読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
根岸崇一はポップな音楽を愛する田舎出身の純朴な若者。だが正反対のデスメタルをやらされることになり、デトロイト・メタル・シティのヨハネ・クラウザーII世としてデビューする。自分が望む恋もできないと諦めていたところ、大学時代の同級生と再会して普通になりたいと思うが、崇一の思いとは裏腹にDMCはどんどん人気を増していき……。
クラウザーさん! ってみんなが言う理由がわかったような気がしました笑 白塗りで外見が怖いクラウザーさん、でも中身が純朴な根岸くんなのでとっても優しいクラウザーさん……。そのギャップがたまらないっていうか、好き! ってなりました。トイレで後輩くんと歌っているところはシュールだけれど、優しいなあ……とほっこりする……。
まとまった印象の作品だけれどもバカバカしくって楽しかったです。DMC! DMC!
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100歳を超えて29歳にしか見えない外見を持つアデライン。ひとところに留まると歳をとらないことを怪しまれるため、十年おきに名前と居場所を変えて生活していた。年老いた娘と愛犬を家族としていたが、ある日魅力的な青年エリスに出会い、惹かれていく。
奇跡の恩恵を受けながら、隠れ住んで「生きながら死んでいる」人生を歩んできたアデライン、その最後の恋のお話。
華やかで知性溢れる美しい女性って感じのアデライン。そんな彼女に惹かれる人たちも多くて、エリスもその一人だった。怯えながら恋をするアデラインが綺麗で切なくて、多分ずっと誰かに助けてほしかったんだろうなあなんて想像しました。アデラインの造形というのか、すっごく美しいんですよね。知性のきらめきってこんななんだろうなっていう。
静かで美しい作品でした。
出版社興都館の新人編集、黒沢心が配属されたのは週刊バイブスの編集部。心は出版業界や編集の仕事について学びながら、大御所作家、天才漫画家、そしてデビューを目指し新人作家などと原稿、そして雑誌を作り上げていく。目指すは重版出来だ。
本放送時見ていたんですが、Huluに入ったので見返していました。大好きなドラマです。原作も途中までですが読んでいます。
創作をするものとしては心にびりびりくる状況は台詞や物語で、何度も涙しました。わかるって気持ちと苦しいよねっていう共感と、作品を愛する気持ちが届いた瞬間の喜びで。
中田くんが連載を取った瞬間の「生きててよかった」が泣けて仕方がない。多分漫画程度でって言う人がたくさんいると思うんですけど、漫画を描くってことが人生のすべてで、それしか自分にないっていう人がいるんですよ。中田くんは周囲を見返らずただ描くだけというところから始まったのでうまく描けないっていう描写は少なかったですけれど、そっけない態度から滲む喜びや心の動きがすごくよかった。
いろんな漫画家さんも登場して、東江さんなんかはなんだか胸に痛かった……。派遣社員として働きながら描いてますって言ってくれてほっとしました。大学卒業してそのまま漫画を描く仕事ができるっていうのは稀なんだよね……。
小泉くんがすっかり「デキる」営業さんになってて、黒沢さんと楽しそうにしているのが一番好きだったかもしれません。彼のわくわく仕事している感じや、黒沢さんを励ます感じがすごく爽やかでいい人って感じで。彼のほんのり恋してるみたいなところも可愛かった。
大好きなドラマです。「重版出来」は本に関わる人を幸せにする魔法の言葉!
