読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

王子妃の座を争うライバルの王女が、実は他国の王子様!?
絶対に恋に落ちてはいけない相手、イズディハールを好きになってしまったルフィナ。
二人は人目を忍んで想いを募らせていく。
「何があっても、俺が守るから」
深い口づけと、敏感な部分を容赦なく責める巧みな指。
声を殺して快感を受け止めれば、さらに愉悦が深まって――。
お互いを信じ、周囲の協力を得て、最高の大団円へ!(Amazonより)
因縁のある国同士の王女と王子が互いに惹かれあっていくラブロマンス。
とても可愛らしくてよかったのですが、このタイトルはどうなんだろう。合っていない気がしてすごく違和感がある。何せ冒頭から悲恋エンドの気配がまったくないからなあ。
歴史的に古く、周辺諸国からは害がないと判断されているサンティスの王女が、かつて面子を潰されたと父王が未だ許せずにいるタバール王国の王女に負けるなと、ある国の王太子妃の座を射止めるべく外交に出る。だがその国で出会った妃の座を競うはずのタバールの王女は、なんと双子の兄が身代わりになったものだった。
ロミオとジュリエットのような、国や家が絡んだ困難な恋。ルフィナはより王女らしく成長し、イズディハールは彼女を励ましながら恋を叶えようと努力する。この構図を見ればハッピーエンドにならない方がおかしいというくらいに一生懸命ぶりだったので、二人が幸せになれて本当によかった。

かつて『真実の愛』が蔓延した結果、現在では政略結婚が下火傾向。
男爵令嬢であるアンナが仕事と出会いの両立を期待し、王宮侍女となって早二年。
侍女なのに月の大半を掃除仕事ばかりさせられても、あまり気にせずポジティブに掃除技術の研鑽に努める日々を過ごすアンナだったが、アレな掃除が一番の悩みで——。
煌びやかな王侯貴族の世界の裏側を、王宮侍女アンナのひとり語りで赤裸々に綴る宮廷日常譚。(裏表紙より)
「真実の愛」によって結ばれた王族はそんなことを忘れたような雰囲気で、あちこちで「真実の愛」が声高に叫ばれ、婚約破棄だのなんだのと大騒ぎした後の国。華やかな貴族の世界を、王宮侍女(メイド?)から描いたお話。
王宮にいる主人公のアンナが目にするのはあちらこちらの情事の痕跡。それを掃除するのが仕事(本来の仕事とは違うけれど)という、読んでいるこちらもなんだかなあという顔になってしまう節操のなさ。裏方の人たちはきっとこういう気持ちになるんだろうなあ。
短い文が続くところが読みづらいと感じたり、化粧が上手な設定はどこから? そもそも化粧道具が揃えられる経済状況は? とか、最後にメイドじゃないとばれて喧嘩するシーンは、他のおばちゃんたちからも責められているけれどそこまで仲悪かったの? とか、物語の進行に合わせた設定や展開が始まったように感じられて引っかかるところが多かったな。
侍女でなく下働きのメイドの仕事をしながら、まあいいかと上手くやっていたアンナが、最後に元の場所に戻り、なんならその仕事ぶりを見ていた人たちに今後大事にされていきそうな予感を感じさせてこの巻は終わり。ルカリオがいい人のようなので上手くいってほしいなあ。

