読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
とある事情で鎌倉に移り住み、友人の比奈と雑貨店トオチカを営む、西風里葎子。比奈にちょっかいをかけるフリーのバイヤー敷地千正を苦手としている。ここは私の防衛陣地。店名に由来となったトーチカという言葉をかけて、自身を守っている里葎子だったけれど……。
面白かった! ずるくて優しい男が好きな人は、ぜったい好きだと思うんだよなー。
崎谷さんはBL作家さんで、これは普通のノマカプ恋愛小説ですが、優しくて、突っ張ってて、しんみり悲しくて、じわっと温かい、いい恋愛小説だったと思います。読む前はもしかしたらライトすぎるかもなーと思っていたんですが、文章も雰囲気もとても好みでした。
人と距離を作ってしまう里葎子の、子どもじみた防御姿勢とか、それを好意という名目でずかずか入り込んでくる千正のもどかしさとか、見ていてはらはらどきどき。大人の女性として、自分の気持ちの在処をきちんと確認している里葎子への好感度が高くなってしまい、過去のトラウマのせいで動けなくなった時に、そこで! 折れるんだよ! と何度叫んだことか。
また、ヒーローである敷地千正という男が、強引なくせに大事なところですごくすごく優しくて、ずるいなーと思いました。お姫様のように大事にしてくれる、というのを優しく甘く書いているところが好きで好きでたまらなくて。
また、ブックデザインがとてもいいです。なんたって、佐原ミズさん装画で、名久井直子さん装丁だもんずるいずるい素敵! 箔の使い方とか、白くて甘い表紙とか、素敵すぎて!
面白かったです。おすすめです。
PR
この記事にコメントする