読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった——。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾!(裏表紙より)
あっという間に一年が経とうとする頃、天満一兆庵の若旦那に繋がる手がかりが。しかしそれは、若旦那が吉原遊びにのめり込み、その上、遊女を手にかけたという驚くべき話。しかし、澪も芳もあの若旦那が、と思い、けれど否定しきれずにいる。
澪の周りにたくさんの人の輪が出来たなあというのを実感する三巻でした。本当に困った時、いろんな人が集まって助けてくれるのは、澪が身を尽くして料理を作り、喜んでもらいたいと願うからなんだろう。頼りにしてしまう自分を縛めるところもあったりして、澪がしゃんと背筋を伸ばして、成長していくところがうかがえて嬉しいです。
小松原さまの素性もちょっと分かってきたような、な感じなので、二人の仲がどうなるのか、どきどきします。
今回は風邪っぴきの絶食後に読んでいたせいか、美味しそうで仕方がありませんでした。梅土佐豆腐とふわり菊花雪が食べたい!
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王室づき魔法使いが病気で不在のあいだ、留守番をすることになった本好きの少女チャーメインは、魔法の本のまじないを試してみたせいで、危険な山の魔物と遭遇してしまう。危なく難を逃れたけれど、魔法使いの家でも次々困ったことが起きる。魔法使いの弟子を名乗る少年がころがりこんできたり、かわいい小犬が巨大化したり、怒った青い小人の群れが押しかけてきたり……。魔法の家のドアは、王宮や小人の洞窟、謎の馬屋やプール、果ては過去にまでつながっているらしい。やがて、王宮の図書室で王様の手伝いをはじめたチャーメインは、王国の危機を救うために呼ばれた遠国インガリーの魔女ソフィーと、火の悪魔カルシファーに出会う。意外な姿に変身した魔法使いハウルもあらわれて……?
物語の名手ジョーンズが贈る、読み出したらやめられない奇想天外なファンタジー。「ハウルの動く城」シリーズ待望の完結編!(カバー折り返しより)
ハウルの動く城の三巻にして完結巻。著者のジョーンズさんが亡くなられて、すっごくへこんだことを思い出します。とにかく、亡くなられてからも翻訳された本が発行されて、嬉しいけれど、寂しい。
今回はハイノーランドという高地の国。両親から家事など生活に必要な力を一切身につけさせられずに育った、怒りっぽい少女チャーメインが、転がり込んできた魔法使いの弟子志望の少年(どんな魔法も最終的に失敗する才能の持ち主)とともに生活し、王国の、行方不明になっているお金の流れと、〈エルフの宝〉という財宝を探す物語。相変わらず、家のごちゃごちゃーっとした感じや、魔法の描き方が素敵! 魔法がある世界の魔法って、こういう風に動くんだなと思う。
ハウル、ソフィー、カルシファー、モーガンの家族もどたばたと騒がしくて楽しく、ハウルが出てきた時、はじめの言葉にあったように「イラッ」とさせられたのが悔しい。その後、しっかりちゃんとしたハウルがかっこいいのもくやしい!
ロマンスが薄かったのが残念ではあったけれど、それにもまして女の子の小さくて大きな冒険の物語という感じで、ハッピーエンドなのも楽しかった。
東京湾に新設された超巨大フロート建造物〈プリン〉のメインテナント〈サロン・ド・ノーベル〉には、美容に関するすべてが収められていた。理想の化粧品や美容法を求めて彷徨う“コスメ・ジプシー”たる岡村天音は、大学の先輩が生まれ変わったような肌をしていることに驚く。彼女は“美容+医療”を謳う革新的な企業コスメディック・ビッキーの〈素肌改善プログラム〉を受けたというのだが……。やがて〈ビッキー〉は、アンチエイジング、身体変工などの新商品を次々に発表し、人々の美意識、そして生の在り方までを変えていく——『永遠の森博物館惑星』に続く、著者5年ぶりの最新連作集。(裏表紙より)
