読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか——。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。
父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す——。(帯より)
実は『天地明察』を読む前にこれを読んでしまったのですが、安井算哲が現れたところはそれでもおおっと思いました。水戸の黄門様の壮絶な一生。義というものを問いかけ続ける話。
「どうして俺なんだ」というのは、『マルドゥック・スクランブル』から連なる生きることへの最大の問いかけだなあという序盤。力や知識や人との繋がりを得ながらも、自分自身を疑うからこそ、上へ伸びていくのかもしれない。高みへのぼるにつれて、どんどん欲望が削ぎ落とされて、軽やかになっていく光國が眩しいです。ただ、その軽やかさには、失いたくないものを失ったこともある。友人、読耕斎や、妻、泰姫の喪失は辛かった……。泰姫の人柄が、この物語の重みの中の安らぎになっていて、光國はそこを愛したのだろうなあ……。
「義」という考えが、後の世の私たちに分かる形で、光國を解放し、苦しめていたところは涙でした。最後のあれは……泣くわ……。義であるけれども、義ではない。しかし、後の世になされることがある。光圀の知らない未来が、彼らが形にしようとした人の人生の続きなんだろう。
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中世のとある東洋の大国。皇帝の側室が住む後宮を舞台にしたミステリー。主人公は花街で薬師をやっている少女・猫猫。薬採りに森へ入ったときに人さらいにあい、後宮に売り飛ばされて下女として働くことに。あるとき、猫猫は、持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、後宮で生まれる赤ん坊の連続死をこっそり解決する。それを見抜いた美形の宦官・壬氏は、猫猫を皇帝の寵妃の侍女に抜擢する…………「毒見役」として。(帯より)
東のとある国の後宮を舞台にした物語。Ray Booksは大人向けの恋愛小説レーベルというイメージだったんですが、この前読んだ『ラブ*ハニー』のことも考えてみると、かなり軽めの話のレーベルなのですね? 思った以上に全体的にさっくり軽いのでちょっとびっくりした。もっと人間の暗部にずぶずぶ入って行く話かと思っていた……。
主人公、猫猫の冷めた態度が好き! 何事も我関せずという態度なのに、技術をしっかり持っているところがいい。隠し持っている人って好きです。そういう人がばさばさーっと事件を斬っていくのが好き。
皇弟の話がちらっと出たんであれーもしかしてー? と思ったんですがそんなことはなかった。残念。

杉井光が贈る切ない恋の物語。
前触れなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。
そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そしてぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに——。
ゆるやかに終わっていく世界での、切ない恋を描く感動の物語。(裏表紙より)
人間が消滅し、記憶からも消えてしまう世界。人が死んで悲しい、という感情が失われて、人々はあまり悲しい顔をしなくなったけれど、確実に世界は終わりに近付いている。そんな終末的な世界なのに、現像しなくてはならない銀塩カメラや、ビートルズなどの名曲、ラジオ、今では時代遅れのCDプレイヤーといった小物が、古いものへの懐かしさと相まって、じわっと広がる切なさになっている。
世界が終わる物語の、主人公たちの本当の「世界の終わり」は、大事なものが失われる瞬間なのかもしれないなあ。世界が終わるなんて実感はないけれど、大事なものが失われた時の方がずっと痛いし苦しい、という。じわじわと一人になっていく、自分だけ覚えているという状況が、首を絞めるみたいに息苦しくなってくる感覚が、怖くて切なくてすごくよかったです。

