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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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うさぎとトランペット (新潮文庫)
宇佐子は、転校生のミキちゃんを仲間はずれにするクラスの雰囲気に傷ついて、学校へ行けなくなった。微熱が続く夜明け、宇佐子は公園から響いてくるトランペットの音色に心惹かれる。ミキちゃんに誘われて町のウィンド・オーケストラでトランペットを習うことになった宇佐子は、きらめく音、ブラスの楽しさ、演奏する喜びを知る。音楽に解き放たれ、伸びやかな心が育っていく……(裏表紙より)

大人向けの児童文学みたいな文章で進む、音楽の物語。結構分厚い。前作「楽隊のうさぎ」の内容を覚えていなかったので、花の木中吹奏楽部の面々が誰なのか分からなかったけど、とても面白かった。
音楽の表現がいい。金色のくじらが泳いでいる感じとか、凍えた時間が溶け出したとか、音楽いいなあブラスいいなあというのを思い出した。
話の中で重大な位置を占める、誰かが周囲に寄って孤立させられる、というところが、結構リアル。何の悪意もなかったけれど、あの子変っていうので段々そういう空気になっていく。本当に嫌いとか苦手とかある場合、うまく隠して付き合うのが大人なんだろうな。
最後の締めくくりが「ベストフレンド」っていうのが暗示的。音楽と友達。宇佐子とミキちゃんが友達。
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名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(下)
依田いつかが気付いた時、そこはいつかの知る時間から三ヶ月前の日だった。何が起こってタイムスリップをしたのか分からず、話している間に、終業式の日に自殺したクラスメートのことを思い出す。だが同学年のどのクラスの誰が自殺したのかからないと、いつかは、相談した同級生坂崎あすならと放課後の名前探しを始めた。

さすが辻村深月という感じのすごい話の組み方だった!
上巻は泳ぎを教えるまでの話。上巻を読んでいたときは、いつかとあすなの視点が交互するのが辛いなと思っていた。その理由はちゃんと下巻で明らかになる。
いつかのキャラクターがいいなあ。チャラいけれど馬鹿ではない感じ。秀人が親友っていうのもなんか分かる気がする。椿ちゃんがかわいくて、天木はかっこいいけどこんな高校生いるのか! と思いながら楽しく読んだ。一番感情移入したくなるのはあすなで、派手な面々を遠巻きにする時のちょっと苦しいときの思いがよくわかる。
自殺者を探すという名目だけれど、仲良しが本当にいいなあ! いつかやあすなが、関わらないと思っていた人たちと日々を過ごしていくっていうのがすごくいい。
このままでは終わらないだろうなと思っていたら正にその通りで、自殺者が○○だったというのは衝撃だった。私はてっきりいじめっ子が自殺するんだと思ってた。でもよくこんなことを考えついたよな、みんな。いつかに引っ張られたってことかな。いつかとあすなの視点が交互するのは、真実を知る台詞の裏側を隠すためだったわけだな。本当にすごい。
ラストの始業式のシーンはぞくぞくした。息を詰めて読んだ。せつない。すごく、胸が詰まった。今まで何のためにやってきたかということが分かって、すごく泣いた。
「ぼくのメジャースプーン」再読推奨と言われていたので、人物だけぱらっと読んでいた。もしかして「ぼく」と「ふみちゃん」が出るのかと思っていて推理していたら、やっぱりのあの二人だった。二人とも素敵な青少年になったなあ。でもオチのつけ方はやっぱりこれを読んでいないといまいち分からないというのが不親切かも。郁也と理帆子も出てきて、総集編みたいな形で辻村信者としてはとても良かった。これはオススメ! でも「ぼくのメジャースプーン」と「凍りのくじら」必読。
グランドマスター!―姫総長は失業中!? (コバルト文庫)
カタブツ青年団長ハルさん率いる〈黎明の使者団〉は、諸国漫遊の旅からの帰途についていた。その道中、団員たちはどうも変態姫総長シーカの様子がおかしいと心配していた。そして久し振りに帰り着いた本部近くの街で、シーカが書き置きを残して忽然と姿を消してしまった! どうやら秘密はシーカの”力”にあるようで…!? 痛快コメディ・ファンタジー、怒濤の急展開!(裏表紙より)