女王メルトラと猫の長官ディナンの策略によって引き起こされた争いは、亡命者の運命を飲み込んでいく。
偶然にも白三日月の国の要人警護を請け負ったユウファ達。赤燕の国の刺客が彼らを襲い、両国を巡る戦争の火ぶたは突如切って落とされた。積み上がる死体と仲間達の負傷。さらにはイルナが秘血と呼ばれる軍事機密に関わったことで、囚われの身となってしまう。
イルナを救うため、戦争を止めるため、メルトラとの因縁に決着をつけるため。満身創痍となりながら手に赤き焔の刃を握り、ユウファは己の運命と向かい合う。
そして赤刀に眠るアルナが目覚める時、二人の切なる想いと共にすべての因果が巡りだす――。(カバー折り返しより)
第三巻にして最終巻。いろんなことが盛り込まれている上に新規の登場人物もいて、これ後二冊か三冊くらいで書くやつじゃ? と思う畳み掛けられ方だったんですが、非常に濃い一冊でした。
アルナを殺そうとしていた女王メルトラ、猫の長官ディナンが目論んだ戦争により、要人警護の任務を受けたことで巻き込まれる形になってしまったユウファたち。新しい登場人物として、白三日月国の王ユルキドや、一巻で軽く触れられていた、同じ護舞官を目指していた同期二人、ガタリとマーナが物語に深く関わってくる。そしてシリーズを通して触れられていた、血翼王アルナリスについての真実が明らかに。
言血という物質を通して感覚を共有する、という世界観ならではの真相で面白いなあと思いました。アルナが剣に宿るのは想像がついたけれど、それがさらに血翼王と関わるなんて思っていなかった。
母と子の物語というよりは、最後は「自由」についてのお話だったなあと思いました。誰かのために生きるんじゃなく、剥き身の自分で世界とぶつかっていく。そうして感じるものをつなげていくための物語。
アルナとユウファが伝え損なった言葉を伝えるシーンが見られて本当によかった。それだけで胸がいっぱいでした。
王女と護舞官が失踪した――。そう記された歴史の影で、それでも二人の物語は続いていく。
「翼」と呼ばれる古代遺産を探す猫耳娘のイルナに誘われ、ユウファたちはかつて翼人が繁栄を極めたとされる秘境ナサンゴラへ向かうことに。亡命で全てを失い、言血の記憶が呼び起こす終わりなき悪夢に苛まれながらも、ユウファは様々な出会いを通し、己の宿命を見つめ直す。
しかし旅の果てに待ち受けていたのは、街全体が湖の底へ沈むという突然の凶報。一行の運命は「親子」を巡る長大な悲劇へと呑み込まれていく。
そしてその時、ユウファとアルナ、二人を繋ぐ大いなる因果が静かに胎動を始めていた――。(カバー折り返しより)
第二巻。大事な人たちを失ったことを悪夢に見ながら旅を続けるユウファ。イルナの旅に同行する形で、翼人の墓と呼ばれる街ナサンゴラへ。だがその街は毎年必ず水害が起きるという。その予兆が現れ、街に被害をもたらすのはよそ者であるユウファとイルナだと言われて囚われてしまう。
この世界の不思議が詰まった話で、世界観をより深く掘り下げようとしている幻想的な巻でもあったかなあと思います。言血の存在で、他人の記憶や感覚が近いというのが本当に面白いなあ。さらにこの世界では母親は『産む』ということができないようなので、なのに一巻から二巻を通して「母」と「子」のテーマを書いているのはすごく興味深い。
いやそれにしてもどんどんイルナがいい女になっていくというか……一巻では反発する部分が多かったように思うんですが、二巻は心からユウファのことを心配していていい子だなあと。イルナがいてくれてよかった。
〔私は駄目な王女だからね。自分のために命を使いたいの〕
耀天祭の終わり、赤燕の国の第一王女が失踪した——。
だが、それは嘘だと俺は知っている。太陽を祀る五日間、彼女は王族の在り方に抗い、その想いを尽くしただけ……。
突如国を追われた王女アルナリス、刀を振るうしか能のない幼馴染みの護衛ユウファ、猫の血を秘めた放浪娘イルナに人語を解する燕のスゥと軍犬のベオル。
森と獣に彩られた「赤燕の国」を、奇妙な顔ぶれで旅することになった一行。予期せぬ策謀と逃走の果て、国を揺るがす真実を目にした時、彼らが胸に宿した祈りとは——。これは歴史の影に消えた、儚き恋の亡命譚。
第22回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作!(カバー折り返しより)
タイトルに惹かれてやまない作品。美しい字面ですよね。でも応募時のタイトル「背天紅路」も作品を表していてかっこいいなあと思いました。
