読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![(P[こ]3-1)一鬼夜行 (ポプラ文庫ピュアフル)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51mjIaZhEXL._SL160_.jpg)
江戸幕府が瓦解して五年。強面で人間嫌い、周囲からも恐れられている若商人・喜蔵の家の庭に、ある夜、不思議な力を持つ小生意気な少年・小春が落ちてきた。自らを「百鬼夜行からはぐれた鬼だ」と主張する小春と同居する羽目になった喜蔵は、様々な妖怪沙汰に悩まされることに――。
あさのあつこ、後藤竜ニ両選考委員の高評価を得たジャイブ小説大賞受賞作、文庫オリジナルで登場。〈刊行に寄せて・後藤竜二、解説・東雅夫〉(裏表紙より)
百鬼夜行から落ちてきてしまった、妖怪の小春。正体は妖怪なのでは? と周囲から恐れられている強面で無愛想な喜蔵。なんだかんだと一緒に暮らすことになった二人だったけれど、喜蔵の周囲で妖怪による事件が起こり始め、それに首をつっこむ羽目に。
なんだかかなり文章が読みづらいなあと思ったんですが、恐い恐いと言われている喜蔵の優しいところや、生意気なことを言いながらもちょっとした寂しさみたいなものを抱えている小春の姿が生き生きとしているなあと思いました。
刊行に寄せてを読んで、発行年を見たら2010年7月。今はかなりあやかしものってメジャーなので、そうかこのころはまだ少なかったのかあと思いました。
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パピヨンの姿をした八百万の神・モノクロと暮らして四ヵ月。祖母の家に帰省した美綾は、自身の才能や適性を見出せず、焦燥感を抱いていた。東京へ戻る直前、美綾は神官の娘・門宮弓月の誘いで夜の氷川神社を訪れ、境内で光る蛇のビジョンを見る。それは神気だとモノクロは言う。美綾を「能力者」と認識した「視える」男、飛葉周は彼女につきまとい、仲間になるよう迫る。(裏表紙より)
第二巻。前回の事件の人たちは出てこず、新しい事件に巻き込まれる美綾。今度は神官筋の女性、弓月と、同じく神官筋だけれども危険な能力を持つ飛葉の二人です。
この話の全体像が見えない、というかどこに決着するんだろうなあと思いながら読んでいるのですが、あくまで美綾は普通の人で、たまたま神霊やら古いものに関わってしまったという立ち位置を貫くのかな、という事件の決着でした。最後、乗り込んでいくんじゃないかと思ったのに、使った手段がごくまっとうだったので。
このシリーズの空気感、大学生ということだったり、友人関係、キャンパスやサークルの雰囲気なんかがしっくり馴染む(リアルとはまた違って、ああこんなふうだったなっていう)感じがすごく好きです。美綾の高校時代の友人、愛里がすごくいいですね。他のみんなと一緒にいるときには気付かなかったのに、二人で会うようになるとその人がくっきりとして、「なんか、いいな」って思う感じ、わかります。

フェアリーの気をひくな。フェアリーを見つめるな。フェアリーを見る力を持つ少女アッシュリンは、彼らの不気味な世界など、見えないふりをしてきた。ところがある日、人間の男の姿をまとったフェアリーに誘いをかけられる。人間とフェアリーの間で揺れるアッシュリン。RITA賞YA部門受賞、ローカス賞推薦作品に選ばれた、ロマンティック・ファンタジーの決定版。シリーズ開幕。(裏表紙より)
フェアリーを見ることができる17歳の少女のロマンス。作中にも匂わせるものが出てきますが、ステファニー・メイヤーの『トワイライト』の流れをくむようなYA小説です。いろいろとものすごく現代的。
アッシュリンの学校での位置ははっきりしませんが、フェアリーが見えるせいでいきなりびっくりしたり、男性に対する経験が少ない、真面目よりの風変わりな子という感じ。友人はいますがみんな奔放なので、妖精との関わりを恐れて常にびくびく警戒しているアッシュリンはいまいちそれに乗り切れない。でも、アッシュ以上に風変わりな青年セス(親から譲られた財産で列車の車両を買い、それを家に改造して暮らして、学校に行かずに大学に行くかアートスクールに進学するか考えている。口にピアスを開けている)とは友達以上恋人未満の関係。
そんなアッシュリンが、サマーコートとウインターコート、簡単にいうと夏のフェアリーと冬のフェアリーの争いに巻き込まれ、サマーコートの女王になるかどうかの決断をせまられる。
結末はハッピーエンドで、意外なほどうまくいったなあという感じ。アッシュリンを誘惑するサマーコートの王キーナンは、アッシュの前に失敗してしまった女王候補のドニアにまだ気があり、ドニアは女王になる試しが失敗した時に「次に試しを受ける者に警告する」という義務を負うのでよく登場してキーナンのことを忘れられないでいるのがわかるのですが、こちらもうまくいって。羽住都さんの表紙の美しさから想像していなかった軽さだったのでちょっとびっくりしたのですが、結末が面白かったです。

