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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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落下する花―“月読” (文春文庫)
月読——それは、人が亡くなると現れる“月導”に込められた死者の最期の思いを読み取る特殊能力者だ。投身自殺した女子大生の月導に残されていた殺人の告白。それは若者たちの錯綜する思いが招いた悲劇だった——。表題作など4篇収録。月読・朔夜一心が活躍する傑作ファンタジック・ミステリー。解説・大矢博子

月導(つきしるべ)という、人が死ぬと現れる、物体・現象などが存在する世界。月導の存在によって私たちの世界から分岐して、科学の進歩が遅れたその世界で、月導とそれを読み取る能力者によるミステリの短編集。読み始めからなんとなく違和感だったのですが、これ前作があるんですね。読まずとも問題なかったですが、読んでいた方が分かりやすかったのかもと思います。
全編とも、なんとなーく後味が悪い!笑 人の死とその最後に思ったもの、というものを扱っているせいか、最後まで気持ちよくめでたしで終わらないところが、いい味でもあります。でもやっぱりいい話を読みたかったですよ! ないわけではないんだけど!
月導というものがとてもいいものだと思いました。ミステリアスかつ、ファンタジック!
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戦国自衛隊1549 (角川文庫)
自衛隊演習場で、新兵器の実験中に暴走事故が発生。的場一佐率いる第三特別混成団が約460年前の戦国時代に飛ばされてしまう。一方、その影響と思われる虚数空間が日本各地に出現し、現代世界を侵食し始めた。的場たちを救出するため組織されたロメオ隊の一員として、救出作戦への参加を決めた元自衛官の鹿島は、タイムスリップで戦国時代へ飛ぶが、そこで待ち受けていたものとは!? 圧倒的スケールで贈るSF戦国アクション。(裏表紙より)

福井晴敏作品を求める人にはちょっと軽かったかな、という作品だったかなと思います。もっとどっしりがっしり、正義やら善悪やら人の尊厳やらを語ってくれるのが福井作品だと思うのですが、登場人物が多いのと短期決戦であることもあって、さっぱり終わってしまった。特に女性たちの事情がなんだかとってつけた感があって、どうしてだろうと首をひねる。もしかしたら私は怜という登場人物が嫌いなのかもしれない。
平成の文明を持ったまま消失した自衛隊の一団と、それらを救出、場合によっては対処するために送り込まれた鹿島たち。戦国時代で繰り広げられる戦い。爆発、キノコ雲、ヘリのホバリング、ランチャー、ミサイル、とほんまやったらえらいことやで! という爆発と音のオンパレードです。少々チープな印象を受けるのですが、それでも書ききったことがすごい。正直、もっと長く読みたかったと思う作品でした。
源氏物語 紫の結び〈3〉
女三の宮の降嫁により、紫の上は源氏との愛にも世の中にも諦念を持つようになりました。そして、ひとつの密通事件が物語の様相を変えていきます。不義の子を抱きながら、源氏は晩年になって巡ってきた宿命を思うのでした。(カバー折り返しより)

紫の上を中心に源氏物語を追う三巻目、最終巻。いい歳になった光君の周りでは、結婚する子どもたちを中心になっていく流れになりつつある……という、源氏の君の最後の話です。
人が死んだり尼になったりすると惜しむ光君はやっぱり嫌いだ! と思いながらも、彼の才能や栄華を讃える向きが、この巻になるとがらっと変わって、深い諦めや悲しみに満ちてくるのがすごい。これは源氏の君というヒーローを讃えるものなんだと思っていた自分が間違っていた。(荻原さんのあとがきにもありましたが)だめな人間を観察するための物語だったのか!
源氏物語というと永遠のように思えていたのですが、主要な登場人物も死んでしまうし、移り変わるのだなあと深く感じ入った三巻でした。紫の上が亡くなるなんて思ってもみなかったよ……! そうして暮らしていきました、で終わるのだと思っていた。そして、ラストが憎い。なんて上手いんだろう! と感心しました。
竜岩石(りゅうがんせき)とただならぬ娘 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
「これは……竜岩石だな?」
大富豪・李大人の屋敷で働くことになった少年・李衛は、白家へ大事な書物を借りてくるというお遣いに出る。雨が降っているわけでもないのに、着ている物が濡れて重くなる。路地には蟹の鋏で首を挟まれた猫、人気のない白家では壁から一抱えもある魚が泳ぎ出て来て仰天。果たしてその魚は、白家のお嬢様? 不思議な話の数々、中国志怪風の“怪しい話”20話。解説は東雅夫。(裏表紙より)

