読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
大公夫婦に第三子誕生!……そのとき何が起きたのか?(「身代わり伯爵と終幕の続き」)、変人揃いの女官見習いたちが、若手騎士との集団お見合いを実施!?(「令嬢たちのお見合い大作戦」)、華麗なる恋愛遍歴を持つ第五師団長・ジャック。ついに彼に恋の女神が振り向く——か?(「身代わり伯爵と忘れじの恋の約束」)他、リヒャルトとフレッドの出会いを描いた非売品小冊子掲載の中編も収録! 幸せいっぱいの短編集!!(裏表紙より)
身代わり伯爵、本編のその後を描いた短編集です。
レルシンスカとルドヴィックが落ち着いてよかったんですが、リヒャルトの隠された武勇伝の一部が楽しかったです。荒んでいた時代の彼はこんな感じで、こんな風にフレッドと仲良くなったのかーと思うと、今の幸せいっぱいっていう日々を過ごす彼が愛おしくなりました。ロジオンが好きになったので彼が登場したのも嬉しかった。
ジャックの恋物語は可愛らしくて、にやにやしました。純愛だー。
あとこの本、帯がすごいいい仕事してた笑 ので、読み終わったあとに帯を外すといいと思います。中の広告も帯で隠れる部分を隠してあって、ナイス!笑
とても楽しく元気な作品で、幸せな気持ちをいっぱいもらいました。最後まで読めて本当によかった。ありがとうございました。
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ミレーユとリヒャルトは、ごく普通の下町のパン屋の娘と、兄の親友の騎士として出会った。様々な出来事を二人で乗り越え、大公とその妃となり、ようやく幸せになれるはずだった。
——だが、そんなリヒャルトが今、銃弾を受けて海に消えた。
「あたしは絶対にあなたから離れないから……」
はたして二人は、自分たちを待つ人々のもとに帰ることができるのか。『身代わり伯爵』の奇妙で華麗な冒険、ついに完結!!(裏表紙より)
拍手ー!! ここまでの全部が「冒険」だったなあと感慨深い本編最終巻でした。ああもう本当に、よかったねええええ!!
何も持たない人が自分の家族を持つというのが好きすぎるので、家族になりたいって言ってくれたミレーユに涙が溢れました。そうして終章ですよ。愛する人との子どもを両手に抱えて光に向かって歩むリヒャルト。本当によかった……よかった……(それしか言ってない)
出会いもあれば別れもあるけれど、フィデリオのことはアリアがちゃんと見ていてくれそうなので、頑張れ!
いろんな人たちがミレーユたちを祝福してくれて嬉しかったけれど、リヒャルトの左右にミレーユとフレッドがいてくれるっていう図が愛おしすぎる。これからも幸せであれ!
「もうやだ。リヒャルト、助けて……」
ミレーユがそう言って縋りつくのは、リヒャルトではなく、フィデリオだった。大事なものを奪われ、さらにはダラステア皇帝が教主側に寝返ったらしいと知り、愕然とするミレーユ。
「よくも俺のミレーユを……!」「あなたのことが好きなんだ」
ついにミレーユのもとに辿り着いたリヒャルト、思い惑うフィデリオ。同じ女性を想う二人が取った行動とは——!?(裏表紙より)
分冊という感じの、最終巻上下分冊の上巻です。描写の感じから「おや?」と思ってたんですけど、やっぱり演技だったかー。ちょっと唐突感に溢れている気がしましたが、なんとかミレーユもフィデリオの思惑に気付けたようでよかった。
ブチ切れて戦神のごとき形相で敵を切りまくるリヒャルトがかっこよくもあり恐ろしくもあり……。フィデリオのことを信じていてくれたのも涙でした。なのに引きが、引きがー!!
東京で一人暮らししながら不動産会社で働いているさやか。仕事では理不尽に怒られ、食事はコンビニ、なんだか味気ない……そんなある夜、アパートの前で動けなくなっている男性を見つける。「噛みません。しつけのできた良い子です」だから拾ってくれませんかという彼、樹をなんとなく拾ってしまったさやか。彼に胃袋を掴まれ、野草狩りの楽しさを教えてもらったさやかはどんどん気持ちを募らせていき……。
有川浩さんの『植物図鑑』が原作。テイストがだいぶと夢見る女の子のラブストーリーというのか、俳優さんに寄せてる感じなのかっていうマイルドな感じになっていて、自分の持っている印象とは違ったのですが、かわいらしいお話だなあと思いました。痛いって感じるのは上司や困ったお客に対してで、樹は柔らかく話すし、さやかもふんわりとした女性なので全体的にふわふわきらきらという印象でした。
高級コールガールだったイザベラは、いまやハリウッドスター。記者のインタビューに自身の過去を語る彼女は、偶然に出会った演出家のアーノルドから三万ドルをプレゼントされた出来事を話す。入り組んだ人間模様は、やがてひとつに収束して……。
どたばたコメディ映画。彼女と話している彼は、実は向こうの彼女とつながっていて……が続いてどんどん事態が混乱していくのですが、最後にはぱっとそれが解けるという話。いろんな皮肉がきいててうっすら笑いながら見てしまった。
こういう短い作品はキャラクターの強さがものを言うんだなあなんてことも考えたりしました。イジーはいいとしても、カウンセラーの先生は見ててなんかきついなあと思ったり。こういう強調があると話が回しやすくなるよねーなんて。
ロジオン、ダラステア皇帝(とその小姓)と共に誘拐され、囚われの身となったミレーユ。リヒャルトを蹴落とすために動いているというフィデリオの真意が見えないまま、ついにミレーユは、リヒャルトに婚約解消の手紙を書くことに……。
一方リヒャルトは、ミレーユ奪還のため策を練るのだが——!?