オンブリア——それは世界でいちばん古く、豊かで、美しい都。そこはまた、現実と影のふたつの世界が重なる街。オンブリアの大公ロイス・グリーヴの愛妾リディアは、大公の死とともに、ロイスの大伯母で宮廷を我が物にしようとたくらむドミナ・パールにより宮殿から追いやられる。だがそれはふたつの都を揺るがす、怖るべき陰謀の幕開けにすぎなかった……2003年度世界幻想文学大賞に輝くマキリップの傑作ファンタジイ!(裏表紙より)
亡くなった大公の愛妾リディアが、宮廷を追い出されるところから物語は始まる。ドミナ・パール(黒真珠)と呼ばれる老獪な女によって宮廷が支配されていく中、亡くなった大公の妹の子ながら父親が不明の父なし子と揶揄されるデュコンや、地下世界影のオンブリアに暮らす魔女フェイ、その蝋人形のマグが、光と影の世界の変革の現場に居合わせることに。
美しいと言われながらも薄暗く古びたオンブリア。ごちゃごちゃとして判然としない魔法が潜む影のオンブリア。表裏になった世界を行き来する者たちが最後に目にするものは、混然としていた世界の縁が綺麗に整理された新しい世界……ということでいいのかな。光は光に。影は影に。繋がってはいるけれど影が光の世界を支配することはない、という感じ。
最後に変化した人たちの姿が見られるのは楽しいですね。リディアが生き生きとしているのが嬉しかったですし、父親に笑顔で迎え入れられたのもじんわりと感動しました。

魔族達に伝わる、魔族に強力な力を与えることができる人間“花嫁”の伝説。水神を祀る神社の娘・小夜は洪水と病で相次いで両親を失い、絶望し、神域の湖に身を沈める。だが、そこは魔族達の世界への入り口であった。湖城の魔王・ヴィリは、奴隷の身から前魔王を倒し、魔王の座に就いたが、力を失い、その座を追われつつあった。ヴィリに凶刃が迫る中、小夜はヴィリの“花嫁”になれるのか!?(裏表紙より)
水害の折に父が行方不明になり、母は心と身体を壊して入院中。親戚の家族に世話になるも、ついに母の死が訪れた。居場所を希求する小夜は、母が亡くなったその日、実家の神社の神域である湖に行き、白睡蓮が咲くその水の世界に焦がれて沈んだところ、目が覚めた時には不思議な異界にやってきていた。
淡くて、胸を締め付けられるような切ないファンタジー。弱いことを憎み恐れる魔王ヴィリと、繊細だけれど芯の強い小夜が、二人寄り添うお話でもあります。この優しくてちょっとだけかなしいお話に、イラストがすごくマッチしていて、小夜ほんとかわいい美少女……! って思ってました。そして言動にちょっと弱さが透けてみえるヴィリのかわいいこと。ちょっと病んでいる風なのがはらはらして、小夜が負けないかどきどきしました。
寄り添った二人がこの先どんな道を歩みのか気になるなあ!

