読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「1億円でお前のバージンを買おう」
衝撃的なセリフを兄に言い放ったのは、その親友で傲慢な資産家・甲斐。千里は大好きな兄を守りたくて、自分を買って欲しいとお願いする。だが、甲斐は、千里に『花嫁』になるよう命じ、一緒に暮らすことになってしまって!? 傍若無人な甲斐がイヤだったのに、実は優しい彼に段々惹かれていく千里。でも、甲斐さんは本当は兄ちゃんが好きなんだよね…? 純情高校生のドキドキ初恋♥ 花嫁ラブ♥(裏表紙より)
表紙がとんでもない、と友人に言われていたんですが、うん……表紙がとんでもないですね……。どう考えてもアブノーマルな雰囲気しかなかったんですが、読んでみるとさほどコメディというわけではなく、ブラコンな弟くんが、ちょっと大人になって、恋をする話でした。この落ち着いた感じ、好きだなー。
衝撃的な台詞を吐く割りには、甲斐はとても自制が効いていてちゃんとした紳士で、もうちょっと弾けても面白かったように思うんですが、ブラコンな兄との嫁姑争いがとても面白かったです。やっぱり我慢してんじゃんー。
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恩恵をもたらす竜が蘇らず、世界は戦渦の直中にあった。不死の体を持つ傭兵の少女リュシアは、この戦いは竜を蘇らすための聖戦だと信じて、戦っていた。ところが、竜が蘇らないのは、自分が禁忌を犯したせいだと知る。絶望と罪悪感の中、リュシアは身を捧げて罪を贖うため、己を葬る役目を任された神官のユアンと共に旅に出た。だがユアンの優しさに、その決意が揺らぎそうで……。(裏表紙より)
竜の加護を失い、戦争と長い冬によって疲弊している世界で、少女であるにも関わらず道具として遣われてきた傭兵の少女が、その身を捧げる竜の山で至るまでの物語。
荒んだ世界と、人の心と、けれど残る希望と、絶望と。世界観の描写がとても美しくて、乾いている。何も望まないリュシアが痛々しい。死に向かう旅の中で、彼女自身が楽しい思いをしているのがとても嬉しくて、泣きそうになる。
と、思っていたら、終幕への超展開にええええっ!? と悲鳴を上げました。そ、それは……ちょっと……。世界観とそれまでの描き方がとてもいいなあと思っていたのに、いきなりそれはないよーと思ってしまいました。そのオチにいくにはもうちょっと何か……うーん。
「―—私が、欲しいのだろう?」
竜の“花嫁”となった小国の姫、澄白とその夫である白竜のシュトラール。ゴルト族の竜、ザフィアの情報から古王国に赴いた澄白たちを待ち受けていたのは、始種の骨を略奪した黒竜、サルグ・アーセファだった! 彼の真意が掴めないまま、澄白たちは古王国に滞在することになるが…。かつて竜に愛された人の王の国で、澄白はシュトラールへの想いと向き合うことになって—―。人気作第四弾!(裏表紙より)
竜と《永久》の別れを目撃した第3巻からの続き。始種の骨の在処とサルグ・アーセファに辿り着いた一行が滞在するのは、幼き女王が治める国オルキス。かつてゴルトの竜が舞い降りた土地。
冒頭から夫婦の時間が! やばい! 前巻の悲しみを引きずっているのにこんなことを言ってはいけないと思うんですが、寄り添い合う二人に、にやにやが止まらなかったです。澄白も段々と大胆になってきているなあ。
新キャラのザフィアさんが、私好みの美女でやばいです。この人絶対体術もすごいと思うの! がたいのいい美女はやっぱり戦っても男前ですよね!? 個人的に最大に萌えたのは、悲しむだろう、と案じている時にまず挙げているのがシュトラールではなく、女性の方(澄白)だというところが、ねえさん……まじ優しくてかっこええっす……とおもいました、まる。
(だめだ、それだけは……)
あの娘はきっと悲しむだろう。泣くだろう。苦しむだろう。そしてシュトラールにも同じ苦しみが訪れるだろう。
ヴェルミリオンも動きだし、不穏な気配を漂わせる中、悲しい予感しかしない引きで「あがあー!」と叫びながら、竜と人と、《永久》の存在という関係が二人を次第に縛り始めたところで、次が待ち遠しいです。
歳国の田舎に暮らす鈴花は、ある日突然、王子妃候補に選ばれた! しかも相手は、何人もの妃候補を追いだしたという“半仙”王子・黎鳴。貧しい家族のため、鈴花は震える声で彼に「お嫁さんにしてください!」と直球勝負!! あっさり拒否するかと思われた黎鳴だったが、なぜか「御心のままに」と鈴花の前にひざまずき……一体どういうこと!? 俺様王子と弱腰嫁、言いなり中華ラブコメ開始!(裏表紙より)
押し掛け嫁は何故か王子を言いなりにできる力があるらしい……ということで秘密の関係に。呼べば王子召喚、命じれば逆らわれることはない。なのに、鈴花自身は自信がなくて常に申し訳なさそう。しかしキレると大変面白い子でした。もっとばしっと言ってやっていいのよー!