まだ文字がないような古代の頃と、近未来的な世界、二つを繋ぐ化粧と美容の物語。めちゃくちゃSF! という感じでないと思ったら、急速に進化していく美容技術にあっという間に世界が飲み込まれていくのが恐い。化粧していたかと思ったら、年齢が不詳になるアンチエイジング技術とか……恐すぎる……。
お化粧だから女性の怨念めいたものがあるのかと思ったら、男性も描いたり、その中間もあったりと、変わっていく世界の話なのが面白いし、やっぱり恐い。自分をデザインする、という時代が本当に訪れるなら、きっと受け入れられるときがくるんだと思うけれど、抵抗を感じてしまうのは、指標となる人がいないからか。この物語ではそれは山田リルという人であり、その存在が、古代パートで語られる「姫巫女」たちによって強調されているので、現実感があってぞくぞくしました。
今年読了した本は368冊。漫画164冊。小説158冊。その他23冊。エッセイ11冊。画集11冊。雑誌1冊。
私生活がばたばたした関係で何も読めなかった時期が長かったので、毎年の目標500冊読むは達成できませんでした。
毎年漫画の割合が大きいんですが、今年は活字も同じくらい読んでいたようです。インタビュー、対談本をよく読んでいたような……。それから、BL、TL、ハーレクインを何の抵抗もなく読めるようになっていました。成長……。
さて、今年読んで面白かった本(※今年新刊に限らず)
嬉野君「金星特急」(全七巻+外伝一巻)
最後まで素晴らしい冒険と恋の物語でした。冒険が終わっていくところがすごかった。いっぱい笑っていっぱい泣きました。
高田大介「図書館の魔女」(上下巻)
政治もの、言語学ものと密度の濃い、そして分厚く読み応えのある上下巻。密な文章が密な世界観をつくりあげているので、読めば読むほど深い、と思いました。
荻原規子「RDG レッドデータガール」(全六巻)
アニメも視聴。アニメの、第五巻のあのシーンは、原作でもやっぱりすごかった……。第六巻の結末も、とてもよかった。文庫本は角川文庫かスニーカー文庫、どっちで集めようかな!
ヤマシタトモコ「BUTTER!!」(全六巻)
一気読みしたら、にやにやとズキズキで止まらなくなりました。イタイ高校生、すごく、いいです……。でもそういうところを俯瞰して読むのが楽しいのだ。学生生活ばんざい。
桜小路かのこ「BLACK BIRD」(全十八巻)
友人におすすめされて読み始めた、現代ファンタジー、妖と人間の異種婚姻譚。ついに完結した……。どういう結末かはらはらしたまま引っ張っていったのがすごいのと、伏線を回収した納得の結末だったので、すごく面白かったです。
ついでに面白かった映像作品を上げると「つぐない」と「言の葉の庭」をあげたいと思います。誰かに見てほしい! と思うのがこの二つ。
「言の葉の庭」は短いながらもぎゅっと詰まった美しい映像作品で、「つぐない」は最後まで見るとはあああああ……! と叫びたくなるすごい作品でした。「つぐない」を見てからずっと今年は一番これがよかったと言っていたくらい好きです。見てほしいです。オススメです。
2013年は、やっと蔵書点検をして自分がどれくらいの本を持っているか確認しました。
現在の積読は267冊です。昨年より、ちょっと減りました。来年も崩していこう。
私生活がばたばたした関係で何も読めなかった時期が長かったので、毎年の目標500冊読むは達成できませんでした。
毎年漫画の割合が大きいんですが、今年は活字も同じくらい読んでいたようです。インタビュー、対談本をよく読んでいたような……。それから、BL、TL、ハーレクインを何の抵抗もなく読めるようになっていました。成長……。
さて、今年読んで面白かった本(※今年新刊に限らず)
嬉野君「金星特急」(全七巻+外伝一巻)
最後まで素晴らしい冒険と恋の物語でした。冒険が終わっていくところがすごかった。いっぱい笑っていっぱい泣きました。
高田大介「図書館の魔女」(上下巻)
政治もの、言語学ものと密度の濃い、そして分厚く読み応えのある上下巻。密な文章が密な世界観をつくりあげているので、読めば読むほど深い、と思いました。
荻原規子「RDG レッドデータガール」(全六巻)
アニメも視聴。アニメの、第五巻のあのシーンは、原作でもやっぱりすごかった……。第六巻の結末も、とてもよかった。文庫本は角川文庫かスニーカー文庫、どっちで集めようかな!