中華風ファンタジー、幻想文学の短編集。読みながらなんだか既視感を覚えるなあと思ったら、話の雰囲気が今市子さんの描く漫画に似ているんだ。
ちょっと恐かったり、なんだったんだ? というオチだったり、そわっとする話が多いです。古い時代を思わせるものもあれば、少し近代的な雰囲気の話もある。その中で私が好きだったのは「ただならぬ娘」。
市場には何でも売っていると聞いて、父親のお嫁さんを捜しにきた少年。とある出来事で賢い犬を手に入れ、それに手を貸したなんだかただならぬ娘と少年の連れに出くわす。彼女にお嫁さんに来てほしいと頼むが断られる。なんでも彼女は今嫁に行く途中なのだそうだが、様子がおかしい。という話。
少年が主人公だったり御伽噺風味だったりするので、活動的な女性が出てくる話はやっぱりおっと思います。しかも彼女は非常に強い。
勝山さんの短編は本当に好きだなあと思います。この本も面白かったです。
アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)
「僕のすべてが、君のものだ」
 わたしはアヤンナ。醜い娘。
「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」
 亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。
 だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。
 けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった——。
 醜い魔女の娘と美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多の物語を紡ぐ。(裏表紙より)

インカ帝国を下敷きにした民族系ファンタジー、というのか。雷神の存在があり、魔女がいて、奴隷が売り買いされるワカの国。アイユと呼ばれる血族の共同体に、お荷物として一人暮らす少女、アヤンナ。顔の半分にやけどの跡を負い、祖母からは「市場で夫を買ってこなきゃ」と罵られるみにくい娘。そんなアヤンナが出会うことになった青年リリエンは、金髪碧眼、白い肌の、美しい異人の青年。辺境で潰されてしまうはずだったアヤンナの人生に、光が与えられる。そういう物語。
かたくなに、一人、誰にも手を伸べられず生きていかなければならない運命だったアヤンナと、一人で生きることを知らなかったリリエンの不和、理解、寄り添い合いがとても丁寧で、苦しくて優しくて、すごくいい物語でした。
上辺だけで優しい言葉をかけられるヒーロー、は確かにとても甘くて素敵なんですけれども、リリエンのように傷ついてみにくいものを抱えているがゆえに、ひたむきに言葉を、アヤンナの言うようにそんなことありえないというような言葉を用いて伝えようとする、リリエンのまっすぐさに感動する。傷ついている二人が一緒にいるところが、すごく素敵だ。
結末に向けてはちょっと急展開でしたが、ラストがとても満足でした。そう、この物語は、まだ神様の存在を語れる時代の話だった。
表紙も素敵だし、帯もすごく素敵で、書店で一目惚れしていつか絶対読もうと思っていたので、読めて本当によかった。私の嗅覚も鈍ってないな! と自賛する。
姫君たちの戦国 (PHP文芸文庫)
いくさに明け暮れる戦国時代、武家の娘として生を受けた女性たちもまた、「それぞれの戦い」を繰り広げていた。関白秀吉の側室となった豊臣家とともに滅びた淀殿、政略結婚に翻弄されながらも将軍夫人の座に収まったお江と、その娘・千姫、貧欲なまでに結婚を追い求めて幸せをつかんだ徳川家康の妹・多劫、鎧をまとって戦場に立った大三島の鶴姫……。乱世に生きた姫君を描いた傑作短篇七作。(裏表紙より)

海音寺潮五郎「岐阜城のお茶々様」、邦光史郎「海の女戦士(アマゾネス)」、早乙女貢「奥羽の鬼姫——伊達政宗の母」、安西篤子「泣き笑い姫」、野村敏雄「八丈こぶな草」、南條範夫「姫君御姉妹」、澤田ふじ子「千姫絵図」という短編が収録されています。どれの戦国時代の姫たちのお話です。
一番好きだったのは「泣き笑い姫」です。徳川家康の妹、多劫の、ふくふくとした図々しさと明るさが楽しい作品で、他の話の姫たちが翻弄されたり、憎しみの種を抱えていたりする中、強く生きる女性らしさが面白くて。武家の姫だからといって、悲嘆ばかりではないし、受容ばかりではないと思うのです。ちゃっかりしている多劫は、だからとても素敵だった。
戦国時代は、どうしても有名人だとイメージが先入観になってしまい、しっくり来ないと本当に最後まで違和感が残ったままなので、その違和感を解消してくれる話だったり、名もなき人たちや、それらしい人の話が、面白いと思います。時代小説や歴史小説ってあんまり読まないけれど、これから読んでいきたい。
デ・コスタ家の優雅な獣5 (角川ビーンズ文庫)
ノアがデ・コスタ家を裏切った。当主のエミリオも爆弾事件に巻き込まれ、組織は崩壊寸前! ロザベラはノアへの思いを断ち切ろうと、ダリオのプロポーズを受ける。しかしロザベラとダリオの婚約をきっかけに、敵対組織アリスタ・ファミリーとの全面戦争が秘密裏に計画されていて!? 「デ・コスタの女」として生きることを決心したロザベラが、家族を守るために取った選択とは!? それぞれの運命が交差する、激動のシリーズ完結巻!(裏表紙より)