雨の公国の第四公女ニケは、世界を統べる太陽王の花嫁として晴れの大国にやってきた。国を豊かにし財政を立て直したという太陽王リヴィウスは、ニケよりも年下で少年と呼べる年齢。かくして、切れ者で誰をもそばに寄せ付けないリビと、公女らしからぬ行動力で人の心をつかむニケの、ただではいかない夫婦生活が始まり……。
原作は連載開始時から読んでいたんですが、かなりアニメ用に改変されているんですね。ニケのニケらしいところが第一話からあますところなく描かれていて、こういう行動的なヒロイン好きだわあと思う笑
話の進行に合わせて変わるOPが見たくて見始めたんですが、自分が知っているOPがほぼ全員揃っているものだったので、最初の誰もいないOPを見てようやく、自分が「ん?」と思っていた部分も変化するパートだということに気付きました。最後のキスするカットがすごく好きです! でもEDの全裸はどうかと思う!笑
ストーリーは雨の公国へ行って認めてもらうところまででおしまい。このお話、結構えぐいところが見え隠れするのが少女漫画らしくなくって好きなのですが、そういうところはいろいろとカットされている感じがしました。演出の工夫は、この話のコメディ部分が強調されていて面白かった。
白泉社系の作品のアニメ化はなんというか、自分が歳をとったせいかどの作品も「これじゃない!」って思って見るのやめちゃうんですよね。私は原作のこの部分が好きなのに、それが排除されてるという風に感じることが多くて。それせかは見たし、他のものも見てみようかなあ。

小学生の頃、超平和バスターズと名乗って秘密基地に集まっていた六人。だがその内の一人、芽衣子(めんま)の死をきっかけにみんなばらばらに。やがて高校生になった彼らだったが、不登校で引きこもりになっていた仁太(じんたん)の前に、幽霊のめんまが現れる。彼女の願いを叶えるためにじんたんや他の仲間たちが再び集まり始め……。
名作と名高いあの花をついに履修。
死んでしまった幼馴染の願いを叶えるために、ばらばらだったかつての仲間たちが集結。でも幼馴染の死は、そろぞれの深い傷になっていてうまくいかない。自分は、と考えるその息苦しさや、すれ違いがリアルで、見ていて胸がぎゅうっとなる。そして不登校引きこもりのじんたんの心の動きが、本当に、自分のことのように感じられて痛かった……。脚本の岡田さんのご本をちらっと読んだところによると、不登校は岡田さん自身の経験だということで……ああ不登校に関する後ろめたさとどきどきと不安は共通のものなんだなあ、なんて思ったり。
しかしじんたんのポテンシャルの高さにびっくりする。不登校で引きこもりなのにバイトするっていうその志の高さよ……。本当に「つまずいた」だけなんだなあ。そして彼は周りに恵まれていたのも大きかったのかも。
幼馴染が関係を修復して、という単純な話にはならず、それぞれの思いが複雑化して入り組んでいくところがすごく面白かったです。自分の気持ちを泣きながら叫ぶシーンはもらい泣きした……。どうして!? っていう思いが吐露されるシーンは胸にくる……。
最後までぼろぼろ泣いてしまった作品でした。面白かったです。劇場版も見よう。

男は二度、女を撃った。女は一度、男の命を救い、一度、その命を奪おうとした。ふたりは同じ理想を追いながらも敵同士だったから……。悠久なる大河のほとり、野賊との内戦が続く国。理想に燃える若き軍人が伝説の野賊と出会った時、波乱に満ちた運命が幕を開ける。「平和をもたらす」。その正義を貫くためなら誓いを偽り、愛する人も傷つける男は、国を変えられるのか? 日本が生んだ歴史大河ファンタジーの傑作!! 解説・北上次郎
大貴族の甥で軍人のアマヨク、王位継承権を持ちながらも忘れられた王子メイダン、そして国に生きる多数の人々、軍人、野賊、貴族……そうした人々が内乱の続く国で一つの時代の変革に居合わせる物語。凄まじく大河でした。読み応えあった。
主人公はアマヨク。着任したての初々しさがどんどん薄れて、軍人として、強く、卑劣で無情になっていくのも面白かったですし、彼の中でどうしても譲れないオルタディシャルへの思い、カーミラやシュナンへの思いに揺れるところも、すごくずっしりきた。無力な民衆の姿がカーミラ(やその他大勢の人)を通して見えることも辛かった。
でもそんな中でもシュナンがなんだかアマヨクに似ていること、アマヨクが少しずつオルタディシャルに似たような感じがするところなど垣間みえて、最後のあたりは胸がいっぱいになっていました。
何よりも、メイダン殿下。息苦しい中で挟まる殿下の状況が、この先どんな風に関わってくるのか、とわくわくしていたら、やってくれました。わあああって思った。運命や天命って言葉を考えてしまった。
この物語の続きをもっと知りたいし、すごく色々なことがあったこともわかってその気持ちは高まるんですけれども、アマヨク・テミズという人のお話を濃密に味わうことができて、本当に面白かったです。

