読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
子どもの頃舞台に魅せられたことがきっかけで、大人になったバスター・ムーンは劇場主となった。しかしヒットは飛ばせず、賃金未払い、銀行から返済を迫られる状況。起死回生の策としてムーンは歌のオーディションを行うことにするが、賞金1000ドルのはずが手違いで10万ドルとポスターに記載。後に引けないムーンはオーディション合格者たちとショーを作ることになるが……。
歌があってハッピーな映画が見たいなあと思い。それぞれの悩みと向き合いながら、最後に歌うシーンは感動でした。拍手。
好きなのはロジータとグンターでした。吹き替えで見ていたんですけど、グンター、めちゃくちゃいい。彼の言動を見ているだけで楽しくてポジティブになれる。っていうか吹き替えの人たちが皆さんお上手でよかった。
あと楽しいっていうとキューティーズの面々がうざ可愛い笑 怒った理由がわからなかったからこの部分は字幕で見た方がよかったかも。
いいなあと思ったのがエディで、生きる目的がない今時の若者だったのが、ムーンに影響されて仕事をしたり舞台に関わったりしているところが、すごく楽しそうで生き生きしてていいなあと思いました。
楽しい作品でした!
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コブラは賞金稼ぎを営む美女ジェーンと出会う。ジェーンには三つ子の姉妹キャサリンとドミニクがいて、自分たちは海賊ギルドに狙われているというのだ。ギルドと因縁のあるコブラは三姉妹に関わっていくことになるが……。
1982年の映画。コブラ本編の三姉妹編のエピソードで新しいお話を作っている劇場版。本編の三姉妹もいいですが、劇場版もめちゃくちゃいいんですよね! ロマンだ。声が本編とは違うのがちょっと残念なんですけれど(コブラがちょっと少年っぽくて軽薄に聴こえてしまうから)
運命の三女神を思わせる、ジェーン、キャサリン、ドミニクはそれぞれ性格も違い、強い部分も弱い部分も違っているけれど、みんなコブラに惹かれていく。コブラはそうやって三人に愛されたことで最終的に宇宙の秘密のひとつに触れるのですが、三姉妹の寂しさや悲しさに対しては傍観者でしかなくて、やるせない思いをするシーンもたくさんあるんですよね。子どもの頃からそこがもう好きで好きで……。でも今見ると三姉妹の異常なほどのコブラへの愛には首をかしげるし、真相に当たる部分での黄金のプロポーションのくだりは笑ってしまう。
放浪とか、あてのない旅とか、宇宙の意思とか、スペースロマンというものがたくさん詰め込まれていて大好きな作品です。見返すことができてよかった。
でも私はコブラの相棒はレディだけだと思っているので! ほんといい女だよなあレディは……。
コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。(裏表紙より)
2003年6月発行の本。本当にジェンダー学の入門書という感じで、学生たちがジェンダーについて考えるときの入り口になるような本だと思いました。読みやすい。
ディズニーの「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」についてどのようなジェンダーが見られるかというのを解説……するよりも学生たちがどのような見方をしたかというアンケートが中心。アンケートを元に解説を少し加えているという印象。ディズニーは現在の作品を見るとジェンダー観の変遷がわかるので、この本を読み終わった後現在のものについても読みたいなあと思いました。
大陸を統治する代償として、竜王は人間の花嫁を得る——それがこの世界の盟約。村人たちから虐げられ、辛い日々を送る少女フィリス。ある日彼女は、花嫁候補の少女オリヴィアを迎えに来た青年ジルと知り合い、オリヴィアの侍女として登城することになる。だがそれが、フィリスの苛烈な運命と恋の幕開けだった! 竜王が花嫁を選ばなければ世界が終わる。盟約からはじまる少女の物語を描いた大人気WEB小説、待望の書籍化!!(裏表紙より)
異種族恋愛譚。虐げられて育った孤児の少女が、竜王に見出される物語の1巻目です。
フィリスの境遇がもう本当にかわいそうで、ジルに会えてよかった。マーサも優しいし、これでやっと幸せになれる、かと思いきや何か起こる予感という引き。しかしオリヴィアがテンプレ通りの意地悪な女の子で、この子やっつけたいなあ、なんて思ってしまった。
軍人として生きる覚悟を決めた小玉は異例の速度で昇進し、二十歳にして校尉となっていた。相変わらず男運はないものの、明慧を筆頭に仲間や上官にも恵まれ、職務に邁進していた。
そんな小玉のもとに、新しい部下が配属される。眉目秀麗にして武科挙に合格した英才。叩き上げの自分と真逆をいく三歳年下の美しい男・周文林を見た瞬間、小玉は思った。
「絶対そりが合わない——」
その予感通り、小玉と文林はなにかと衝突を繰り返し——?