ヤマシタトモコ「BUTTER!!」(全六巻)
一気読みしたら、にやにやとズキズキで止まらなくなりました。イタイ高校生、すごく、いいです……。でもそういうところを俯瞰して読むのが楽しいのだ。学生生活ばんざい。
桜小路かのこ「BLACK BIRD」(全十八巻)
友人におすすめされて読み始めた、現代ファンタジー、妖と人間の異種婚姻譚。ついに完結した……。どういう結末かはらはらしたまま引っ張っていったのがすごいのと、伏線を回収した納得の結末だったので、すごく面白かったです。
ついでに面白かった映像作品を上げると「つぐない」と「言の葉の庭」をあげたいと思います。誰かに見てほしい! と思うのがこの二つ。
「言の葉の庭」は短いながらもぎゅっと詰まった美しい映像作品で、「つぐない」は最後まで見るとはあああああ……! と叫びたくなるすごい作品でした。「つぐない」を見てからずっと今年は一番これがよかったと言っていたくらい好きです。見てほしいです。オススメです。
2013年は、やっと蔵書点検をして自分がどれくらいの本を持っているか確認しました。
現在の積読は267冊です。昨年より、ちょっと減りました。来年も崩していこう。
こんな男のどこがいいのか。
それぞれに魅力的な5人の女性を振り回す、伊藤誠二郎。
顔はいいが、自意識過剰、無神経すぎる男に抱いてしまう恋心、苛立ち、嫉妬、執着、優越感。
ほろ苦く痛がゆい、著者会心の成長小説。(帯より)
伊藤くんなる男との出来事を、五人の女性それぞれから描く短編連作。千葉の地主の坊ちゃんだけれど、自意識過剰で、無神経で、人を小馬鹿にした言動をする伊藤。ろくに就職もせず、口だけで自分はシナリオライターを目指しているという。何故かそれに振り回され、傷つき、周囲との関係もだめにしてしまう女性たち。もう胸に痛くて痛くて……。特に、友人との関係を壊してしまうところが辛い。
しかし、最後の「伊藤くん E」の章を読むとぎょっとする。仕事もプライベートもうまくいかず腐っていく女性が、時間をかけて呪いをかけたところに言いようのない気色の悪さを覚える。そうして、伊藤の抱いていたものが明らかになった瞬間、頭を掻きむしりたい不快感が……。
すべてのことに冷めている現代っ子やニートを理解できない側から描くとこうなるのか、と思った話でした。面白かったけれど、ちょっと苛立ちが残るところがあるのが、また味なのか。
帝に特別愛された薄幸の女性に端を発して物語は進んでいきます。
死んだ母に似ているという父の新しい妃に対する思慕。山里で源氏はその妃の面影を持つ少女を垣間見ます。紫の上との出会いでした。(カバー折り返しより)
源氏物語を現代訳して、読みやすい平易な文章に仕立てたもの。すごく読みやすいし、分かりやすい。原文を最後まで読んだことがないけれど、これは「源氏物語」を読み通すのにいいきっかけになりそう。花鳥風月、四季とともに、様々な恋と宮中の出来事が描かれるのは優雅で、その時代の人たちが夢中になったのも分かる気がします。
しかし、私は光君が嫌いなのだった。どれほど容色にすぐれ、才覚のある、細やかな人物でも、女癖が悪かったら何もかもアウトだと思います。この本を読んでますますこいつはなんというだめんずだろうと思った。女性が離れようとすると惜しいと思って、文を送ったり会いに行ったりするところが嫌いだ!
そういう感想を抱けるくらいにとても読みやすい本なのですが、一つだけ。読みやすさを重視して、作中の和歌の部分も意訳にしてあるのが惜しい! ここは雰囲気が分かるようにうたで読みたかったかも。かっこ書きにして訳を載せるとかで!
