読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ルディーン王国の王族は、石の声を聞き石の花を咲かせることができる——。前国王の血を引くファーラは、追っ手の目を逃れ寒村で身分を隠し暮らしていた。そんなある日、彼女の前に2人の傭兵が現れる。隣国の王子である許婚の元に彼女を送り届ける密命を受けた彼らと、ファーラは旅立つことになるが…。無口な大剣使い・ダリオンとクセのある性格の剣士・セルツァ。孤高の姫君と2人の傭兵が織りなす宝石ラブファンタジー開幕!(裏表紙より)
久しぶりにこういう正統派な恋愛ファンタジーを読んだ気がする、と思ったんですが、2010年の作品なんですね。流行は変わるものだなあ。
王家の生き残りであるファーラは愚鈍な娘として潜伏していたが、ある日二人の傭兵が迎えに来る。ファーラは石の声を聞き、その石が見た過去の光景を見ることができ、さらには鉱物を成長させることのできる「宝石姫」。しかも自分を守ってくれた騎士の薫陶を受けて剣の腕を磨き、強く美しい女性となった。
……そんな完璧な王女であるセラティファーラが、無骨な傭兵ダリオンと、国に送り届けられるまでに恋に落ち、一人の女性となる物語。いやあ、やっぱり身分差の恋っていいなあ。互いに誇り高いからこそ選べない、選んではいけないっていう葛藤が好きだ。
当て馬的になるかと思ったもう一人の傭兵セルツァは、最初から最後まで本当にいい人でした。彼も幸せになってほしいなあ。
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シンデレラの末裔・アランと新米靴職人のエデルはついに両思いに。まだ不安は残るものの、仕事に恋にエデルは幸せな日々を過ごしていた。そんなある日、≪魔術師の靴≫を片方だけ履いた女侯爵が靴店を訪れる! 靴の力で彼女の街・シエルナが幽霊街化してしまったという。真実を見極めるべく、幽霊街に向かう2人だったが……そこで、記憶を失ったあの男と再会し!?
幽霊街で……二人は一線を越える!?(裏表紙より)
第5巻。両思いになり、仕事も順調。魔術師の影はあるけれど、とりあえずは平穏な日々。と思いきや、魔術師の靴を履いた女侯爵と出会い、さらには記憶を失ったセスにも再会。そろそろ終わりに向けて動き出したなあという感じです。
アラン様が残念すぎて残念すぎて……笑 彼がきちんとエデルを口説ける日はくるのだろうか。このままだと接客に影響が出る気がするんですが! しかし「幸せな豚になります」はあきさんの絵も相まって本当にひどかったばくしょう。

ごくごく普通のOLあきは。そして、気まぐれでわがままで不器用な大学生の翠くん。親の海外転勤をきっかけに、なぜか一つ屋根の下で暮らすことになった2人は、まるで飼い主と猫のような関係。ツンとしたり、甘えてきたり、予測のつかない翠くんにあきはは翻弄されっぱなしで……?
「——で、どこまでだったら猫としてオッケーしてくれるの?」
獲物認定された私と年下飼い猫の、キケンで激甘な同居生活スタート!!(裏表紙より)
Web作品が、受賞に際して改稿されたもの。登場人物の年齢が上がっています。
猫のいる風景、という感じの、ほのぼのしつつも、ほんわかと甘ーい雰囲気の恋愛小説で、とてもまったり幸せな気持ちになりました。あきはと翠くんのやりとりが、とても程よい距離感で可愛い。離れたところから見ていてにこにこしてしまう。
気まぐれで、ちょっと独占欲が強くて、懐くと徹底的にあきはを追いかけ回す翠くん。でもちゃんと男の子らしい側面を持っていて、にやにやしました。
可愛いお話でした。