小玉と文林、出逢いの物語。(裏表紙より)
ついに出た未来の夫で皇帝陛下。まだまだ青くて生真面目がすぎる文林です。これが暴力的に有能でキレキレのひどい男になるかと思うと楽しみですね。
明慧とのエピソードに筆が割かれているのは、本編のことがあったからかな。ほのぼのとしつつ、ふたりの友情に心暖まりつつ、最後に切なくなる。他の人たちの死もつらい。本の最後の最後にぶっこんでくるの痛くて苦しい。どんどん国が傾いでいって、文林や小玉の時代になるんですよね……。そこに到るまでどのくらいの犠牲や戦いがあったんだろう。次が楽しみでいて怖いです。
森の中の学園に隔離されて育った、性別のない子どもたち。成人するにつれ性別が確定し、ひとり、またひとりと巣立っていく。年に一度の降誕祭を前に「学園の貴公子」と称される薄荷は、外界から侵入してきた少年と恋に落ちた。森への逃避行、フラッシュバックする記憶。17歳の身体と心は、意思とうらはらに変わりはじめる……。(帯より)
樹海の中の隔離された学園に、性別のない子どもたちが暮らしている。十代後半になるとひとり、またひとりと性別が確定し、外の世界へ出て行く。学園の子どもたちはの中には「女になりますように」「男になりますように」と切に祈りながら暮らす者もいる。閉鎖された学園もの、いいですねえ。ブラウスにリボンを結わえ、短パンをはくというのが制服。実にいい。そんなところに外の世界から少年がやってきて……。
倒錯的に見えて、とても女性的な話だなあと思いました。空(登場人物の名前)によるところが大きいのかな。空は超越しているのに強い女性性を感じる。一方、小麦は最初女性だったのに後半からすうっと色を変えた印象なのがとても面白かったです。
真相としては予想通りだったんですが、外にも開かず内にも閉じきらないという終わり方が意外でした。あくまで中空をふわふわと漂って、何者にもなりきれないというラストのように思えました。
田舎貴族の娘フィーリアは、姉を捜しに王都へ来た途端に牢屋へ!? その窮地を救ってくれたのは、黒十字騎士団の団長で幼馴染みのヴィンセント王子だった。意地悪な彼に助けられても嬉しくないと思っていたけれど、姉捜しを手伝ってくれるヴィンセントを見直すことに。ところがある日、彼の異常な本性を知ってしまい——。私が誘拐されたからって、犯人全員始末してやるってどういうこと!? 一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ。(裏表紙より)
意地悪ばかりしてくると思ったらだいたいの台詞の語尾に「お前が心配だから」がつく、ツンツン王子様に好かれてしまった、田舎貴族出身でごくごく平凡ながらたくましいフィーリアのラブコメ。楽しかったー!! 王子様が助けに来る状況で「まずい! 早く自力で逃げなきゃ!」ってお腹痛い。いつヴィンセントがやってくるかはらはらしました。
ファンタジーの世界観としては単語がちょっと気になる部分もあったけれど、フィーリアのツッコミ気質がとても楽しくて、ヴィンセントに対する反応などもリアルで可愛らしく、最後までにやにやして読みました。このふたりの進展が楽しみだなあ。
榮国地方の貧乏官僚の家に生まれた双子の春蘭と春雷。姉の春蘭は金勘定にシビアなしっかり者に育ち、気弱な弟の春雷は刺繍を得意とする立派な淑女に育っていた。
そんな二人なので、性別を間違えられることもしばしば。「姉は絶世の美女、弟は利発な有望株」という誤った噂は皇帝の耳にも届き、春蘭の後宮入りが決まってしまう。そして春雷も科挙を受けろと独り立ちを勧められ……。
追い詰められた二人は、人生を入れ替わることを決意して!?
賢い姉と美しい弟による、国を巻き込む男女とりかえ中華譚!(裏表紙より)
とりかえばや物語の中華風版かな? と思ったら中盤からだいぶ思っていた展開とは異なり、姉・春蘭は恋を知らないまましたたかさを貫き通したお話でした。ロマンスを期待するとちょっと物足りないかもしれませんが、相手が男だと思って苦悩するヒーロー(と言えるのかな?)は見られます。
冒頭の故事についてのお話が回収されないままなので、続きがあると思うんですが、続きではぜひロマンスが読みたい。この分だと春雷の方が早そうかな?
皇宮で暮らすことになった〈剣ノ舞姫〉ルーナ。だけど監視兼護衛の騎士はつくし、ルーナを愛してやまないイシュトによる告白ははげしいわで災難つづき。そんなある日、城で異国の使者をもてなす舞踏会が開かれる。昔の仲間に会えることを期待して舞踏会に忍び込むけれど、突如皇宮を襲った衝撃でイシュトとともに迷宮に落ちてしまい!?「ここなら君も、おれ以外は誰も見なくなる」迷宮で迷求婚!? クールな舞姫の受難第2弾!!(裏表紙より)
勇ましい市井出身の剣の舞姫の少女と、病んでるストーカー皇帝のお話。皇宮生活が始まり、相変わらずぶっ壊れてるイシュトにいらいらしながら、二人の関係性がゆっくりと変わり始める第二巻でした。第一巻ではどうよそれって感じのだいぶと壊れたイシュトでしたが、彼の背景を知るとなんだか愛おしくなってくるなあ。皇帝らしいところも見られてきゅんとしました。
闘技場で活躍する〈剣ノ舞姫〉のルーナは、剣舞を披露するために出かけたところで、皇宮騎士に追われることに。からくも脱出するが、迷い込んだ庭園で見知らぬ謎の青年イシュトに愛を囁かれたうえ、そのまま拉致されてしまう! だが、彼がルーナを利用しようとしていることを知ってしまい!?「君を愛してる——」その言葉は真実、それとも嘘——? クールな舞姫とキケンな青年の、奇妙な駆け引き生活が今はじまる!!(裏表紙より)
美人だけれどちょっと女らしいところに欠けているルーナ。そんなルーナの一挙一動を監視してきたイシュトに軟禁同然に匿われたところから、国と皇帝にまつわる事件に関わることに。
柔らかくて丁寧で「愛している」と囁きながら、完全にぶっ壊れた人であるイシュトが読んでいて怖かったんですが、国の謎に関わる真相によるものだとわかってなるほどなあと。ルーナと関わることで少しずつ人間らしいところを取り戻していったらいいなあ。
イェーガのことが悲しかったので続刊で救済がないか期待して読みます……。