読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
両親を亡くして天涯孤独となったエヴァンは、カリフォルニアを離れてイタリア行きの飛行機に飛び乗った。そこで出会ったルイーズと恋に落ちたエヴァンだったが、彼女は謎が多く、自分のことをほとんど語らない。しかしルイーズは生き物を食らうクリーチャーであるという秘密があった。
天涯孤独の青年がクリーチャーの美女と恋をする。20年ごとに半分新しい細胞を持ったほとんど不老不死のルイーズなので、生き物を襲うちょっとグロテスクなシーンもあるんですが、人外の彼女と僕というシチュエーションはとてもいい。少年少女でよく見るような関係性も、二人が大人で孤独であるとまた違っていて面白い。次の自分は果たして誰なのかという問いかけとか、不死とか、そういうものを冷静に観察してきた淡々とした雰囲気が底の方に流れている気がする。
すごくさっと終わるので「おや?」と思いはしたものの、「細胞が恋をする」という結論なのかしらと思って興味深く見ました。
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1996年38歳のとき僕は小説家になった。作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である——総発行部数1400万部、総収入15億円。人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学。(裏表紙より)
自分にはとても当てはまらないけれど、参考になった! でも全然別の世界の話すぎて参考にならない気もする!
『すべてがFになる』の実際の発行部数や印税額の推移が表にされているので興味深かったです。印税の話、講演や雑誌での対談とか、テレビとか、そういうものの収入について書かれているので、ほーなるほど相場はそんな感じなのかーと思いました。経験してみないとわからないよなあこういうの。勉強になります。
涙がとまらなかったあの短編。思わず吹き出したこの短編。記憶から消えない名手たちの技。人生の深淵を鋭くえぐり、生きる歓びを謳う真実の瞬間がここにある。月間小説誌『小説すばる』に掲載された短編小説群から、よりすぐりの秀作16編を集英社文庫編集部が精選! あの人気作家たちの世界が1冊で味わえる、究極のアンソロジー。心を癒し楽しませる、極上の読書体験を保証します。(裏表紙より)
赤川次郎「回想電車」浅田次郎「角筈にて」綾辻行人「特別料理」伊集院静「蛍ぶくろ」北方謙三「岩」椎名誠「猫舐祭」篠田節子「38階の黄泉の国」志水辰夫「プレーオフ」清水義範「苦労判官大変記」高橋克彦「梅試合」坂東真砂子「盛夏の毒」東野圭吾「超たぬき理論」宮部みゆき「さよなら、キリハラさん」群ようこ「キャンパスの掟」山本文緒「いるか療法―突発性難聴」唯川恵「青の使者」という16編。
綾辻行人「特別料理」のああーそういう展開だよねー! っていうグロテスクさが好きでした。
坂東真砂子「盛夏の毒」はエロスも含む後味の悪さが好きです。
唯川恵「青の使者」はその後の展開は気になりますが、そういう凄惨な部分を匂わせるの嫌いじゃないです!
だいたいが大人が主人公だったり視点人物だったりする話で、老いた人が回想する話が多かった印象でした。小説誌の読者層を思うとそういう風にある程度年齢を重ねた人を主人公に据えてしまうんだろうか。
架橋技師(ポンティフェックス)——〈歌〉で彼方と此方を繋ぐ者——は、いくさの最前線に立ち、自軍を敵地に誘導する橋を架ける。伝説の六色技師だった師に憧れ、人々を幸せにするため架橋技師になったフレイ。だが戦場で「白い悪魔」と罵られ、架橋の技は不幸をも招くという現実に打ちのめされる。心の整理もつかないままに相棒のアリューシャ、守護騎士レオと次なる戦地に赴くが……。
第5回C★NOVELS大賞受賞作(裏表紙より)
橋が持つ役割が詰まっているファンタジー。ここから物語が始まるという感じの顔見せやプロローグ的な一冊でした。
あわいのもの、とか、別の世界のもの、を呼び寄せるのが架橋技師という設定がすごくロマンで! フレイやエーレンフリート、アウグストやドレーゼも、考えの違う者同士を繋ぐ橋がかかってるよなあとか、本当にとことん「橋」が鍵になっている。
フレイとレオの関係がなんだかすごくいい。お互いに無理をしていない感じで、相棒なんだけれど負い目がないというか。信頼しきっているので敵に囚われていても安心感があってなんだか嬉しかったです。
気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮し。ある日、自分たちが天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔であることを知る。美晴にも天気を予知する不思議な能力が出現し、特別研究チームへの参加を任命される。それは、代々“空の一族”が担ってきた「外番」の仕事をすることを意味していた。「外番」とは、そして一族の「役割」とは一体何なのか? かつてない気象エンタメ小説、ここに開幕!(裏表紙より)
とあるプロジェクトに参加させられることになり、自分が、天気を見る・感じることができる能力者であることを知った美晴。導かれるように一族の人々と出会い、不思議な出来事や気象に遭遇する。
もっとがっつりファンタジーかと思っていたんですが、かなり現実寄りだった。もうちょっと不思議な力をばりばり使ってもらってもよかったのよ。膨らませたら上下巻の分厚い作品になってたんだろうなあという設定の散りばめられ具合だったので、もうちょっとしっかり読んでみたかったです。
大志を抱き、二十三歳でフランスに渡った著者が、夢に体当たりして掴み取ったものとは? 「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の文庫化。(裏表紙より)
仕事のやり方って生き方に通じるなあ。本当に人それぞれだ。
フランスで働いたときのこと、職場や同僚の話を交えつつ、斉須さんが何を感じてきたかというエッセイです。
居心地のいい働き方って幸せな人生につながると思うんですよね。代表されるのが掃除とか綺麗にしているということで……と思って自分の部屋の汚さに打ちひしがれる。
自分という個性を最後にきちんと表現出来る環境。それでいてみんなが協力し合える場所。すごく難しいことだけれどそういう場所で働くのはすごく素敵だと思うし羨ましいと思います。そんな天国が本当に存在しているのか……?
バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。(裏表紙より)
食事シーンを挟みながらその料理の再現レシピを収録した一冊。素朴で美味しそうな料理ばかりだなあ!
その世界のものを食べているシーンがあると、そこで生きているっていう感じがする。すごくささやかなシーンだからこそ、登場人物の人間味が出るというか。食事をするって親しい人とじゃないと居心地が悪いものだから、登場人物が食事していると自分の近くに感じて嬉しいなあと思ったりもする。
勉強になりました。お腹減ったー!
フェルが偽物だということがクロウにバレていた。短い人生でした!! と混乱するフェルに追い打ちをかけるように、クロウの態度が急変。今まで自分を信じてくれた彼に、これ以上嘘をつきたくないフェルは“偽嫁”白状を決意する。ところがいざ告白、というときにクロウから「神誓を解除したい」と言われてしまい——!? それって、仮嫁とはマジ離婚ってこ……と?
旦那さまからの離婚宣告!? 想いが大迷走の第7弾!(裏表紙より)
クロウがすでにシレイネの偽物としてフェルが来たことを知っていた、というところからの続き。妖精に対抗するための手段を探すため、そして亡くなったパールの痕跡を調べるため、中央教会を訪れたクロウたち。実はその教会にも呪毒の影響が……。
謎を解くための手がかりがいっぱいな第7巻。フェルを狙う人物も接触を図ってきたし、敵陣からのお誘いもきたので、お話は半ばまで来た感じかな?
カイズ猊下が真面目に見えて実はノリのいい人物なんだろうと思ったのでこの先も登場してほしいなあ。ステンドグラスをぶち破ってみたかったと思うなんて、結構悪ガキの面があるよね笑
思いを口にすることだけなら、許していただけますか?
王弟公爵フィオンへの想いを自覚した男爵令嬢コレット。フィオンは熱心に想いを伝えてくれるけれど、彼の身分ゆえに素直に言葉にすることができない。そんな中、フィオンに惚れ薬の解毒薬を飲ませることが決まる! しかし薬を飲んだ彼は別人のようになってしまい!?
累計1360万PVの甘く切ないラブファンタジー、感動のクライマックス!!(裏表紙より)
2巻にして完結巻。最後まで可愛らしいロマンスでした。
惚れ薬を通じて出会ったコレットとフィオン。彼の気持ちは惚れ薬が原因で、薬が切れれば冷めてしまうのではないかと怯えるコレットは好意を口にできずにいた。そんなコレットを排除しようとする何者かの動きが。
お話は王道なので早くうまくいけばいいなあ(最後うまくいくんだろうなあ)という安心感を持って読んでました。犯人はちょっと考えが足りなすぎるのではという気がしましたが、最後に明かされたフィオンと国王の事情も含めて、登場人物の配置が思わせぶりに感じたんですが特に活躍しないまま終わってしまったので、もう少し込み入った部分も読んでみたかったです。
天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、それゆえに数奇な運命をたどる。謎めいた貴族デローネイに引きとられ、陰謀渦巻く貴族社会で暗躍するためにあらゆる知識と技術を授けられたのだ……一国の存亡を賭けた裏切りと忠誠が交錯する中、しなやかに生きぬく主人公を描くローカス賞受賞の華麗な歴史絵巻、開幕!(裏表紙より)
交わることが神の捧げ物とされるテールダンジュ。春を売る神娼の娘として生まれながらも、瞳に赤い血のような染みを持って生まれたフェードルは忌み子だった。しかしそれは「アングィセット」と呼ばれる特殊体質を示すものであり、それを知った謎の貴族デローネイに引き取られ、彼の諜報員として仕込まれることになる。
諜報と陰謀とエロスと。たくましくしなやかなヒロインであるフェードルが、少しずつその才能を見せ始めるところがどきどきするなあ。一人称なので淡々と話が進むんですが、彼女がとんでもなく激する瞬間とかあるんだろうか。