急展開だった。前巻から出ていたシーカの秘密についての話が本格的に表に出てきた。この先が本格的に世界の救済がどうのになったら美味しすぎてどうしよう。
登場人物がそれぞれ個性があって面白い。尋問のシーン爆笑した。よく書き分け出来るなあ……。
シラスが結構お気に入りなんだが、彼が何故使者団に入ることになったのか気になる。前の巻に書いてあったっけ。なんとなくドゥルガとウマがあってたり、ハルさんに結構信頼を置いていたりしてるっぽいところが、なんかいい。
ハルさんがはっきりシーカを守ると決意したっぽいので、この先のときめきが楽しみ。
グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
突如、地球への進行を開始した道の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へ転送する——もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機会の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。(裏表紙より)

ものすごく、面白かった……。厚くて、冷静に熱い。ラストの余韻がしばらく抜けなくて、時間を置いてラストだけを何度も読み返してしまった。
一作目を読んだのは4月。その時の感想は「存在関係を深く書いた作品」と書いてあって、今回も結局零と雪風の存在関係を書いたのかな、それで最後がとても心に響いたのかも。
内容が濃すぎてどこを抽出すればいいのか分からないけれど、とにかくすごかった(私の鳥肌的に)のは雪風がコンタクトを取るところ。Lt.FUKAIの表示が出た時、零は冷静に受け止めているけれど、読んでいる身としてはぞくっとした。「戦略偵察・第二段階」「戦意再考」の時も、すごくわくわくして読むスピードが上がっていた気がする。
本当に雪風とコンタクトを取るところは面白かったなあ。それから、最後の「グッドラック」の章、特殊戦の面々がそれぞれに戦いに散っていくのがすごく盛り上がった。直前の会議のシーンもほのぼのしていて泣き笑いになりそうだった。
そして私は零が好きだ。「俺には関係ない」がまた。雪風とのコンビ(というにはこれを読んだ後では語弊があるかも)がすごーくすごーく好きだ。
マリア様がみてる―未来の白地図 (コバルト文庫)
試験休み、祐巳に柏木から電話がかかってくる。瞳子が家を飛び出して、戻ってこないのだという! 乃梨子や可南子など、心当たりに電話しようとする裕巳。しかし、捜すまでもなく瞳子は裕巳の家に現れる! 近所で帰宅途中の祐麒と出会ったのだった。瞳子に家出の事情を訊けないでいる裕巳だったが…! 裕巳と瞳子の関係に変化が…!? クリスマス・イブに何かが起こる、シリーズ最新刊!

見つけたら買って読むようにしています。取りあえず今はここまで。
話の進みがすごく遅くなっている気がするのはきっと気のせいではないと思う。三薔薇さまの卒業辺りまでが好きだったかもと思ったり。
この巻は「何となく」の重要さみたいなのが書かれていたと思うけれど、祐巳がどうして瞳子ちゃんがいいと思ったのかとか書かれるんでしょうか。そして個人的に黄薔薇の由乃さんがどうなるか気になります。
銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)
 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった……。
 だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない”黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその”黄昏の子供たち”の一人だった。
 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。(カバーより)

切ない、と言うより、ラストの力強さが印象に残った物語だった。
文章はライトノベルというよりケータイ小説的かなと思う一文の短さで、さくさく読めるけれど、想像力を駆使しないとしんどいかも。最初のクラスメート女子の「あろはおえ〜」とか「なにを黄昏れちゃってるのかな?」など最初の、普通の生活、がどうも違和感でした。それくらい、そういう雰囲気がまったくない話だとあらすじでプロローグで思っていたので。
あらすじを読んだら人類の進化のカギというワードから陰謀ものかなと思うけれど全然そんなことはなくて、少年少女の出会いと一緒にいると決めることが書かれていたと思う。惜しいなーと思うのは、もうちょっと書き込みがほしかったからかも。ひとつひとつのエピソードはもっと膨らませがいがあると思うのになあと思ったり。