太陽を祀る祭りの折、成人の儀式を迎える王女アルナリスは、儀式に向かう途中に襲撃される。護衛である護舞官のユウファは、襲撃者の一人であった猫の血を引く娘イルナを連れて逃亡する。誰が味方で誰が敵かを見極めるための潜伏。そして明らかになったのは、アルナリスとユウファそれぞれの真の敵。
濃い世界観に圧倒されて、「ファンタジー美味しい……ファンタジー美味しい!」って気持ちです。登場人物はみんなヒトではないんですよねー。さらっと明かされたどうやって子どもを作るかってことについてや、鳥にとって虫は自分たちが作った生体機械であるという説明について、想像していた世界観が四十五度ほど変わって面白いなあと感じました。
そうした「そういうことだ」という見方が変わる瞬間は、ラストシーン近くにもあって……わかっていたけど胸にくる……切ない……。
少年少女の切ない恋と世界観の美しいファンタジー。続きが楽しみです。
謎の黒いゴーカイオーに襲われた鎧。お宝が眠る幽霊船が関わっている知ったマーベラスたちはそのお宝を手に入れるため、異空間に飛ばされるかもしれないという危険を顧みず幽霊船に乗り込む。
久しぶりに全話通して視聴したスーパー戦隊シリーズで、登場人物も大好きだしお話もわくわくして楽しかったので映画も見てました。映画館で見たのは宇宙刑事ギャバンとのコラボ映画だったので、この幽霊船は初視聴。30分程度の短い作品です。
ゴーカイシルバーである鎧は少し出るだけ(Wiki情報によるとこれが初めての撮影だったらしい)。メイン五人で戦います。お話は幽霊船での冒険ではなく異空間に飛ばされるので、おまけって感じのギャグ要素が多いです。さすがに球場にレンジャーがいるのは絵面がおかしくて笑ってしまった。
しかしマーベラスと船長ロスダークの戦闘はかっこいい! マーベラスの台詞もいちいちかっこいい……。演出も凝ってて決め技がかっこいいとかっこいい尽くしです。ロボット戦であんなに派手な動きをするとは思ってもいなくて見入ってしまった。
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ジャパリパークのさばんなちほーに暮らすフレンズのサーバルは、自分が何者かわからないフレンズを見つける。彼女の持ち物から仮に「かばん」と呼ぶことにしたサーバルは、そのかばんちゃんが何のフレンズかを確かめるために図書館へ向かって旅をすることにした。
話題作を履修。「けものフレンズ」ってもともとメディアミックスプロジェクトの名前なんですね。ゲームもあったけれどサービス終了してるのか。
前向きなサーバルと賢いかばんちゃんの二人で、いろんなフレンズと出会いながら旅を進める。みんな前向きで素直で、他人を傷つける意思はまったくない『優しい世界』なのですが、人間がいないとわかってくるとなんかヤバいぞと思えてくる。しかし最後までちゃんとフレンズの世界観が保たれていて、最終話まで見るとかばんちゃんよかったねえ……と思いました。これはリアルタイムでみんなと話題を共有したかったなあ。
ジャパリパークのさばんなちほーに暮らすフレンズのサーバルは、自分が何者かわからないフレンズを見つける。彼女の持ち物から仮に「かばん」と呼ぶことにしたサーバルは、そのかばんちゃんが何のフレンズかを確かめるために図書館へ向かって旅をすることにした。
話題作を履修。「けものフレンズ」ってもともとメディアミックスプロジェクトの名前なんですね。ゲームもあったけれどサービス終了してるのか。
前向きなサーバルと賢いかばんちゃんの二人で、いろんなフレンズと出会いながら旅を進める。みんな前向きで素直で、他人を傷つける意思はまったくない『優しい世界』なのですが、人間がいないとわかってくるとなんかヤバいぞと思えてくる。しかし最後までちゃんとフレンズの世界観が保たれていて、最終話まで見るとかばんちゃんよかったねえ……と思いました。これはリアルタイムでみんなと話題を共有したかったなあ。
エインズレイ王国の第二王女アイリーンが幼い頃に恋心を抱いた相手は、姉の婚約者ヴェンツェルだった。いつまでも捨てられなかった恋心は実ることもなく、ヴェンツェルは姉と結婚してしまう。初恋に破れたアイリーンは、戦場で敵味方問わず治癒活動をする「名を持たぬ聖女団」の一員として活動を始めるが、どこかの国の兵士に捕まり、傷付き臥せったひとりの青年を癒やせと言われ——!?