ある日学校中の生徒がゾンビと化し、学校に閉じ込められてしまった女子高生のくるみ、ゆき、りーさん。絶望する彼女らを励ました保健室のめぐねえの発案で、学園生活部を立ち上げ、生き抜くことを決意する。隠れていたみーくんを保護し、意見の相違を乗り越えながら、生き抜くと決めた五人。だがついに彼女たちが「卒業」する日がきてしまう。
ゾンビが溢れる世界で、学校で生き残る女子高生たち。それだけでもキャッチーですが、最後の最後にマジかよと思われる意外な展開と、走り出す彼女たちという、青春×ゾンビの掛け合わせが面白い作品でした。アニメも見たくなったぞ。
普通の学校の風景が、まるで夢から覚めるみたいに現実の世界に戻っていく冒頭の描写があるんですが、これが後々大事なオチにつながるものだったことにびっくりした。現実から目を背けたいし、心の中にある大事なものに縋っていたい、彼女たちの気持ちを思うと……。
たった五人で生き延びるにもなかなか上手くいかないんだから、それ以上の数だともっと大変だよなあ、そりゃ内部崩壊もするわ、と他のゾンビ作品に思いを馳せたりもしました。
漫画家の岸辺露伴はオークション会場でモリス・ルブランの『黒い絵』を競り落とす。だがその絵を競り合った男たちに襲われ、危うく絵を盗まれてしまいそうになる。その絵には秘密があり、ルーブル美術館に手がかりがあると知った露伴は、担当編集者の泉とフランスへ飛ぶ。
ルーブル美術館と、岸辺露伴、罪と罰と、黒。美しいものの影と歴史の重みめいたものに、人間の逃れ得ない罪がある。
作品の雰囲気を象徴するものがぎゅぎゅっと詰め込まれている。それができるセンスがすごい。フランスの風景がまた雰囲気があっていいんだよなあ。
「黒い絵」の力が、個人の罪だけでなく祖先の罪を突きつけてくるところが面白い。ジョジョシリーズはあまり触れていないんですが、そういえばあれは血脈の話だったなあ、なんてことを思いました。
絵にまつわる話というと奈々瀬という芸術家にとってのミューズ、運命の女的な登場人物がいるのがロマンだよなあ。岸辺露伴にとってもそうだし、仁左右衛門にとってもそうだったのかもしれない。
ルーブル美術館と、岸辺露伴、罪と罰と、黒。美しいものの影と歴史の重みめいたものに、人間の逃れ得ない罪がある。
作品の雰囲気を象徴するものがぎゅぎゅっと詰め込まれている。それができるセンスがすごい。フランスの風景がまた雰囲気があっていいんだよなあ。
「黒い絵」の力が、個人の罪だけでなく祖先の罪を突きつけてくるところが面白い。ジョジョシリーズはあまり触れていないんですが、そういえばあれは血脈の話だったなあ、なんてことを思いました。
絵にまつわる話というと奈々瀬という芸術家にとってのミューズ、運命の女的な登場人物がいるのがロマンだよなあ。岸辺露伴にとってもそうだし、仁左右衛門にとってもそうだったのかもしれない。

東京のある下町に、年金で暮らす初枝と、押しかけてきた夫婦の治と信代、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。散らかった家で、万引きで生活する一家は、ある日幼い少女が放置されているのを見かねて連れ帰る。秘密を持ちながら身を寄せ合い、擬似的な家族を形成する彼らだが、その日々は終わりを告げて……。
年金暮らしと強請りとは言えない強請りで生活する初枝。わけありの信代と、息子に万引きを促す治。言われるままに万引きをしながらゆり/凛がきたことで少しずつ自らのあり方に疑問を抱き始める祥太、妹の名前を使いながら孤独に生きる亜紀、虐待を受けてこの家族に迎えられることになったゆりことじゅり。
すべてがすべて、寄せ集め。本当の家族ではなく、みんながみんな小さな罪を塗り重ねて、この日々を保っている。それが社会の常識という正しいあり方によって崩されてしまうことは、本当に正しいのか。
正しいんだよ、でもそれだけじゃない。罪を重ねることでしか救えないときもあるかもしれない。そんなジレンマを感じる良い作品でした。
役者さんたちがすごくよくってねえ。人生に疲れたような、軽薄で、けれど奥底にどうしようもない孤独や空白があるような。物語が進む中で、寄せ集めのものが少しでもその孤独を慰撫しているような、そんな雰囲気が感じられて。初枝の死が終わりで、始まりなんだという、否応なく変わるものを感じさせるのも、切ないしやるせない。
大人たちは自らの罪を償う必要があり、どこへも行けない子どもたちはもしかしたらどこかへ行けるかもしれない、外の世界に出て行ける可能性の種を手に入れられたであろうとわかるラストシーンがよかったな。

ドラえもんのひみつ道具を使って絵本の世界で遊んでいたのび太たち。だがひょんなことからしずかちゃんだけが「シンドバッドの冒険」の世界に取り残されてしまい、散らかした本を片付けていなかったせいで処分されてしまった。助けに行けないと落胆するのび太たちだが、アラビアンナイトの世界が一部現実を反映していることから、可能性を求めて過去のアラビアに向かう。果たしてしずかちゃんを助けることはできるのか。
本を処分するってひどくない!? が最初の感想でした。多分これいまだと描写しないよね……?
調べていたら、そういえばこの作品が初めて四次元ポケットが使えない状況だったのか。何故か結構使えなくてどうしようという状況に陥るような気がしていたので意外だったな。
子ども向けの作品で奴隷になるって危機的展開ながら結構登場するように思うんですが、描写のバランスが難しそうだなあと思って見ていました。リアルに寄せるときつくなるし、かといって甘くするとはらはらできないし。

