読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に……。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ、Vシリーズ第4作!(裏表紙より)
東京のテレビ局までやってきた一行はそこで殺人事件に行きあう。
「私はだれ?」というお話だったのかなあ。テレビにまつわる人たちが、自分でない何かを「かぶる」というのに絡めてあるのか。Vシリーズは結構はちゃめちゃになるイメージがあったのですが、久しぶりに読んだからか、この巻がおとなしかったのか、静かだった気がします。その分、合間に挿入される犯人の独白が、読み終わった後非常に不気味でぞくっとしました。

成島拓海は同大学の橋本秋帆に狙われていた。彼女は拓海の長身を頼みに——共に“競技ダンス”で日本一を目指そうというのだ。さる事情から人付き合いを避けてきた拓海に、よりによって女子の手を取り笑顔で踊れだなんて! 当然断るものの、諦めようとしない秋帆の真剣さに屈し、拓海は期間限定で入部する契約を交わす。
優雅なイメージとは裏腹、体育会系な活動に絞られる日々を送る拓海。やがて応援に訪れた大会で、予期せず出場することとなり……。
ダンスにかけるふたりたちが描く、青春と人生の心躍る軌跡。(裏表紙より)
めちゃくちゃ面白かったんですが続き出てないのかー! 残念……。
大学に入学した拓海は、その長身と身体能力ゆえに、女子にしては長身の秋帆に競技ダンス部に誘われる。彼女の真剣さにほだされて、夏が終わるまで部活に付き合うことにしたけれど……という話で、この拓海くんが非常に優しくて、ちゃんとアツい部分がある素敵な主人公なんですよね!
父親から逃げるようにして一人暮らしの大学生活を始めた、という部分はあまり語られていないんですが、誰かの熱に誘われるようにして段々と自分も真剣になっていく素直さがすごくいい。
ダンス部の同級生や先輩たちもすごくいいキャラしてて、みんなで切磋琢磨する部活っていいなあと思いました。

すべての子どもたちが人工授精で誕生し、掌にノードを埋め込まれて生活する時代。人々はノードを介して情報や思念を交換する。中2の少女、不動火輪と滝口兎譚は授業の自由課題で小学校の遠足バス転落事故を調査し、死亡前の生徒の思念記録を偶然手に入れた。その記録に関わる大きな陰謀と、二人の家庭の事情が複雑に絡み、遂に事件は勃発する——大人世界の不条理に抗う少女たちの絆を描く、俊英作家の新世代青春小説。(裏表紙より)
HRVというウイルスの存在によって性交渉が不可能になり、子どもを持つのは人工授精によるものとなった。そのため性交渉は不可能となったが、とある事情で子どもを持つ親もおり……という世界観。冒頭からだいぶと「うわああ」という始まりをした割には、女の子ががむしゃらに頑張る話でした。
結婚という制度もないために家族は基本的に血が繋がらない者同士が暮らしている状態なので、火輪を始めとする少女たちの思う相手は同性なんですが、そのあたりが全然いやらしくもない百合でした。清々しささえ感じられる。
時代設定はSFですが話は宗教に絡むのも面白いなあと興味深く読みました。実に不思議な読書体験でした……。

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!(裏表紙より)
すべての台詞がぐさぐさ胸を突き刺す。一也と詩凪の語ることは、相反しているけれどどちらも正しくて、結局は「自分は何を信じて書くか」ということしかないんだろうなあ。
この作品の願いはきっと、作家はみんな、作品を愛してくれる人のために書いてほしいということなんだろう。悪評や言いがかりに負けず、それでもあなたの書く物語が好きだと言ってくれる人の存在がどれだけ尊いかということを伝えたいってことなんだ。
言葉の強さというのも感じました。作中ではある二人が、他者からの言葉で語るための言葉を失うんですが、小説に力なんてないかもしれないけれど言葉はあっさりと胸をえぐるんですよね。シンプルだからこそ、そしてそれをまっすぐに受け止めてしまうからこそ再起不能に近いところまで陥ってしまう。
すごく考えさせられる作品だったのですが、祈りと願いと希望に満ちていて、頑張ろうと思えました。

十七歳の貴志子は、親子ほどに歳が違う恋人の有実から、彼の娘の晃子を預かってほしいと頼まれた。晃子は十五歳。気が進まなかった貴志子だが…? 表題作『月の輝く夜に』のほか、同じく文庫未収録作品『少女小説家を殺せ!』『クララ白書番外編 お姉さまたちの日々』を収録。そして文庫・単行本で134万部を記録した不朽の名作『ざ・ちぇんじ!』上下巻を併せた、氷室冴子ファン必読の一冊!(裏表紙より)
「月の輝く夜に」「ざ・ちぇんじ!」「少女小説家を殺せ!」「クララ白書番外編」を収録。合本なので653ページと少女小説ではなかなかお目にかかれないレベルで分厚いです。
「ざ・ちぇんじ!」はとりかへばや物語を下敷きにしたもので、久しぶりに読みましたがめちゃくちゃ面白かったです。コミックス版も読みたくなってしまった。
冒頭に収録されている「月の輝く夜に」は打って変わって静かな作品で、文章の美しさや物悲しい雰囲気などを堪能しました。愛と憎しみと侘しさを感じて、「ざ・ちぇんじ!」のカラーを想像して読み始めるとおや? と思ったんですが、めちゃくちゃ綺麗でした。
『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』を読んだからか、「少女小説家を殺せ!」も「クララ白書」も別の視点から読めた気がしました。