私が自分の意志で、彼に付いていきたいの!(裏表紙より)
『最後の王妃』の子ども世代のお話。最初「王族でありながら臣下の養女になるってどんな状況だ?」と思ったんですが、『最後の王妃』を読んでいたら納得。ルクレツィアとメルヴィンの娘として生まれたアイリーンは、ルクレツィアの恩人でもあるティアナとクラウスの養女となる。王と王妃が最も信頼を置く二人の娘として育てられ王籍から外れるものの、実の兄妹たちとは仲がいい。けれど姉の結婚相手であったヴェンツェルへの思いを捨てきれないでいたところ、すべてを忘れるために「名を持たぬ聖女団」の聖女(国境なき医師団のような活動をする女性)の一人として活動を始める。
さすがアイリーンの娘として育てられただけあるというか、ちょっと世間知らずなところはあるものの前向きで行動的な娘さん。思い込みが強くて生真面目なところはルクレツィアそっくり。
自分に何ができるのかを考え、自分の幸せを最後に選べてよかったなあという気持ちはあるんですが、できれば聖女としての仕事をまっとうしてほしかったなあというところもあり……。本当に逃避として人を救仕事をしていたように思えて、少し残念かも。彼女の聖女としての行動が何か実を結んだのかどうか知りたかったです。
しかし随所にいいシーンがたくさんあってよかった! ティアナとクラウスの出会いに介入していたということもそうだし、何よりラストシーン。末妹のマーガレットと幼い頃のアイリーンが重なるようなシーンはとても素敵でした! 読後の余韻が素晴らしかったです。
ルクレツィアは、15歳でアウガルテン王国の皇太子妃となった。しかし皇太子シメオンは一度も彼女の部屋を訪れることはなく、後日、シメオンがマリーという下働きの娘を愛していると判明。ほどなく国王が崩御し、ルクレツィアは王妃となった。そして側室となったマリーが懐妊。それでも王妃としての務めを果たそうと懸命なルクレツィアだったが、隣国に攻め込まれた王国は敢えなく陥落し…?
激動の時代を駆け抜けた少女の、運命と恋の物語!(裏表紙より)
正妃でありながらないがしろにされているルクレツィア。それでも王が愛しているマリーを受け入れようと様々な助力をする。すべては自分は王妃であり国を守るものであるという矜持のため。
本当にルクレツィアが不憫で! マリーの無邪気な悪意には腹が立ったし、親子三人で無理心中された時には呆然としてしまいました。だからこそルクレツィアの気高さが光るわけですが、あんまりだよ……十代の女の子の輝かしい喜びを何も知らないままで……。
国が落ち、王妃でなくなったルクレツィアの日常に現れたのは、ティアナという少女。彼女の遍歴もものすごくて(さすが最初主人公に据えられていた子だ……)、美人で愛想がいいかと思えばとてもしたたか。でもそれが嫌味じゃないんだよなあ。一見相性が悪そうな二人に思えたのですが、ルクレツィアの真面目さとティアナの明るさがうまく噛み合って、旅をしている間はなんだか楽しそう。
ルクレツィアは最後には幸せになれたようでよかったよかった。ちょっと甘い終章はご褒美のように感じました。