読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

都心に広大な敷地を誇る代々木公園。3月の最終日曜日、まだどこにも咲いていないはずの桜が舞う今日、公園にいる人間を標的とした、ある伝説が現実のものとなる——。ロカビリーグループ、高校演劇部、殺陣役者、ネットアイドルオタク、お笑いコンビ、イケメン俳優など、何の繋がりもなさそうな人間たちの事情が巧妙に絡まりあい、思いも寄らぬ化学反応を引き起こす。その果てに、伝説の主人公となるのは一体誰なのか? リアルな現実を照射するなかに、人間の愚かさや愛おしさを浮かびあがらせた群像劇。(裏表紙より)
三月最後の日曜日、代々木公園に現れる都市伝説〈チェッコさん〉。公園内にいる人々のグループのいずれかにいつの間にか入り込み、代わりにグループの中の一人が存在を忘れられ新たな〈チェッコさん〉になるという。
そんな日曜日に偶然集まってしまった人々が、それぞれの事情を抱えながらとても長い一日を過ごす群像劇。
チェッコさんの登場はすごく自然にとても違和感がある感じで入り込んできたので、一瞬あれ読み飛ばしたかなと思いました笑
だいぶと後味の悪い人が何人かいて、救われたのは限られた人たちだけなんですが、たくさんの人の視点がぐるぐると入れ替わって、この出来事はAさんにはこう見えていたけれどBさんにはこう見えていた、というのが好きなので楽しかったです。
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冬休みに突入した午後、自分の出生にまつわる秘密を知ってしまった女子高生・こずえは母を一方的に責め、衝動的に家を飛び出した。ひょんなことから鍵屋を営む鍵師・淀川と知り合い、年齢を偽って助手として彼の家で居候することに。そこへ「亡き父が遺したものを知りたい」という依頼者たちにより、他の鍵屋で開けられなかった手提げ金庫が持ち込まれるが…?
鍵をかけ、しまった秘密はなんですか——?(裏表紙より)
もうすぐ十六歳になろうかという女子高生のこずえは、自分と母が実の親子でなかったことに衝撃を受け家出をする。行くところのないこずえは、偶然出会った淀川からもらった甘酒で酔っ払った結果、彼に介抱され、なしくずしに「淀川鍵屋」の居候兼見習いとして束の間の日常を過ごす。
鍵をかけて封印した秘密、がテーマですね。鍵屋のお仕事として金庫を開けることから、様々な事情が見えてくる。遺産相続で揉める家族っていうのは定番ネタだと思うんですが、いい感じに終わってよかったよかった。
![47RONIN [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51nhU16sBhL._SL160_.jpg)
赤穂の国で暮らす異邦人のカイは、幼い頃行き倒れていたところを浅野氏に救われ、恩義を感じて忠誠を尽くしていた。だが見た目から差別を受けて周囲の侍たちからは獣以下の扱いを受け、浅野氏の娘ミカを思いながらも結ばれずにいた。ある日将軍を迎えもてなした浅野氏だが、同行していた吉良氏は妖術を用いて浅野氏を陥れ、彼らを守る臣下やカイたちを軟禁、あるいは奴隷として売り飛ばす。領主を失った赤穂の国で残された後継ぎであるミカは吉良氏から結婚を申し入れられ、父の喪が明ける一年後、その婚儀の日がやってこようとしていた。
忠臣蔵を和風ファンタジーハリウッド映画に仕立てた作品。服飾や美術が美しく、和風ファンタジーとしてはたいへん面白い作品だなあと思いました。というより、日本の侍をファンタジーにしたという感じかな? 侍ファンタジー。
異邦人である主人公カイが、忠義から国を併呑しようとする巨悪と妖女と戦うわかりやすい王道ストーリー。最下層の身分である彼が周囲から認められていき、姫と思いを通わせ、しかし最後には切腹して散っていくという、ああこれが海外が日本に求めている美学の一つかと思わせてくれる。2013年の作品だからかそれとも架空日本を舞台にしているからか、戦う女性がいないのがちょっと珍しい気持ち。男装の浪士とかいそうなものだったんですが。
美術として見るのが楽しい作品でした。
![オンディーヌ 海辺の恋人 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51TMjmWYUEL._SL160_.jpg)
アイルランドの田舎で漁師をしているシラキュースは、ある日引き上げた網の中に女性が入っているのを発見する。何か事故にあったのかと慌てるシラキュースだったが、彼女は人に会いたくないと拒絶する。謎を持った彼女を仮にオンディーヌと呼ぶようになり、シラキュースと病気の娘アニーはおとぎ話に登場する海の精セルキーだと冗談交じりに言い合って……。
謎めいた美女を釣り上げてしまった、バツイチで娘がいる男性。少し風変わりな彼女に名前を与えると、娘がセルキーだと言って興味を持ち始めた。北国の海と突然現れた美女とどこか運のない男という取り合わせは、とても文学的で幻想的。ちょっともの悲しい雰囲気もあるのがまたいいなあ。中身は結構、人間として泥臭いというか田舎っぽい絵なのがまた雰囲気が出ていていい。
果たしてオンディーヌは本当に海の精なのか? という謎解きはラストで明かされるのですが、まあそういうことだよなあと思いながらも、オンディーヌをセルキー扱いするアニーが可愛くてしょうがない。こういう、幻想の生き物(と思っている)を現代で一生懸命お世話する女の子の図が大変好きなので、オンディーヌとアニーの絆は見ていて楽しかった。
![パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61F1BfzlEaL._SL160_.jpg)
オリンポスの神々の一柱ポセンドンと人間の間に生まれたハーフゴッドであるパーシーは、安全であるはずの訓練所で魔物に襲われる。結界を守るタレイアの木を復活させるために黄金の羊毛が必要だと知った彼らは、仲間たちとともに魔の海へ漕ぎ出した。
前作あったのか見てないわ! と思いながらも最後まで見ました。
ハーフゴッドでありながら父に愛されていない、見放されているのではないか、という現代版ヘラクレスみたいなお話だったなあ。
オリンポスの神々の落とし子であるハーフゴッドたちは人知れず人間社会に食い込んでいるという状況には、なんとなくイギリスの魔法使い少年を思い出します。神々が現代社会を歩いているという設定はやっぱりみんな好きなのかもしれない。
神や神代の種族が混じり合って存在しているところがめちゃくちゃファンタジーみを感じさせて好きだなあと思いました。こういうところでの学園ものが楽しいと思います。