黎明国女王位の正統なる継承者が山越国にあり——スウェンが女王に即位して一ヶ月半、不穏な密書が朱暁宮を揺るがす。正統なる継承者“もうひとりの王女”の正体とは……? 混乱の中、諸国を統率する重圧に悩むスウェンの傍で、弟のキナンもまた自らの内に潜む昏い本性に苦しんでいた。真相を突き止めるべく動きだしたスウェンだが、そこには女王の血脈をめぐる隠された真実が……。
できることならどうか、幸せに生きてほしい——花の痣と予知の力を背負う王女たちの運命を描くグランドロマン、続編登場!(裏表紙より)
黎明国花伝シリーズの二巻目。スウェンは女王として、キナンはその補佐として、ルシェは次代を残すための結婚を控えながら姉兄を助けるために暗躍している。その最中、もう一人、女王位を継承すべき王女がいるという密書が見つかる。
今回はスウェンがメイン。かなり男前なスウェンなので、言動がまさに王者の貫禄。けれど長女らしい不器用なところもあって、はらはらしながら見守りました。前巻で思う相手がいたという話を聞いて、やっぱり……? と思いましたが、最後に明かされたスウェンの状態にうああ……って呻いてしまった。キナンの歪みといい、もうひとりの王女の存在といい、前女王は本当にこの姉弟をめちゃくちゃにしたんだなあ……。
よかったのは今の状況を次の世代のために、と前向きに行動する三人と、それを支える周囲がいい人たちばかりということだなあ。
そして今回、ルシェとエルダがめっちゃ可愛かったので嬉しかったです! 政略結婚だけれどお互いにこの相手と決めた理由があって、ちゃんと夫婦になろうとしているところがにやにやします。ルシェは賢くて口が回るせいで多分それとは思ってないんでしょうが、エルダはちゃんと一目惚れした自覚があったのが! もーそれは恋! 二人とも恋してる!
このシリーズはさらっと書いてあるところの裏にすごくいろいろあることがわかるので、その裏を想像するのが楽しいです。できればルシェとエルダが皇国で何をしていたか読みたいなー(ごろごろ)

女でありながら武人の姉・スウェンと、知に秀でた妹のルシェ。
身体のどこかに浮く花の形の痣と、「星読の力」と呼ばれる予知能力を併せ持つ女王が国を治める黎明国で、姉妹は二人ともが女王候補の資質を持ちながら、争いを避け辺境の地で隠れ暮らしていた。
しかし女王の陰謀で肉親を殺され、離ればなれに暮らすことを余儀なくされる。一族の無念を晴らし苦しむ民を救うため、女王と戦うことを決意した姉妹だったが、再び女王の魔の手が迫り——。
荒野に立つ姉妹の運命が交錯するグランドロマン、開幕!(裏表紙より)
アジアンな異世界、不思議な力を持つ女王が治める国。権力争いを避けて辺境に暮らす三人の姉弟。長女のスウェンは痣を持ちながら武人として生きている。直接血のつながりはないが長男のキナンは病弱ながら強い星読みの力を持つ。末妹のルシェは活発で賢く将来を期待されている。父母と里人の見守りを得た幸せな暮らしは、女王によって奪われる。
このうち、末妹のルシェをおおよその主人公として、迷走し衰退しつつあった国を救う物語です。
前半の読みづらさが辛かったんですが、話が流れ出すと面白くって、一気に読んでしまった。でもこれ文庫三冊分くらいでやる話かなあとも思いました。もっと読みたいんですよ! 『辺境の女将軍』として民を守るスウェン、『黒様』として流浪の旅を続けながら知恵をつけていくルシェ、女王の夫として囚われながら未来を見るキナン。それぞれにどんな出来事があったのか詳しく読みたい!! すっきりまとまっているこれも面白かったんですが、詳細に書いてほしかった……! エイベンとかエトウとか美味しい役どころじゃないですか!
いやしかし、それでもエルダとディノの兄弟は美味しかったです。そういうことだろうと思ったけれどそういうことだった!(旨い)ときめきましたごちそうさまでした!
次巻が当分多ければ嬉しいなあと思いつつ。