読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
1944年。18歳のすずは広島から呉にある家に嫁ぐ。折しも日本は戦争の只中にあったが、人々は日常を生きていた。もちろんすずも……。けれど空襲や物資不足が続き、ある日……。
すごく地味な絵で温かみのある色彩で描かれているのに、ちょっとした台詞や映り込むものが戦時下であることを示すものばかりで、これは日常なんだけれど非日常なんだ、悲しいことがあった時間なんだというのを見終わった後に感じる。
すずのうっかりなところや、ちょっとした失敗、くすりと笑えるシーンが積み重なっていって、ゆっくりと世界が変わっていく感じ、途方にくれたような、取り残されたことへの悲しみや恐れ、どこで生きていけばいいんだろうとわからなくなる感じというのか……。それでもその変化や状況を受け入れて、この先も生きていく、そのありふれた当たり前にぐっと胸を掴まれました。すごい映画だ。
PR