かつてフォーミックと呼ばれる宇宙生命体の襲撃を受けた人類は、世界中から子どもたちを集めて士官教育を施していた。エンダーもまた稀なる才能を見出されてバトルスクールに引き抜かれるも、天才的な頭脳や観察眼を持った彼はつまはじきにされる。それでも才能を認め合った同年代の少年少女たちと切磋琢磨しながら、指揮官となるべく進んでいくエンダーだったが……。
原作は未読。
宇宙からの侵略者と戦うために養成されたエンダーが類稀なる才能を発揮して指揮官となり、大人たちに使われてとある「ゲーム」に挑む。ラストの直前までエンダーは大人たちの駒でしかないのですが、「選ばれた子ども」の描き方が面白いなあと思いました。こうやって人はコントロールされ、本当の意味で天才というのはそこで自ら歩み出す者のことをいうのかなあと。
兄姉の存在が示唆されていましたが、深く関わってくるかと思ったらそうでもなく。アイコン的なものなのかなあ。夢の中でとあるものと置き換わるヴァレンタインは面白い表現だと思いました。

『送り人の娘』『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で注目を浴びる、気鋭の著者が贈る時代ファンタジー。
茜は跡継ぎ鷹丸の遊び相手として、豪商天鵺家の養女となる。数々の謎めいたしきたり、異様に虫を恐れる人々、鳥女と呼ばれる少女の姿をした守り神。奇妙な日常に茜がようやく慣れてきた矢先、屋敷の背後に広がる黒羽ノ森から鷹丸の命を狙って人ならぬものが襲撃してくる。それは、かつて魔物に捧げられた天鵺家の娘、揚羽姫の怨霊だった。
このままでは鷹丸が犠牲になってしまう! 一族の負の連鎖を断ち切るため、茜は魔物に立ち向かう決心をするが……。(カバーより)
明治時代、とある田舎にある因習に満ちた家の養女となった少女と、後継の少年、その守り神である不思議な少女のお話。ファンタジーなんですが文章も厚みもだいぶまろやかで、ホラー要素のある児童書みたいな印象でした。
長男のために他の子どもを犠牲にするお家と、後継のそばにつく世話役兼呪術師の静江の存在がたいそう怖い。特に静江は何かにつけて邪魔をしたり企みを持っていたりするので、ものすごい脅威に感じられる。主人公が子どもたちなのでまた抗いようがないんだよなあ。
物語の最後にこの家がどうなってしまったのか。鷹丸は善き家を作ることができたのか気になりました。じい様と両親は身の破滅を招いていてほしいんですが、そうなると鷹丸がちょっとかわいそうだよなあと思いつつ。

魔獣が跋扈する森の奥。一匹の火吹き竜が、猫たちと暮らしていた。永きにわたり猫を守り育てる竜を、猫たちは「羽のおじちゃん」と呼び、人間は畏怖と敬意を込め「猫竜」と呼んだ。竜の庇護を離れた後に、人間と暮らす猫もいる。冒険に憧れる王子と、黒猫の英雄。孤児院の少女に魔法を教える白猫。そして森では、今日も竜が子猫に狩りを教えている。
これは、猫と竜と人間の、温かく不思議で、ちょっと切ない物語。(裏表紙より)
ファンタジー界における猫のお話(竜もいるよ)という感じでしょうか。
文章は決して巧みではないんですが(一文ごとに改行している感じなので簡単ではある)、ファンタジーと猫と竜を愛しているんだろうなあと伝わってくるような気がします。
猫に育てられた「羽のおじちゃん」を主軸に、猫の兄弟やその子孫と人間の短いお話がいくつかあって、人と猫が寄り添って生きる王国があるのだと描かれる。その人間と一匹の猫だけで壮大な冒険譚を紡ぐことができるのですが、あくまでその出会いや一エピソードだけが連なっていて、いかにもなろう小説だなあという感じがしました。

失くしたものは、何か。
心を穿つ青春ミステリ。
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。(裏表紙より)
ファンタジー要素ありの現代ミステリ。
一人称って読みながら語り手のことを感じたり考えたりするんですが、この作品の語り手の七草少年、最初から「なんか信用できないなあ……」という感じが漂っていて。階段島の性質から自分のことを語れない人かと思ったんですが、ラストに向かうにつれて、なるほどそういうことかと。
「真辺由宇がここにいる」ことが犯人の怒りであり、犯行の動機だった。ファンタジックな設定ならではのロジックで面白いなあと思いました。
しかしその真辺さんのまっすぐな性格がちょっと読んでいて辛い。振り回されているわけではなく、七草は自分で彼女についていくかどうか選んでいるんだよという台詞がありましたが、それにしても真辺が考えなしに突き進んでいくのを七草がなんとかしてあげているように感じられて。
続巻で今後この二人の関係も変わっていくのかなあ。