読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

景凡社発行のファッション雑誌「Lassy」の愛者である悦子は、毎年採用試験を受けに来ては不採用にされる名物のような人間。しかし今回は景凡社についに採用! けれども配属先は、地味で目立たず誰からも感謝されないという校閲部。しかし何事も全力で取り組む悦子は、校閲という仕事を通して、出会う人や自分自身をよりよく変えていく。
宮木あや子さんの『校閲ガール』が原作。原作は未読です。
校閲はこんな仕事じゃないよ! という意見も見ましたが、校閲というモチーフを使いつつ、一つの仕事に打ち込むことや地味で目立たないけれど縁の下でその仕事を支えている人たちの存在を、わかりやすくド派手に描いてくれたんだろうなあと思いました。是永是之の新しく書く作品が作り手たちのノンフィクションだっていうのも、それを象徴しているように思います。
何かが好きで、自分でそれを作ろうとして、でも一つの形になるにはたくさんの人の手に支えられて……という当たり前であることがとてもスゴイ! ことなのがわかって、見ていてとても楽しく、嬉しく思いました。
悦子のファッションも個性的で可愛かったですが、怒ったような口調でまくしたてるところがすごく好きで笑 あれだけばしっと言えたら気持ちいいだろうなあ。そのこだわりの強さが仕事の誇りになるんだろうなと思うと羨ましくて憧れます。
恋愛に傾きすぎないお話だったのもよかったなあ。幸人がすごく気が抜けた感じがよかったし、森尾も、セシルちゃんも、それぞれとてもかっこよくて可愛かった。
楽しかったです。
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商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!(裏表紙より)
お腹が空きましたー!! フレンチなんて数えるほど食べたことないけれど、ビストロのこういう料理は絶対美味しいんだよねえええ。
そんな美味しそうな料理と、お客さんたちが持ち込み日常の謎を解くお話。やっぱりご飯にまつわる謎が多い……かな?
「タルト・タタンの夢」「ロニョン・ド・ヴォーの決意」「ガレット・デ・ロワの秘密」「オッソ・イラティをめぐる不和」「理不尽な酔っぱらい」「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」を収録。
いちばん好きだったのが「割り切れないチョコレート」で、ああ、すごくいいな、って思いました。

ジム・モリアーティの再来か。東欧へ飛ばされそうになっていたシャーロックはマイクロフトに呼び戻され、証拠映像の改ざんによって無罪放免となる。ジョンとメアリーには娘が生まれ、またいつものように事件に関わることになったシャーロックたちだが、とある人物の息子が亡くなった事件に関わったことで、大きなものを失ってしまう……。
4−1を見終わって、絶叫したよね。号泣でした。うそだ、うそだー! って。だってこれからだったじゃないか。幸せの絶頂だったじゃないか。そんなのって、そんなのってー!!
でも最後に「地獄に落ちろ、シャーロック」と言われたときのひっと息を飲む感じ、いろんな人に味わってもらいたい……。
4−2はシャーロック、サイコキラーに遭遇するの巻。今度こそ破綻したと思われるシャーロックとジョンの関係を、どのように取り戻すかという話で、もうさ、随所に登場するメアリーがさあああ。のちに出てくるがんばれという台詞に、一緒に泣いてしまいました。
4−3はまたより複雑になったホームズ家の秘密……というか、これまでと話の色がまったく変わっていて、怖くて怖くて仕方がなかったんですけど、こういうすごく頭のいい人物が仕掛ける吐き気がするほどえぐい仕掛けが、しんどくてたまらなかった……。シャーロックとモリーのあれは本当にひどかった。ひどい展開にうひょーとなる私でも、あれだけは心を抉られて立ち直れそうになかった……。
そういうわけで最後の問題が解け、シャーロックとジョンは再び日常へ戻るんですが、主演のお二人が多忙なので次シーズンは難しいのかな……? 大きな悲しみや過去を抱えつつも、日常に戻り行く二人の活躍をまた是非見たいものです。