あやかしの棲まう“隠世”にある老舗宿「天神屋」。
亡き祖父譲りの「あやかしを見る力」を持つ女子大生・葵は、得意の料理で野良あやかしを餌付けていた最中、突然「天神屋」の大旦那である鬼神に攫われてしまう。
大旦那曰く、祖父が残した借金のかたとして、葵は大旦那に嫁入りしなくてはならないのだという。嫌がる葵は起死回生の策として、「天神屋」で働いて借金を返済すると宣言してしまうのだが……。
その手にあるのは、料理の腕と負けん気だけ。あやかしお宿を舞台にした、葵の細腕繁盛記!(裏表紙より)
アニメを先に見ていたので、読んでいると勝手に音声が付いてしまう笑
「かくりよの宿飯」シリーズ第1巻。タイトルがこうですが、嫁入りはしていません。嫁になれと冒頭で言われるものの、大旦那様は特に葵をめとるために何か働きかけるわけでもなく、読めない人だなあという感覚がすごく強い。まあ幼少期の葵を助けたのは彼なんだろうけれど……。
アニメでの葵の口調があまり馴染みのないものだったので不思議だったんですが、あれって原作に忠実だったんですね。口語的でない台詞がちょっと引っかかったものの、最初はぼんやりしていた葵が、天神屋で自分にできることを見つけて少しずつ顔を上げるように生き生きとし始めるのが素敵でした。

大手製菓会社の社長令嬢であるフレデリカは、「グラール」という男性名義で小説を刊行する覆面作家。同じ覆面女流作家であるセシリアが小説大賞をとったことで、自分の作風に迷いを覚え、焦っていた。そんなとき、ネタ探しのために店員として潜入していた父の会社のお菓子店で、鼻持ちならない男性と出会う。男性が「グラール」の本を速読でななめ読みしていたのにカチンと来たフレデリカは、思わず彼を罵倒してしまった。ところがその男性の正体は、取引先のワイン商の令息・アルテだった。すぐに「グラール」とフレデリカが同一人物だと見抜かれたうえに、なぜか彼にプロポーズされてしまい!?【目次】ひみつの小説家と葡萄酒の貴公子/ひみつの小説家の休日/幸福の城と炎のプリンセス(Amazonより)
電子オリジナル。
初めて電子書籍で活字を一冊読んだ。意外と読めるものだなあと思いました。
紙書籍で出た『ひみつの小説家の偽装結婚』と世界観を同じくする、主人公を変えた続編。セシリア=セオの親友でありライバル、フレデリカ=グラールのお話です。
セシリアは生真面目な小説家でしたが、フレデリカはだいぶとキャラクターが強く笑 ですわ口調で「カチコミ」とか「弾除け」などと言い出す◯◯組のお嬢みたいなヒロインなんですが、彼女のたくましいところ、ちょっと口が悪くて素直でないところが可愛らしい。またヒーローのアルテが、丁寧な口調で当たりが柔らかい人なので、セシリアとクラウスの組み合わせも素敵でしたが、このカップルももだもだしていいロマンス。
小説家としてのスタンスはいろいろだよなあと思わせるお話で、すごく感情が入っていると思わせる部分が多く、頑張ってほしいなあ(頑張りたいなあ)と思いました。
挿絵、見たかったなあ。

苛烈な暴君か、有能な君主か。中国最初の皇帝の生涯は謎に満ちている。出生の秘密、即位の背景、暗殺の経緯、帝国統一の実像、焚書坑儒の実態、遺言の真相──。七〇年代以降に発見された驚くべき新史料群に拠り、『史記』が描く従来の像を離れ、可能な限り同時代の視点から人間・始皇帝の足跡をたどる画期的な一書。(カバー折り返しより)
始皇帝研究をまとめたもの、でいいのかな。中国の歴史にあまり詳しくないので、もうちょっと入門的なものを読んでからこれを手にした方がよかったかもしれない。
読んでいて思ったのは、記述が様々で、まだまだ明らかになっていないことが多いのだなあということ。統治者の威光を表現する、あるいは貶めるために、文書が大きな役割を果たしているという印象が強い国だなあということでした。

ワケあり王太子殿下アイザックとの婚約式を迎え、ついに婚約者となった貧乏伯爵令嬢リネット。あとは、貴族に向けてお披露目をすれば結婚まで一直線と思っていたのだけれど……。突然隣国のソニア王女がアイザックに婚約を申し込みにきたせいで、お披露目は台無しになってしまって!? カッコイイ男装の麗人になれる自分なら、男好きの殿下に相応しいってどういうことですか! 変な誤解をしている王女様に、殿下の婚約者の座を譲ったりなんてしませんから!!
ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ第4弾!(裏表紙より)
貧乏伯爵令嬢で、お掃除係だったリネット。女性を昏倒させてしまう力を持ってしまっているアイザックに唯一近づける女性ということで、雇われ婚約者をやっていたが、彼と思いを通じあわせてついに婚約式に臨む!
婚約式から婚約発表の流れのはずが、予想外のお客様、隣国王女のソニアの来訪によってロッドフォードは大混乱。しかも隣国の王家のお家騒動が理由で、リネットやアイザックたちが動かなくてはならない羽目に。いつも通りだいぶとどたばたしていて、さらにはお兄ちゃん・グレアムも加わって、リネット絶対守る隊みたいなものが結成されているのがおかしい。アイザック、レナルド、グレアムの三人体制は鉄壁だなあ。
終盤、リネット自身も活動的に活躍する場面があり、元気のいい女の子は好きだなあと思いました。