登場人物が結構多くて、誰がどういう人(正体)なのかというのが、次の巻もあったらいいなあと思うくらいのちょい出し感。国王陛下のただ者ではないっぷりが気になります。
「私、どうしても夢を諦めるなんてできないのっ!」一流の商人になるため見合いを断り、世界へ飛び出したカヤ。なのに、見合い相手の幼なじみエリクが、婚約者として目の前に現れ!? 鉄壁の外面で完璧な若手美術商のエリクは、昔からカヤにだけ何故か意地悪。今回も爽やかな笑顔でカヤの実力を試すような賭を提案してきて? 賭の条件とはいえ、愛しげに触れてくるエリクにカヤは動揺を止められず!? トキメキのすれ違いラブコメディ!(裏表紙より)
ご主人様なシリーズ二巻目。世界を飛び回る大商人になることを夢見つつ、まだまだひよっこで騙されやすいお人好しのカヤ。周りのやり手な人々に騙されて、婚約者(仮)の幼馴染みエリクと再会させられてしまう。
カヤの出来る子なところと、純粋で可愛らしくて、騙されやすいところが可愛いなあ! 一生懸命で、なのに知識も度胸もある頭のいいヒロインは大好きです。幼馴染みのエリクは、しょっぱなからあーそういうキャラなんだろーなーというところをきちんと押さえてくれていて、二人の素直になれない、すれ違いな掛け合いがとってもにやにやしました。
何気なくお姉ちゃんニコラさんが好きです。妹が可愛いんだろうなあ。この小悪魔っぷりがとても素敵です。
アディントン家の長女アリスは、父の遺した借金問題に途方に暮れていた。傾きかけた家を救うには、大金持ちの殿方との結婚しかない! 固い決意とともに、アリスは伯爵家の舞踏会に出席するのだが!? おっとりした長女のアリス、夢見がちな次女シンディ、人気者の三女キティ。十九世紀貴族社会に生きる三姉妹それぞれの愛の形とは? 女の子はみんな、幸せになるために生まれてきたの!(カバー折り返しより)
上記あらすじの、キティは三女は正確には四女の末娘。四姉妹のうち、三人の娘たちの恋愛物語。
長女アリスが、家のために結婚相手を探す物語「クリスマスプディングと花嫁」。アリスの一生懸命さと可愛らしさの勝利でした。長女のわりにはふわふわしたところが可愛らしかった。
次女シンディの「ローズティアラと花嫁」が一番好み! 貴族の奥方ってこんなものと思いながら自由奔放に生活しようとしたシンディが、「でもやっぱり私はあの人が好きなんだ……」と涙するところがほろりとしました。気の強い女の子が虚勢を張っているというのがいい!
「スウィートブルーベルと花嫁」は、アリス結婚時、まだ幼かった末の妹キティのお話。姉の結婚のおかげで磨き抜かれた愛らしさと才能で、社交界の花となった彼女が本当の恋を知るんですが、恋に溺れる感じが、英国ロマンス! という雰囲気。もっと濃密な描写だったら完全にヴィクトリアンな話ですよね(これでも充分ヴィクトリアンですが!)
個人的に、修道院に行った三女ファニーと、跡継ぎの弟ヘンリーの話も読んでみたかった! ファニーは絶対色々あったと思うんですよねー。あったら面白いと思うんですけれども!
「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらには「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc. 絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分自身の道を切り拓いていく——。(帯より)
柔らかめのヒロインが「負けるもんか!」と踏ん張る話だと思い込んでいたので、加代子のアクティブさにびっくりする。何が何でものし上がってやる! というその強さが羨ましいです。だがあくどい手を使いすぎだ!
加代子の成功物語が連作短編になっているのですが、この、みるみるぎすぎすと尖っていく感じがもう、なんだか痛くて苦い。作り話ばかりうまくなって、自分の大切なものを損なっていく、身を削っていく感じが作家という生き物なのだなあと。
「お前絶対許さないからな」というのは、実際にあると思います。実行するのは別としてもそれにしがみつくならそれだけの理由があるんだと思うな。
宮木あや子さんと南綾子さんと朝井リョウさんの登場する話が爆笑でした。
何故かこれを読んでいる間、加代子がお笑い芸人のキンタロー。さんになっていたんですが、なんでだろう。
闇オークションで売られていた歌姫ニーナを連れ出したのは、冷酷で美しい悪魔憑きの青年・アルドだった。彼の中の悪魔を眠らせるため、囚われて子守唄を歌うことになってしまったニーナ。しかし、精霊使いのニーナの言葉は、悪魔憑きのアルドを従わせる効果もあって…? いびつな関係を続けながらも、心を許し始めたふたりに、悪魔を求める総督の追手が迫る——。囚われの歌姫と眠れない悪魔が奏でるラブファンタジー。(裏表紙より)
あらすじからもっとどんよりシリアスなのかと思ったら、ヒロインとヒーローがそうさせてくれなかった。かっこいいよ地に足のついたしっかり者ヒロイン! ヒーローは俺様ナルシストだし!
闇オークションに売られてしまったもののニーナ自身は実は盗賊団の首領の娘で、教えのままに一人きりになったから自分で生きていこうとしたところでの、この失敗。というところからしてもうただものじゃないなあ。ただの女の子じゃない。家事はお手の物。頭も回るししっかりもの。でも少しだけ寂しいというバランスがたまらない。
ニーナがかなりしっかり者なだけに、有能で俺様でナルシストなアルドは、ニーナほどどっぷり好き、ということにはならなかったです。素直じゃないのは減点!笑 でも「枕」呼ばわりにやにやしました。知り合いに心配されるところをみると、やっぱり優しい人なんだな。