シリーズ五巻目、完結巻。面白かったー! いいなあ、悪女として生きる、弱くて震えているけれどしたたかな女の子! 悪事に手を染めた瞬間に官能的になる一巻目からロザベラの可愛さや強さは目覚ましかったですが、家族のために、と立ち上がる姿は、最終巻にふさわしいヒロインの立ち姿だったと思います。
三巻くらいからダリオダリオと感想を書きましたが、こうして最後に辿り着くとやっぱりノアでよかったかな。ダリオは本当に変わったし、ばかわいくなって、ちゃんと守りたいものを間違えない子でした。エミリオは一貫していけない大人でしたが、彼なりに大事なものを守ろうとした挙げ句の悪事なので、もしかしたら対立する未来があるかもしれないけれど、ロージーの今後に期待という感じでしょうか。
ラストよかったかわいかった! 未来の家族のことまで大事にすることができるのが、これからのデ・コスタの女だ。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化!(裏表紙より)

アニメ化と聞いたので積んでいたのを引っ張りだしてきたんですが、続く『ハーモニー』を買っておらず、唸っているところです。
面白かったー!! 主人公が外国人名なので、翻訳小説のように読みづらい(私には)のならつらいなあと思っていたのですが、するすると読める上、台詞や構成ががんがん響きまくって、すごく面白かった。やっぱりオチが素晴らしい作品は良作なのだなあという思いを強くしました。(そして読み進めながらつい「理由はアレか?」と考えてしまうのを私は本当に止めた方がいい……)
自己、進化や淘汰や、倫理、戦争。生命、特に人類にはかなり重苦しいキーワードがちりばめられており、今の私は是か非か、善か悪か、という問いかけをずっとされているように感じて苦しかったです。ぼくことクラヴィス・シェパードが、道徳的にアウトなことをしている中で、命とは、を問いかける形なのが、重かったし面白かった。想像しうる未来であることが恐ろしく、軽い文体というわけではないのに、一人称視点というのが入り込みやすく、かつ現実を前に皮肉った調子を感じさせるので、重さと軽さのアンバランスさにぞくぞくしました。
面白かった。機会があったら『ハーモニー』を読もう。
祈りの虚月 (講談社ノベルス)
聖アステール女学院には、秘密の言い伝えがあった。
「神無月の夜、虚月の下で儀式を行うと願いが叶う」
虚月の深夜、校舎に忍び込んだ高校生たちは儀式を行うため、暗号めいた名を持つ「三つの鍵」——「叡智」「願い」「信頼」を探しはじめる。
それぞれが心に秘めていた願いとは?
そして彼女たちに降りかかる不可思議な事件とは?
高里椎奈が多感な少女たちを描く学園ファンタジー。(裏表紙より)

女生徒たちがそれぞれの願いを叶えるために、深夜の学校に集う。最初は四人いたはずが、何故か五人目がいる……。五人目は誰? 目的は何?
という状況では殺人事件が起こりそうですが特にそういうわけでなく、深夜の学校に入り込んで謎を解こう、ついでに五人目の正体も、という話でした。五人の生徒たちの関係のぎこちなさや、特に視点人物になる小夜莉の「嫌われたくない、ぶつかりたくない」という思いがよく分かって、心理描写が近しくて面白いと感じました。
できれば、学園生活のその後も見てみたかったです。
通りすがりのレイディ (集英社文庫 コバルトシリーズ 75-D)
あたし、森村あゆみ。覚えててくれた? 『星へ行く船』で出演してたでしょ。今回の話は、あたしのつとめ先の探偵事務所みたいな所に、妙な依頼がきて始まるの。警察でも守れない程の大物相手に戦う筈の、とある女の子を探して守れって依頼なんだけど……調べてみたらその女の子、なんとあたしなのよね。あたしがあたしを探して守るって……どういう事件なのよ!?——『星へ行く船』シリーズ第2弾。(カバー折り返しより)

シリーズ二巻。すっかり事務所に腰を落ち着けたあゆみ。今回遭遇したのは、謎めいた喪服の美女(しかも強くて賢くてお金持ち!)。彼女を守るはずが、逆に守られるあゆみですが、この、守られている、憧れる、からの守りたい気持ちというのにすごくときめきました! あまりにも強くて、ちょっと寂しいところもある人って、性別問わず守りたいって思うよね……などと。
SFらしいちょっとグロいところもあるのがいいなー。そして、アクションがどばばたコメディになるところがくせになります。
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Author:月子
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