夢で他人の記憶を見る異能を持つ“夢視者”の笹川硝子は、特殊捜査官として京都府警に勤めていた。遺体に触れるとその者の死の瞬間を追体験できる能力を活かし、事件を解決に導いている。そんな中、同じ特殊捜査官で先輩でもあった川上未和が、硝子に「ナイトメアはもう見ない」という謎のメッセージを残して行方不明になってしまう。さらに未和の汚職疑惑が発覚し…?
「硝子。……あんたはそのままでいてな」(裏表紙より)
面白かった! サスペンス系ファンタジー? 社会派にファンタジー要素が入ったもの? とにかく現代ものなんですが、すごくリアリティがあって、なのに少女向けっぽい雰囲気も残しつつ、お仕事ものの要素もあってすごくバランスが取れた話だなあと思いました。
夢視者という存在が現代にいて、これをどのように取り扱っていくかという思惑が裏で動いているのですが、現場は現場で事件が起こっていて硝子はその毎日を、自分にできることをやろうと頑張っている。怯えて泣いたって何にも解決しないと豪語する彼女は、その強さでもって日々を生きる。また彼女の原動力となるのが美味しいご飯と素敵なマスターというのが、すごく身近でにやっとしちゃう設定。
最後も爽やかに、希望が持てるラストで、ご飯をちゃんと食べて頑張る彼女が眩しかった。かっこよくて素敵なお話でした。

——僕は佐藤さんが苦手だ。地味で、とろくて、気が利かなくて、おまけに大して美人でもない佐藤さんと隣の席になった、ひねくれもの男子の山口くん。何気ない高校生活の日常の中で、認めたくないながらも山口くんは隣の席の佐藤さんに惹かれていく。ある時、熱を出して倒れた佐藤さんの言葉をきっかけに二人の関係は急速に変わっていく………。甘酸っぱくてキュンとくる、山口くんと隣の席の佐藤さんの日常を描いた青春ストーリー!(裏表紙より)
小さなお話が連続する構成の、甘酸っぱい恋物語。日常系の四コマ漫画とかショート漫画みたいなお話だなあという印象。
人の本質や、見た目に表れていないかもしれないけれど純粋で優しい気持ち、そうしたものに惹かれてしまう、という感じの山口くんも愛おしい。佐藤さん、いい子だよねえ。佐藤さん視点なら普通の恋愛小説なんだろうけれど、あえて山口くんの視点で、最初はさほどいい印象を持っていなかったのが変わって、というのがとてもいい。ぴゅあぴゅあで浄化される。可愛らしいお話でした。

「自分が食べるためにこそ、おいしいものを作らなきゃ」菜の花食堂の料理教室は今日も大盛況。オーナーの靖子先生が優希たちに教えてくれるのは、美味しい料理のレシピだけじゃなく、ささやかな謎の答えと傷ついた体と心の癒し方……? イケメンの彼が料理上手の恋人に突然別れを告げたのはなぜ? 美味しいはずのケーキが捨てられた理由は? 小さな料理教室を舞台に『書店ガール』の著者がやさしく描き出す、あたたかくて美味しい極上のミステリー!(裏表紙より)
おおー面白かった! 人間関係や人のいやらしいところが描かれたものって、嫌な気持ちにもなるんですけれど面白いなあと思う。
退職後、新しい職を見つけられないまま、靖子先生の厚意に甘えて料理教室の助手をしている優希。教室に来る生徒さんたちの様々な謎を、食を通じて紐解く。探偵役は、料理上手で観察眼の鋭い靖子先生。
優希自身の人格性があんまり表に出ず、距離を取っている感覚があって(自分のことを語っていないわけじゃないんですが)入り込みにくいところがありますが、この独特の距離感がいかにも現代っぽい。優希が新たな一歩を踏み出す話、続きで読めるのかなあ。