 これは僕の宣戦布告だった。この救いの無い理不尽な世界への。
「ここに」
 銀花がいる方角を指さし、微笑む。
「ここに女の子がいるんですよ、一人」


最初に書いた通り、終始漂う緊迫した危うさ、切なさと、ラストの力強さがとてもいいなと思いました。きゅん、というより、ふう……、だったと思います! オススメありがとうございました!
ホルモー六景
短編六話収録。前の話のモチーフを一つ引き継いで、過去から未来の話まで。
「丸の内サミット」と「長持の恋」が面白かったなあ。特に「丸の内サミット」、どこでもこんなのあるんかい! と突っ込んでしまったが、どうやら場所によってホルモー内容が違うという印象を受けた。「長持の恋」は時を越えたらぶもの。京都という場所ならではの話だった。
ホルモー二冊読んだけれど、本当に場所の設定がとてもすごく生かされていて、すっごく面白くて京都に行きたくなる。京都ならではの物語だった。
鴨川ホルモー
京大に入学した貧乏男子学生が葵祭の帰りにビラをもらった。微妙に古臭いビラにはダサイサークルの名前。食費を浮かそうと新歓に顔を出していたのでそれにも出てみたら、同じ新入生の女子(の鼻)に一目惚れをしてしまった。そしてずるずる居着くことになったところ、サークルの本来の姿が明らかになって……という話。
「ホルモー」という小さな合戦が描かれるけれども、どちらかというと男子学生の悶々が描かれる感じ。現実が舞台なのに不思議な世界観の青春。一人称なところがなんか笑えて面白かった。楠木さんが突然格好良くなってびっくりした。そして主人公はちょっと不甲斐ないな。しかしそこが面白い。
アップフェルラント物語 (光文社文庫)
 20世紀初頭のヨーロッパ。アップフェルラント王国の孤児ヴェルは、囚われの身の少女フリーだと運命的な出会いをした。彼女の手には前世界を揺るがしかねない、王国に隠されたある重大な秘密が! ヴェルは好漢フライシャー警部とともにフリーダを救出。しかし、強大なドイツ帝国軍の魔手もすぐそこに迫っていた——。
 心躍る波瀾万丈の冒険小説!(裏表紙より)

分かりやすくて楽しい物語だった。時代設定がはっきりしているのと、子ども向けを意識しているような、まっすぐな少年ヴェルが主人公。フライシャー警部は手助けしてくれるかっこいい大人として描かれているように思ったので、児童文学的な印象。少年少女、警部、男装の麗人、王国の秘密、大国の陰謀、蒸気機関車、飛行機、がキーワード。男装の麗人アリアーナがかっこよくて好きだ。フライシャー警部といい感じでまた楽しい。ラストのオチのつけ方がなるほどすごいな! という感じで、これはヨーロッパを舞台にしないと書けないなと思った。
凍りのくじら (講談社文庫)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼ぶ、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすとき——。(裏表紙より)

ノベルスで一度読んだ。痛くて苦しくて切なくて泣いた。
理帆子の立ち位置がなんとなく分かる。誰とも仲良く出来るけれど、繋がれないと思っている。本当はみんなが好きだけれど、自分は嫌いという思考が見えた気がした。見下してしまったり、一人だと思い込んだり、寂しさを遊びで埋めたり、は、とても若い。読むと苦しい青春だと思う。
見所は、理帆子がつながっていくところと、若尾が段々怖くなるところ。
もう導入から好きだ。照らす必要があるから、と答えるようにしている、理帆子の光への思いの強さ。辻村さんの人物の書き方はリアルで、どんな部分も綺麗に見える。文章がとても好きだ。
後の理帆子が少しだけ出てくるのは「スロウハイツの神様」。ふみちゃんは「ぼくのメジャースプーン」の登場人物か。まとめないかなと思ってWikiを見たところ、理帆子は「名前探しの放課後」にも出てるらしい。
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Author:月子
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