですごいなあ。久しぶりに見て楽しかったです。
大学の同級生だったピーターとティムは時には喧嘩しながらも次第に仲を深めて親友になっていた。しかし要領がよく目的を達成するためには汚い手段を用いることを厭わないピーターに、ティムはそれでも関係を切らず友人として付き合いを続けていく。だが青年時代から変わらないピーターの言動はやがて彼を追い詰め……。
男性同士の友人関係を描きながら立身出世や嫉妬を描く、という感じかな。1991年の映画なので男性像が、時代だなあという印象を受けました。こういう出世物語に女性関係やら裏切りやら誇りが絡むの、そういう時代だったんだなあと思う。
その人の本質というのはいつになっても変わらないもので、ピーターはきっとずっと誰かを踏みにじりながら大物になろうとするんだろうし、逆にティムはそれでも関係を切ることができず何かあったときに助けてしまうんだろう……と思いました。こういう、友情がとんでもなく鎖になって互いを束縛している感じ、嫌いじゃないです。
新天地での高校生活でダイビングに魅せられ、ぴかりという親友ができたてこ。仲間たちに後押しされたてこは次なる目標としてアドバンスライセンス取得を目指す。新しい出会い、街での出来事、学校生活などなど、楽しいことがたくさんで……。
第1シーズンは視聴済み。
カメオ的にケットシーや灯里役の声優さん(が演じる登場人物)が出るとふわあって嬉しくなりますね。
ダイビングの楽しさや美しさ、恐ろしさを描きながら、新しい登場人物や不思議な出来事を描く現代物。ちょっとした不思議を描くのが本当にうまいなあと思います。ピーターの話は突飛でしたが面白かったです。途中で「そういうことか! あいつがそうか!」と気付いた感覚がすごく楽しかった笑
新しい場所で親しかった友人たちと離れ、馴染めるだろうか、楽しめるだろうか、後悔しないだろうかと考えるてこがすごく身近に感じられる。そこでてこが周囲と関係を築くためのものがダイビングっていう非日常的なものがまた面白いなあと思います。
後輩も出来たし、新しい一年がまた楽しみですね。
今という時代を映す鏡でありたい──。従来のニュース番組とは一線を画し、日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉。番組スタッフたちの熱き思いとともに、真摯に、そして果敢に、自分の言葉で世に問いかけ続けてきたキャスターが、二三年にわたる挑戦の日々を語る。(カバー折り返しより)
報道する側の悩みや試行錯誤があることがわかる一冊。
報道について厳しい目が向けられるようになる時代になったなあと思うんですが、一方で無遠慮すぎるキャスターやインタビュアーに視聴しながら不快な思いをすることもあったりして、テレビは難しいなあと思います。「視聴者が求める」って、いまその視聴者側の感覚がおかしかったりするものなあと思ったりも。
インタビューの難しさってあるよなあ。どうやったら話を引き出せるのか、聞きながら聴くことはすごく頭を使うし難しい。それを二十三年続けたんだからすごいことだなあ。