「ミレーユ——俺を見てください」
待つのは幸せな未来か、それとも……? 物語は最高潮へ!!(裏表紙より)
フィデリオー!! 信じてたー!! と叫ぶ一方でリヒャルトがキレて終わったので続きが楽しみで怖いです笑
カラーピンナップがすごくいい仕事をしています。フレッドの台詞、本編で読んだらとてもよかった。幸せに向かって突き進める力強さを持ったキャラクターは、本当に見ていて楽しいし元気をもらえる。
掌編が収録されていて、ミレーユの誕生日の小さなお話なのですが、本編が再会できていないぶんじれじれしました。
幼いリヒャルトと第五師団団長ジャックがかわした約束を描いた「身代わり伯爵と遠い日の約束」や、ミレーユの計らいで実現した、リヒャルトとキリル兄弟の絆を描く「身代わり伯爵とはじまりの旋律」をはじめ、ミレーユの第五師団時代の奮闘を描く「身代わり伯爵と開かずの間の謎」、シルフレイアの結婚を描いた表題作「身代わり伯爵といばら姫の憂鬱」など、超豪華書き下ろし100ページ以上! ファン必読、珠玉の短編集!!(裏表紙より)
雑誌掲載のものと書き下ろしのものを合わせた短編集。お話もたいへんかわいいですが、挿絵がめちゃくちゃ素敵です! カラーピンナップのフレッド、すっごいイケメン! こんな貴公子に優しくされたら腰くだけーって感じです。
いちばん楽しかったのは、『身代わり伯爵の結婚』の裏話に当たる、シルフレイアとカインのお話でした。このふたり、めちゃめちゃ好きなカップルなんですけど、全然そう見えないのにお互いを好きすぎるのがかわいいなあって思っていて。カインは普段気だるげにしているのに言動が完全に騎士のそれなんですよねえ。もっといちゃついてほしい。
「身代わり伯爵と真夏の遠足」の、セシリアが頑張ってミレーユを「お義姉様」と呼ぶお話も可愛らしかったです。ママ、めっちゃ美人ですね!
「あなたが着て初めて完成する衣装なんですよ」婚前旅行を終え、シアラン国へ戻ってきたミレーユとリヒャルト達。ミレーユはお妃として認められ、宮殿は二人の結婚式準備に追われていた。花嫁衣装も出来上がり華やかな日々が続くと思われたが、ミレーユが何者がに捕らえられ、ロジオンも負傷してしまう!!さらに、第五師団に銃口を向けたのはフィデリオで!? 裏切りか忠誠か!! かくして身代わり伯爵の最後の冒険がはじまる!!(裏表紙より)
結婚行進曲、その最後のエピソード。行方不明になったフィデリオが現れ、禁じられている火器を手に第五師団のイゼルスの前に現れる。そしてダラステア皇帝を迎えた王宮で、ミレーユはさらわれてしまい。
フィデリオー!! という巻でした。ミレーユと同じように、もしかしたら、きっと、と信じていたのに……。リヒャルトとフィデリオは光と影なんですが、お互いに相手が光で自分は影だと思っているところが、なんかこう、こう……!
あとロジオンはすごく忠義に篤い人だっていうのはわかってたんですけど、ああもうほんと……彼も幸せになってほしいよー……!
ミレーユは果たして暗号の手紙を送ることができるのか、で次。
平等な世界のコミュニティー。そこに生きる住人たちは、決められた衣服をきて決められた家に住み、さだめられた薬を服用して、その時が来れば長老会によって仕事を与えられる場所。その時がきたジョナスは「レシーヴァー」という記憶を受け継ぐ仕事を与えられる。しかしそこで知ったのは、このコミュニティーから排除された差別や戦争、憎悪、そして愛という記憶と感情だった。この世界が間違っていると感じたジョナスは、コミュニティーの脱出を決意するが……。
原作が児童文学の『ザ・ギバー 記憶を伝える者」という作品。近未来的な世界で統一された人々の生活を送る中、一人の少年が秘密に触れ、世界を解放する話。
王道展開であっさりめのSF作品なんですが、演出がいいなあ。最初はモノトーンだった世界が、記憶に触れるにつれ色を持っていく。感情を覚える。いいことばかりではなくて怒りや暴力も。自分よりも弱い者を守り、与えたいという気持ちが芽生えることが人類の進化の始まりだったのかもしれないなあ、と思ったり。
嵐の海で溺れた男が漂着したのは、無人島。島から脱出すべく竹で作った筏で漕ぎ出すも、何かにいかだを壊され島に戻ることになってしまう。何度かの挑戦で、いかだを壊していたのが赤いウミガメだと知った男。浜辺で偶然見つけた赤いウミガメを、怒りに任せてひっくり返し放置するが、そのウミガメの死をきっかけに不思議なことが起こり……。
無人島に漂着した男が、死んだはずの赤いウミガメの甲羅の中から一人の女を見つける。夫婦になったふたりには子どもが生まれ、幸せな暮らしが続くが、ある日島に津波が襲う。
台詞らしい台詞がないので、ひたすら絵の美しさ、アニメーションという動きの美しさを見るんですが、絵の中から浮かび上がる登場人物の気持ちや物語の細やかさが、ひたすら見事な作品だなあと思いました。
この世ならざるところからやってきた命と生きる、というのはロマンですね……。どきどきします。男が死んだあと、女がどうするのかというのも最後まで息を詰めて見てしまった。