記憶が戻った滝沢と咲は、混乱真っ只中の日本へ戻る。再開されたセレソンゲームで、物部のミサイル攻撃によるジュイスの破壊、東のエデンチームは公安に狙われながら潜伏し、咲と大杉とともに滝沢の母親探しに向かう。そしてついにミスター・OUTSIDEが現れる……?
劇場版後編。セレソンゲームが再開されたものの、日本をよりよくするために動くセレソンたちはごく少数となり、混乱、疲弊しきった状況にある日本の直近の危機をどうやって救うか、というお話だったような気がします。セレソンのほとんどが脱落……というか滝沢くんの動向を伺っている感じだったので、このお話はどうなるんだろう、誰か救われるんだろうか、という見通しができない不安がずっと付きまとっていたような感じがありました。
結局劇的な、革命は起こらなかったけれど、日本をどうにかよくしようと考える若者たちが少しずつムーブメントを起こすのかな、という予感を感じさせて、11日間に非日常の先は日常なんだなあ、と思わせる作品でした。
![祈祷師の娘 (ポプラ文庫ピュアフル P[な]2-1)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61V%2B0ZRatsL._SL160_.jpg)
祈祷師の家に暮らす中学生の春永は、父親とも母親とも血の繋がりがない。実の娘である姉の和花とは違い。自分だけが血が繋がっていないということを自覚し始めた春永は、なんとも言えない所在なさを感じるようになる。複雑な想いを抱えきれなくなった春永はある日、生みの母親を訪ねることに。そこで春永が目にしたあるものとは……。話題作『きみはいい子』で注目を集めている著者による隠れた感動作、待望の文庫化。(裏表紙より)
祈祷師、地域の拝み屋さんである「なんみょうさん」の家に暮らすハルこと春永。おとうさんとおかあさん、そして和花ちゃんには力があるけれど、自分にはその才能はない。そのことがまた、自分だけ血のつながりがないという居場所のなさを強調するようで、息が苦しくなる。
淡々とお祓いのことを書いているんですけれど、すごく非日常というか、ホラーめいて読んでいて怖かったんですよね。そんな危うい世界に、自分の日常を、やりたいと思うことを淡々とこなす春永は、やっぱりみんなの支えというか日常の目印みたいなものだったのかなあ、とおかあさんの言葉で思いました。

