読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「ぼくはあなただけを守る魔物なんですから」神魔を使役し《名もなき悪魔》の名を書に記す朔使。人と獣の姿を持つ美しき神魔アガルと契約したレジナは、朔使となる試験を兼ねた調査のため、雪に閉ざされた小国ユピルスに向かうことに…。悪魔の調査のはずが、宮廷を探索中についた嘘から、王女の身代わりをすることになってしまい——!? 一途な魔物とその主となった乙女&未来の幻魔王が織りなす、悪魔召喚ラブファンタジー第二弾!(裏表紙より)
『花術師』や花神遊戯伝の一巻はすごく読みづらくて、このシリーズも一巻は少々読みづらかったのですが、読み慣れてきたのか二巻はより面白く読みました。アガルの純粋な台詞が転がるわこれ!
神魔は、悪魔は、恋なんてしないの? というのが今回のポイントなのですが、どんどんお互いを好きになっていく二人がかわいい! ヴィネトもいい感じにサポートしてくれるし、この三人組かわいいなーとにこにこしてしまいます。しかしどんどん逆ハー要素が濃くなってきた……? まだまだ離しが始まったばかりという感じなので、もっと大きく動く話が読んでみたいと思いつつ、今回のオチは「尚更したくなったら、どうしよう……」でした。最後にはああああん!!! と叫んで転がりました。ごちそうさまでした。


わたしの名は桃子。あさみ、和馬、利明に送られて帰る途中、公園にUFOが落ちるのを目撃した。UFOは宇宙船だった。中からは誰も出てこない。翌日、美姫、誠も加わって調査にのりだした。宇宙船からは宇宙人が出てきて、六人を船内へ招いた。宇宙人たちは戦争の最中、敗れて地球へ避難したのだという。が、宇宙人たちを驚かせたのは、あさみが精神感応を持ってることだった……。(カバー折り返しより)
私が読んだのは集英社文庫コバルトシリーズの版。久しぶりに新井素子作品を読んだら、面白くたまらなくてびっくりした。
神様らしきものが生命の争いを何らかの形で見守っているらしい宇宙。とある宇宙人たちが地球を戦場にしているらしいと知った桃子たちは、宇宙船を乗っ取り、自分たちで戦うことにした。ESPの持ち主や、何らかの才能に秀でた六人は、実は……という。わー少女小説でSFだー! と嬉々としてしまった。
みんなでわーっと騒いで、でもちょっと寂しい気持ちが漂っていたりして、面白かった。

とある事情で鎌倉に移り住み、友人の比奈と雑貨店トオチカを営む、西風里葎子。比奈にちょっかいをかけるフリーのバイヤー敷地千正を苦手としている。ここは私の防衛陣地。店名に由来となったトーチカという言葉をかけて、自身を守っている里葎子だったけれど……。
面白かった! ずるくて優しい男が好きな人は、ぜったい好きだと思うんだよなー。
崎谷さんはBL作家さんで、これは普通のノマカプ恋愛小説ですが、優しくて、突っ張ってて、しんみり悲しくて、じわっと温かい、いい恋愛小説だったと思います。読む前はもしかしたらライトすぎるかもなーと思っていたんですが、文章も雰囲気もとても好みでした。
人と距離を作ってしまう里葎子の、子どもじみた防御姿勢とか、それを好意という名目でずかずか入り込んでくる千正のもどかしさとか、見ていてはらはらどきどき。大人の女性として、自分の気持ちの在処をきちんと確認している里葎子への好感度が高くなってしまい、過去のトラウマのせいで動けなくなった時に、そこで! 折れるんだよ! と何度叫んだことか。
また、ヒーローである敷地千正という男が、強引なくせに大事なところですごくすごく優しくて、ずるいなーと思いました。お姫様のように大事にしてくれる、というのを優しく甘く書いているところが好きで好きでたまらなくて。
また、ブックデザインがとてもいいです。なんたって、佐原ミズさん装画で、名久井直子さん装丁だもんずるいずるい素敵! 箔の使い方とか、白くて甘い表紙とか、素敵すぎて!
面白かったです。おすすめです。

19世紀・イギリス。有名執事の娘シャロンは、新人メイドとして貴族のお屋敷に勤めることになった。勤め先は、カルヴァート家の別邸——ベリーカルテット。ところがシャロンが屋敷に到着すると、滞在していた女性が遺書をのこして亡くなっていた!? カルヴァート家次男で美貌の作家・ロイと、新人メイド・シャロンの推理が冴え渡る! 謎が謎を呼ぶヴィクトリアン・メイド・ミステリー!(裏表紙より)
19世紀イギリスのメイドと坊々作家のミステリー。これはいいなあ! ホームズとかクリスティみたいな雰囲気がある気がする。あっさりめなんだけれど、ちゃんと謎解き。ミステリーにしては心理的な要因があると思うのですが、軽く読めて面白かったです。あとがきに一作目とあるので、多分続きが出るのだろう。シャノンがちょっと淡々としすぎていますが、その彼女がすごいという父親はどんなのか知りたいです。

〈ヒト〉を愛せず、〈モノ〉しか愛せない高校生の瑠子。しかも愛した〈モノ〉を九十九神にしてしまう彼女は、その力で生まれた九十九神、タオ(バスタオル)、サク(工作ハサミ)、マグニ(虫眼鏡)と暮らす毎日。そんななか異端管理局の能瀬が現れ、九十九神が増え続ければ、人類が滅亡する、それを防ぐため『ヒトに恋しろ』と言いだした!? そして瑠子の「恋のレッスン」がはじまる!! 第10回小説大賞、奨励賞受賞作!!(裏表紙より)
現代ファンタジー。無機物萌えで、人嫌いの少女が、九十九神と、その異能を止めるべく派遣されてきたチャラい異端管理局員能瀬とどたばたする逆ハーラブコメ。と思いきや、文体がしっかり目で、締めるところはばしっと締めてくれていて、特に台詞にどきっとするところがあり、思いがけず楽しんでしまいました。
九十九神に矢印を向けられるのはまあいいとしても、能瀬の動機がちょっと弱かったのが残念。何故かというと私は彼が好きだからだ。言動がチャラいくせに、実はすごく優しくて不器用なところもありそうなところがかわいい。好き。

想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か……澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに——(第一話「冬の雲雀」)。その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!!(裏表紙より)
再び、号 泣 。うおおおん、うおおん、うおおおおおおん……!
ついに自身の道を定めた澪。小松原はすべてを悟って引き受けてくれた。しかし彼を思う気持ちが消えるはずもなく、あるショッキングな出来事によって、澪には更なる苦難が襲いかかる。辛いなあ、辛いなあ……。優しくしてくれる人もいれば、厳しくしてくれる人もあり、澪は少しずつ道を決めてきたけれど、最後にあんな事件が起ころうとは。すべてを叶えきった後に、もしかしたら……と刹那の希望を持てることが嬉しかったのに、大事な人を亡くしてしまった。
この次の次の巻が最近出たそうですが、その次で終わりらしい? ので、最後まで読みたいと思います!