己の身体を取り戻すため、旅を続けているエドワードとアルフォンスは、脱獄した囚人メルビンが不思議な錬成陣を用いたことに興味を引かれ、彼を追う。その途中、同じく囚われていたジュリアという少女に出会った兄弟は、谷底に住むミロス人の状況を知ることになり……。
ど派手なアクションと、劇場版だというのに骨太なストーリーで、思ったよりも面白かった……。エルリック兄弟の罪と罰はそれほど描かれず、この世界に存在する錬金術師の業が、人と国を巻き込んで、呪いのように取り巻いているという話。その呪いに囚われた人を、今そこから逃れようともがいている兄弟が助ける、というストーリーだったでしょうか。
すみません、見た時期が悪かったと思うのですが、谷(底)の街、人々特に子どもから慕われ、戦う人々の旗頭になっている少女、飛行装置という小物がどうも姫姉様を思い出してしまいました(ちょうど金曜ロードショーの日だった)。ちょっとした言動(機械鎧技師のゴン爺や、ジュリアにお守りを渡す女の子)や、ジュリアの描き方(戦いに赴く前の膝抱えポーズ、怒り狂って剣を振り回すところ、力を得た時に膨らむ髪)などが、狙ってませんかという……。ジュリアが若すぎるせいでカリスマが足りない姫姉様だわ……と思ってしまった。
しかしそれにしてもアクションが派手で、うまいこと動くのでわくわくした! 最後は駆け足だったけれど、一つのお話になっていて面白かった。ジュリアを大事にしすぎて他のヒロインたちがちょっと唐突でしたが、みんな可愛いのでよし。
予告にありましたが、緑色の光を放っている兄妹のシーンが好きです。あの光の放ち方がすごく切なくて、どこのシーンか楽しみにしていました。
自身の行ってきたことを背負い、過去を負って生きているエドとアルが、自分たちと同じところに落ち込まないよう、人を助ける。二人らしいところがたっぷり見られて面白かったです!
聖鏡女学園中等部二年の範子は、仲良しグループで地味ながらも平和に過ごしていた。ところが、公開裁判に掛けられ地位を失った滝沢さんを迎えることとなりグループの調和は崩壊! 範子達は穏やかな日常を取り戻すため「プリンセス帰還作戦」を企てるが……。(帯より)
女子中学生のグループ抗争。スクールカーストは、自分が遠く離れたから笑って読めるんだけれど、今は今でなかなか(以下略)と思いながら読む。似たような子たちが集まって、その固まりをそっと眺めている気持ちはよく分かる。気持ちがころころと変わって、残酷な自分に気付いたり、自分のしたことを否定されると腹が立ったり、分かる、分かるよ……! という部分がたくさんありました。
そしてラストがとても綺麗でうっかり涙が出そうになった。一番苦しい時期を乗り越えると、何もかもが楽しくて、きらきらし始めるんだよなー。大人になるってそういうこと。
十一年に一度の祭りを前にした聖十字学園町。燐、雪男、しえみの三人は、ファントムトレイン討伐任務にあたっていた。しかしその任務の最中とある祠を破壊したことで、封印されていた悪魔が姿を現してしまう。幼い少年の姿をした悪魔を監視する燐だが、うさ麻呂と名付けて親しくなっていく。
青エクでお祭り騒ぎするよ! という話で、とにかく燐を愛でようという映画だった気がしました。兄弟の険悪さはちょこっとだけ。仲間周りも薄く、しえみも特に目立ったことをするわけでもなく。燐が主人公らしい男前さと無謀さで、やっぱり彼が好きだなーと思いました。悪魔と友達になるという燐らしさと、悪魔は悪魔なんだという雪男の真っ直ぐさがきっちり描かれているので、燐が燐らしいところをとことん描いた劇場版という印象です。
よく動いて戦うし派手だし、背景美術が美しくて好きだ! 本編は和洋折衷な、洋風寄りの現代日本的な世界観だったように思うのですが、劇場版はアジア系で赤い色が素敵ですごく好み! 雑多な感じがすごく好きだー!
何故これを見ようと思ったのかというと、サントラがすごく好きで、音楽が聞きたかったせいもあったのでした。やっぱりいい曲だった。
近付くクリスマス。数組の男女がそれぞれその日を迎える群像劇。
マーティン・フリーマンが出ているので見ようと思ったのと、ちょうどクリスマスイブだったので!
楽しかった。ロマンチックだしくすっとできるし、幸せなカップルはよいものです。恋がうまくいかなかったり、頑張ってみたり、切ない気持ちを抱いて笑ってみたり。それぞれの方法で恋をしているところがいい。幸せな気持ちになりました。
役者さんの豪華さがすごい! この人見たことあるー! という人がいっぱい出ている。ビル・ナイさんの弾けた演技がすごく好き! 吹き替えもすごくぴったり。それから首相がめちゃくちゃかわいいー!! 政治家なんだから有能でしたたかなはずなのに、可愛いってどういうことやねん! とにやにやもだもだしてしまった。それからそれから、サム役のトーマス・サングスターがこれでもかという美少年でもう、もう……!! 走っていく男の子はすごくいい。大好きだ。血のつながらないお父さんとの関係もにこにこして見てしまった。
楽しかったです!