ローラの元に恋人のマニから電話が入る。組織のボスの10万マルクをなくしてしまった、助けてくれという内容だった。受け渡しは12時。電話が入ったのは11時40分。あと20分で10万マルクもの大金を作らなければならない。ローラは彼のために疾走する。
20分間で10万マルクを調達して彼の元に運ぶ。二人が生き残った上でハッピーエンドになるためにはどう行動すればいいかという話で、時間ものというので見始めたんですが、演出が面白くて見入ってしまった。数秒の違い誰かに声をかけた、こう返答した、などのささいな出来事の積み重ねで結末が変わる。ローラだけでなく関わった人の未来までも変わっているらしいのがすごく面白いです。すれ違ったこの人が実は……!? みたいな驚きもあり、ポップなのにヒューマンドラマだわ……と思いました。
そんなんありかよっていうお金の集め方をされてびっくりしました(伏線があったとはいえそれをどう持ってくるのかどきどきしてましたが)。ローラはもうマニと別れていいと思うよ……笑
![スポットライト 世紀のスクープ[DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ea7unktRL._SL160_.jpg)
2001年。ボストンの新聞「ボストン・グローブ」のチームスポットライトのメンバーはカトリック教会で起こった神父による性的虐待事件を捜査する。被害者や関係者に接触し、協会が隠蔽工作を行っている可能性に行き着いたメンバーだったが、様々な障害に遭うが……。
カトリック教会で神父が犯した性的虐待事件。それをスクープした人々を描く。
宗教という巨大な権力が覆い隠す真実に光を当てる。ジャーナリストたちの思いもあるのですが、どんな風にして被害者たちが告白したのかというところが一番胸に痛かったかなあ……。マスコミが権力に屈することで自衛するのは理解できるけれど、やはりそれでも本当のことを広く知ってもらわなければと心を奮い立たせてほしいという気持ちがあります。この作品の品の良さというのか、そうした「暴いてやったぞ」とひけらかすのではなくて、あくまで日常の一部みたいに静かに描いているのがいいところだと思いました。

イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで——」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は……。そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる! 超弩級スカイ・オペラ「恋歌」、感動のフィナーレ!!(裏表紙より)
拍手! という冒険の終わりと新しい旅立ちの最終巻でした。シリーズの続きが読みたくなるなあ!
深く傷つき人間として未熟だった少年が、一人の飛空士として愛した人のために旅立つというのに涙が。ロマンだ……。立派になった表紙のカルエルがまたいいなあ。
イグナシオがだいぶといいやつなので、クレアを大事に守ってくれているんじゃないかと思うとにやにやします。
「歌えない恋の歌もある」というのが切なくて。カルエルもちゃんとアリエルのことを大事だと認識していて、かけがえのない人だと思ってくれているからこそ、恋愛にはならないというのが切ないし、納得できました。彼女の将来が描かれたということはカルエルの冒険に彼女は関わらないということなのだとしたらすごく寂しい。アリーがいてくれたからこそいろんなものが救われた気がするので。
ひとまず恋歌が終わったことに拍手! 胸がいっぱいになる空の物語でした。

「大好きだから……さよなら」級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、想い出の湖畔で思いがけず再会する。お互いの気持ちを確かめるため、正体を明かしたカルエルだったが、クレアには別れを告げられてしまう——。一方「空の一族」との戦いで多くの仲間を失い、疲弊した飛空科生徒たちは、悩みと苦しみを抱えたまま、再び決戦の空へ向かうこととなる。仲間の思いを受け継ぎ、潰滅の危機に瀕している大好きなイスラを、大切なひとを守るために……。超弩級スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、驚天動地のクライマックスに突入!!(裏表紙より)
戦いに参加して仲間を失ったことで、自分たちの道を見つめ直すことになった飛空科の生徒たち。大事な人の死と向き合いながら、自分にできることを考える。戦いはますます激しさを増し、ついに撃墜されるかと思われたその時。
ああ、もう感動だ。ぶわっとなる。これだから空モノは!! ロマンに溢れてて泣いてしまった。
これまで影が薄かったイグナシオの素性も明らかになり、カルエルも覚悟を決め、クレアは風とともに恋の歌を歌う。そして現れるレヴァームの戦艦。ぞくぞくしました。
空戦の迫力もすごくて夢中で読みました。頭の中で飛行機がぐるぐる飛んでいる。