一族みんなに恐れられていた厳格な祖母が亡くなった。遺品の金庫に入っていた意外な中身は……(「金庫と花丸」)。東日本大震災の後、福島空港で車がなく途方にくれる著者に「乗りますか」と声をかけてくれた男性。彼の父親の、痛快すぎるエピソードとは……(「インドと豆腐」)。思わずホロリ、もらい泣き。稀代のストーリーテラーが実話を元に創作した、33話の「泣ける」ショートストーリー集。(裏表紙より)
連載時期が3.11にかぶっていたんですね。いま読んだのは何か引き寄せられるものがあったのかなあ。
「泣ける話をしてください」と周りに頼んで、集めたエピソードを本人特定ができないように少々改変したりくっつけたりなどして、ショートショートに仕立てたもの。本当に、思わずもらい泣きする、大事にしたいエピソードばかりだなあ……。
「先にいきます」がぼろぼろ泣けて仕方がなかったです。
2018年4月1日現在の当ブログについて
◇このブログについて
開始が2008年4月26日くらい。もともとは別のところで書いていた感想を、感想だけをまとめるために作ったブログに移動させたことが始まりです。
読みっぱなしはもったないと言われたので、自分の思ったことを簡単に書こうと思って続けています。
以前「ごあいさつ」として書いた記事は2011年4月1日でした。
当初は活字の感想が多かったのですが、漫画だったり映画だったりの記録が増え、近頃は活字と映像の記録が多いです。
一年に一度、その年に触れた作品(その年発行に限らず)まとめる記事を作っています。
そんなわけでそろそろ感想を書き始めて10年以上になりました。
◇感想について
感想そのものをつけ始めたのが恩田陸さんの『Q&A』が最初で、読了日は2007年10月2日です。
読んだ人しかわからないようなざっくりした感想と、自分が抱いた印象をふわふわと書いていて、伝える気持ちがあんまりありません。ただの記録です。私はこう面白いと思った、というものの集積、それがこのブログの感想です。
◇読書傾向
少女向け・少年向けライトノベル、キャラ文芸、一般文芸、児童文学、たまに新書や雑学本、資料にする専門書を読んでいます。漫画は白泉社系の少女漫画が多いです。
Webでは最近あまり読んでおらず、電子書籍も読まないので、もっぱら紙の本です。
自室に、活字も漫画も合わせて3000冊くらい本がある、と思われます(メディアマーカー調べ)
こんな記録程度に書いているブログですが、参考にしていただけるのは嬉しいです。
◇このブログについて
開始が2008年4月26日くらい。もともとは別のところで書いていた感想を、感想だけをまとめるために作ったブログに移動させたことが始まりです。
読みっぱなしはもったないと言われたので、自分の思ったことを簡単に書こうと思って続けています。
以前「ごあいさつ」として書いた記事は2011年4月1日でした。
当初は活字の感想が多かったのですが、漫画だったり映画だったりの記録が増え、近頃は活字と映像の記録が多いです。
一年に一度、その年に触れた作品(その年発行に限らず)まとめる記事を作っています。
そんなわけでそろそろ感想を書き始めて10年以上になりました。
◇感想について
感想そのものをつけ始めたのが恩田陸さんの『Q&A』が最初で、読了日は2007年10月2日です。
読んだ人しかわからないようなざっくりした感想と、自分が抱いた印象をふわふわと書いていて、伝える気持ちがあんまりありません。ただの記録です。私はこう面白いと思った、というものの集積、それがこのブログの感想です。
◇読書傾向
少女向け・少年向けライトノベル、キャラ文芸、一般文芸、児童文学、たまに新書や雑学本、資料にする専門書を読んでいます。漫画は白泉社系の少女漫画が多いです。
Webでは最近あまり読んでおらず、電子書籍も読まないので、もっぱら紙の本です。
自室に、活字も漫画も合わせて3000冊くらい本がある、と思われます(メディアマーカー調べ)
こんな記録程度に書いているブログですが、参考にしていただけるのは嬉しいです。
![つぐみ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41v6eY1v9hL._SL160_.jpg)
生まれつき身体が弱く、甘やかされて育ったつぐみ。けれど奔放で毒舌ながらも不思議な魅力を持つ彼女に、周囲は振り回されている。その夏、かつてつぐみと幼馴染同然に育った過去を持つまりあは、誘いを受けて東京からつぐみたち姉妹のもとへ遊びに行くが……。
吉本ばななさんの『TSUGUMI』の映画化。ずいぶん前に小説の方を読んだので、こういう話だったかなあと思いつつ。
かわいい女の子の、これは毒舌というより単に口が悪いのでは、という言葉遣いを実際に見聞きすると、心臓がどきっとなりますね。また油断ないような鋭い目もいい。死に対して真正面から睨んでいるような、でも泣き出しそうな綺麗な目だ。
穴を掘るシーンで、そうだった穴を掘るんだったと思い出しました。映像で見るとより衝撃的だなあ。
最後の「よお、ブス」がとてもいい笑顔! ほっとしました。

若き女王ロクサーヌの治める平和なフロリア。王都の片隅の小さな菓子屋には、今日も劇作家がやっかいごととともに駆け込んでくる。そんな平和な日々が、不意に揺らぎ始めた。フロリアの守護神、バルトレオン将軍の遠征失敗によって。フロリアは再び混沌に呑まれるのか——。その行く末は、国際会議の席でのロクサーヌの外交、そしてその席で供されるアルジャンの菓子の力に委ねられた!! “菓聖”の伝説を綴るヒストリカル・ファンタジー、緊迫の下巻!!(裏表紙より)
とてもいいお話でした。あくまで女王の菓子職人として国を守った英雄に拍手!
マリー・ロクサーヌの養女であるシュゼット姫とアルジャンの秘密のお話や、オーギュストとアルジャンの仲の良さがわかる小話、そして物語を締めくくる王国の危機のお話。どれも美味しく堪能しました。
アルジャンとロクサーヌの関係が、本当にすごくよくて! 決して結ばれることはないけれど、お互いがかけがえのない存在でいつづけるっていうのは、ロマンだなあ。
お菓子が食べられる豊かな国を目指すために、と動いていたアルジャンやロクサーヌが、そのお菓子で未来の世界の危機を表現したのには息を呑みました。
さっぱりと書かれていたオーギュストとアルジャンの友情もすごくじんわりきました。窮地に立っているアルジャンのところへ、オーギュストとニノンがやってくるところ、こちらがほっとして泣きそうになってしまった。
とてもとても好きなお話でした。