季節が春から夏へと移ろい始める如月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは!?——(第三話『小夜しぐれ』)。表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾!!(裏表紙より)
様々な出会いも形を変える五巻目。同じく叶わぬ恋をしている美緒の恋の行方は。身分差という言葉を強く感じる時代です。従順とは違う、生きていく覚悟というのか。手に手を取って逃げたいという気持ちを固める強さもあるけれど、しっかりと地に足をつけていく生き方もあるよなと思う。
種市とおつるの悲しい過去もあり、澪が再び迷うところもあり。何よりよかったのは、謎の浪人小松原のことが分かる『嘉祥』! そんな風にして生活してるのか! という驚きと、いい家族に恵まれている嬉しさと。妹の早帆さんが何かしてくれそうでわくわく。
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異次元の裂け目からやってくる怪獣たちは、全世界を襲い、人類は危機に陥る。しかし、巨人兵器イェーガーの開発により、人類が勝利。怪獣との戦いは一種のショーとなり、パイロットたちは英雄的扱いを受けるようになった。ローリーは兄とともにイェーガーの操縦士をしていたが、ある戦いにおいて兄を失う。このことからイェーガーの対怪獣兵器としての価値が疑問視され、政府は支援を打ち切った。五年が経ち、対怪獣防護壁の作業員をしていたローリーは、かつての司令官から召集を受ける。
怪獣と巨人兵器! 迫力の戦闘シーンには手に汗握りました。「ロケットパーンチ!」にはキター! と喜びの悲鳴を上げてしまった。かっこいい。
ローリーとマコに焦点が当たっていますが、脇役の関係性を想像すると楽しいです。ニュートンとハーマンはつい「こいつら……かわいいぞ……」と呟いてしまった。「僕も一緒に」というのは熱いです。ドリフトしている時に、孤独だった少年時代が垣間見えて、それを共有した二人は、なんだかもう、言い表せないほどの愛おしさが込み上げてきて、よかったねえ……よかったねえ……! という気持ち。
ストーリーはもう少し長くてもよかったのでは、と思ったんですが、132分あるんですね。あっという間に決戦だったので、もうちょっと戦うところを見たかったり、仲間同士の険悪さや親密さを見てみたかった気もします。
いやしかし、イェーガーかっこいいなあ! 終盤には、イェーガーもまた一人の戦士になっていて、人工知能なんてなくとも一緒に戦ってくれた仲間だったんだと思うと胸が熱くなりました。面白かったです。

「駄目だ。離さない」
始種の骨を略奪した黒竜を追い、古王国に向かった白竜のシュトラールとその“花嫁”である澄白。王宮の地下で、澄白は亡くなったはずのゴルト族の竜、アメテュストと出会う。人間の手により鎖で繋がれた“女神”の存在は、王国の運命だけでなく優しく穏やかだった澄白とシュトラールの関係さえも変えていく——。姫君と竜の青年が織りなすドラゴンラブファンタジー、人気作第五弾!(裏表紙より)
恋をしてぐちゃぐちゃになっているのが好きです。
自分でもコントロールできない感情に振り回されたり、理解し難い衝動に突き動かされたりすることは、全身全霊をかけて恋をしているように感じるからです。醜い思いを抱き、涙を流しながら、求めることを止められない人というのは、人生をかけていると思います。
というわけで、思いっきり心を乱し、迷い、立ち止まり、引き返そうとしては座り込み、ようやく少しずつ前に進もうとしていくのに、なかなか進めない、澄白が! 正しいことをしたい、善くありたいと願いながら、それを許さない状況という山場が、もう痛くて痛くて。前半は甘い雰囲気があるのに、段々とシュトラールの優しさが刺さるようになってきて、あのラスト。衝撃のあまり息ができず、「あうあう」言いながらうろうろ徘徊しました。
ヒロインは全肯定される(あるいはそっと毒を含ませる程度の)少女小説の中で、ここまで『間違いかもしれない』と思わせる話を、よく刊行しましたね!? と思いました。そういう苦しさを抜け出していく物語を、私は読みたかった! でもちゃんと幸せにしないと許さないんだからね!!!!(笑顔) という気持ちなので、続きをよろしくお願いします。
無償の愛に包まれていた澄白が、どんな形でシュトラールを愛していくのか。シュトラールは、絶対的な上位種であることから、どうやって人間である澄白を理解していってくれるのか。異種族恋愛って、本当に難しいなあ(でもそこが美味しい!)。

グレイの豪邸を初めて訪れたアナに差し出された二通の契約書。それには秘密保持義務と、彼と付き合う女性が守るべき様々なルールがそれぞれ定められていた。食事、服装、エクササイズの方法から、愛の行為の信じられないような詳細まで。普通の恋人同士になることを夢見ていたアナは大きなショックを受け、悩む。それでもグレイを拒むことはできなくて……。世界的ベストセラー三部作、第一弾(裏表紙より)
下巻です。読んでいて、メールのやりとりがかわいいな! と思いました。結構ハードなので、他愛ないメールのやりとりでにやにやしてしまう。
お互いを思いながら、何かがずれている二人。恋を知らなかったアナの恋愛無知なところがそうさせるのだろうし、クリスチャンの複雑な過去と嗜好がすれ違いを起こさせる、という下巻でした。続きを引っ張る形で終わったので続きを読まなければ……。
しかし、お金持ちってすごいよなー。何でも可能にしてしまう。メール読んでたらそこにいないと知り得ない情報が書いてあって「彼が来てる!」とびくーんとするところはにやっとしてしまいましたよ……。そういう展開好き好き!