すべての戦いが終わり、役目を終えて去りゆく者と、未来に向かって歩みを進める者、それぞれの道を選んだ七つの大罪たちと王女エリザベス。国王即位を打診されたメリオダスは、その前にエリザベスと新婚旅行に出かけていた。各地を巡る旅の最中、同じく新婚旅行中の弟ゼルドリスとゲルダと遭遇した二人は、不穏な気配を察知して動き出す。この戦いは、人と人ならざるものの時代の終わりと、混沌の始まりを告げる物語。
本編後の物語として、ようやく幸せになろうとする恋人たちと、すれ違い続けた兄弟の共闘と、これまで作品を見守ってきたファンにサービスするような劇場版。そうなんだよ、劇場版というのは「これが見たい!」となんとか叶えてくれるやつであってほしいんだよ!!
メリオダスとエリザベスが安定の夫婦感を見せる一方、恋人らしいいちゃいちゃを見せてくれるゼルドリスとゲルダににやにやしてしまった。ゲルダに弱いゼルドリス、めちゃくちゃいい。撫でられているところでにまにましちゃった。
ディアンヌとキングも結婚式を挙げましたが、意外だったのがバンとエレイン。二人とも人間の誓いごっこはお好みじゃないそうですが、バンはエレインをめちゃくちゃ着飾らせて可愛がってあげてくれよ!!! とちょっと思っちゃった。
そうした本編の色々にけりをつけ、続編の伏線となる作品。とにかくゼルドリスが可愛くて楽しかった。

ある事情により婚期を逃し、実家の左大臣家に居座っている藤原伊子。だが突然、入内を命じられる。自分の半分の年齢である、帝との結婚なんて…と、断るために出かけた先で、伊子が再会したのは十年前に別れた恋人、嵩那だった。彼との微妙な距離をとりつつ尚侍として後宮に入ることになってしまった伊子に、謎の人物から脅迫文が届き…!? 平安後宮お仕事ミステリー。
いきおくれ女子・伊子が後宮の事件を次々に解決!?(裏表紙より)
かつていきおくれと言われていた平安女子がいましたが、それを上回るいきおくれ年齢の伊子が主人公。左大臣家の姫として、女主人として家を取り仕切り、それなりに世間にすれた彼女が、過去の恋人やら力関係の微妙な後宮をしたたかに渡って行く。
「おばさん」と言われることがもしかしたらいまよりもめちゃくちゃ腹が立つような時代なので、侮辱として登場するのがなんともおかしい。こうした作品を読む読者は多分、歳をとるってそう悪いことでもないんだよなーという時代と世代の人間じゃないのかなと思うので。少なくとも私はそうだ。
面白いのが、この時代ならではの恋愛と、それに絡めた登場人物。元彼と協力して捜査するってだいぶ複雑だと思うんですが、互いに歳をとってわかることもある描写が味わい深い。

ソルヴェール国で豊穣を祈るミモザ祭りを開催。準備に追われる未来の女王レティーツィアの元には、各国の貴賓が集い、彼女の騎士達も大忙しだ。一方、没落貴族のメルディは、レティの元婚約者が謎の死を遂げた過去の事件を調べ直していた。しかしその最中命を狙われ、瀕死の重傷を負ってしまう! メルディが命懸けで辿り着いた真相——それを知ったとき、レティは……!?(裏表紙より)
ナイツオブラウンドにメルディが軍師として加わるまでの話と見るなら、前巻の「二人の軍師」と合わせて読むべし、なシリーズ第11巻です。
登場人物がめちゃくちゃ多くなっているんですが、レティが常にそれを采配している展開はお見事。大きく事件は動いていないのにとにかく仕事をしまくっているだけで読ませるのは、女王となるレティーツィアの魅力でしょうか。
なので改めて、他の騎士たちがレティの仕事を割り振られてもしっかりこなしている(特に机仕事関係)はおおっと思いました。ちょっとずつ頼り頼られることに慣れてきたらいいなあ。
前巻で、軍師は非常な決断が下せるかどうか、という話がありましたが、最後の最後に決断して、涙を流しながらそれを背負うと決めたメルディにはぐっときました。