月に三度の『三方よしの日』、つる家では澪と助っ人の又次が作る料理が評判を呼び、繁盛していた。そんなある日、伊勢屋の美緒に大奥奉公の話が持ち上がり、澪は包丁使いの指南役を任されて——(第一話『花嫁御寮』)。戯作者清右衛門が吉原のあさひ太夫を題材に戯作を書くことになった。少しずつ明らかになってゆくあさひ太夫こと野江の過去とは——(第二話『友待つ雪』)。おりょうの旦那伊左三に浮気の疑惑が!? つる家の面々を巻き込んだ事の真相とは——(第三話『寒紅』)。登龍楼との料理の競い合いを行うこととなったつる家。澪が生み出す渾身の料理は——(第四話『今朝の春』)。全四話を収録した大好評シリーズ第四弾!!(裏表紙より)
恋心を自覚した澪。小松原への思いを抱えたまま、彼の本当の姿の一部分を知ることに。もう切ない! 身分差というのはじれじれでたまらないなあ! すごく辛かったのに「誇りに思うたことはない」でどっと涙があふれました。澪の、料理人としての真っ直ぐさは、どんな身分であっても届くのだと思うと。「今朝の春」で、澪が培ってきた繋がりが集まってくるのは、やっぱり感動でした。
あさひ太夫のことも徐々に分かってきたり、澪が目指すべきものは何なのかという手がかりらしきものも見えたりと、今回も面白かった。
「勝つことのみに拘っていた者が敗れたなら、それまでの精進は当人にとっての無駄。ただ無心に精進を重ねて敗れたならば、その精進は己の糧となる。本来、精進はひとの糧となるものだが、欲がその本質を狂わせてしまうのだろう」

凄腕のバイヤーとしての華々しい経歴の持ち主である鮫島静緒は、高身長に、名前にふさわしい強面の三十代。富久丸百貨店の外商部に、初の女性外商として配属される。仕事相手はいわゆる”上流階級”。百貨店とは、を考える静緒の仕事は、そう簡単に成立するものではなくて……。
百貨店という、お客として見れば美しい場所での、その美しさが成立するために奔走している人の話、だったでしょうか。百貨店というブランドを守る人たちの努力には、本当に頭が下がる、という気持ちで読みました。
主人公の静緒がしっかりしたキャリアの持ち主のせいか、話としてあまりアップダウンがないので、ちょっとはらはらしつつも、心配のし過ぎで終わってよかった。しかし、特賓会のシーンはすかっとした! 気持ちよかった。デキる女性の話はこういうところが面白いよなー!
ロマンスを期待するところで、引っ越しのシーンが出たのでもしや!? と思ったら、まさかの桝家くん……桝家くん!! 可愛いな! 乙女男子だな!

女子大生のアナは、親友の代わりに、巨大企業の若き創業者兼CEOのクリスチャン・グレイをインタビューすることになった。これまで恋の経験のなかったアナだが、ハンサムで謎めいたグレイに会ったとたん、強く惹かれる。彼が運命の人? グレイもアナに好意を持っているのか、彼女の行く先々に姿を見せた。ふたりは急激に近づいていくが、やがて、グレイの倒錯した秘密の顔が明らかに……。(裏表紙より)
ロマンスポルノとして有名な作品と聞いて読むことにしました。ハーレクインみたいなのだけど、多分もうちょっと若い感じなのかと思ったら、ガチでエロでSMだったのでぎょえーっと叫んでしまった。ハーレクインはもうちょっとソフトな描写だよ……(今まで読んできたのがたまたまそうだっただけかもしれませんが!)
例えてはいけないかもしれませんが、日本のTL、BL作品によくある定番の設定から、思いっきりエロくして大人向けの作品に仕上げた印象です。ヒロインはただ流されるだけじゃなくて、ちょっと抵抗してみたり、怒ったり、ぶつかり合いには怯えるところがあるけれど引かない強さもあるので、そこが物語を引っ張っていく面白みになっているなと思いました。
元々「トワイライト」の二次創作だったと聞いたんですが、調べても情報が出てこないので、この話のどの部分がトワイライトを敷いているのか知りたい。母親が恋愛脳なところとか、父親と微妙な関係とか、おんぼろ車を大事に乗っているとか、親友がすごく出来る子なところとか、それとも逆ハーレム風味にいろんな男性から矢印を出されるとかなのかな?