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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6) (講談社文庫 お 83-6)
恩田さんちょうかわいいのだった。飛行機が本当に嫌いなんだなあ。
105ページからの話の創作についての話にすごく共感した。ここは丁寧にしておこうとかそんな勘が働いて、書いていく内に「あ、ここにつながるんだ」という感覚が起こる。「書いてみないと分からない」「なんとなく伏線を張っておいた」なんだよな、私も。一度書き終わってから直していくうちにここにつなげられるんじゃないかとやったりもする。
ロバートとかアルバートとか、爆笑した。
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つくもがみ貸します

江戸時代もののミステリーと義姉弟の一方通行ラブ。ときどきふっと出てくる一方通行と、語り口調にときめける。
清次がかっこいい。スマート。なのにお紅のことになると恋する青年。お紅はしっかりしているように見えるけれど、もうちょっと早く気づけーと思った。つくもがみたちも一癖あって、清次とお紅との攻防が楽しい。
喋り方や書き方が、優しく語られているようで畠中作品はすごく好き。「〜だよ」「〜かい?」とか。
ラストの「ああ、良い日だよ」がじんわりくる。
嘆きの堕天使 (トワイライト 6)
アリスと再会したベラ。しかしアリスが告げたのは、ベラが自殺したと思ったエドワードが、死ににいくためにヴォルトゥーリ一族のもとへ向かったということ。止めるジェイコブを振り切ってベラはアリスとともにイタリアへ飛ぶ。

エドワードに再会するところは感動。
「だめよ!」あたしは絶叫した。「エドワード! あたしを見て!」
 エドワードには聞こえていない。かすかにほほえみ、太陽の光をまっすぐ浴びる方向へむかって片足をのばす。

エドワードが微笑んでいるというのが切ない。きっとエドワードは安らかな気持ちだった。こんなにひたむきな思いがもうもだえて仕方がない。
エドワードが戻ってきたところでようやく物語が落ち着いた感じ。ジェイコブはいい子なんだけどやっぱり違和感があるんだよな。
エドワードの甘い言葉が「トワイライト」の醍醐味だと思う。
「きみは永遠に、たゆむことなく、ぼくをつなぎとめる」

↑二人でいるとしょっちゅうこんな会話してる。くうううう。
夜に猫が身をひそめるところ Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉 (ちくま文庫)

16個のボタンや、プリズムの欠片やメモや、ブドウの種なんかから、シンクのお出かけ先にどんな人がいるのかを考えてみたりする話。日常が描かれている「ミルリトン探偵局」のパートも好きなんだけれど、「おみやげ」を絡めているそれぞれのお話がものすごく好きだ。「奏者」の「そこにテレビがあったのだ」がかわいくて仕方がない。
ロマンチストなら絶対好きだ。ひとつの不思議をとことん突き詰めて、どんなフィクションでも楽しめるという人におすすめします。
全て本物のようなフィクション。こういう本が作っていけたらきっと楽しそう。
狼の月 (トワイライト 5)
エドワードと別れたベラはジェイコブと共にいることで安らぎを感じるようになる。一方で巨大な熊の出現は頻発し、フォークスを騒がせていた。ベラは以前エドワードに連れてこられた草原を見つけ出すが、そこで吸血鬼ローランと再会、そして現れたのは巨大な狼で。

ジェイコブ本当にいいやつ。子供みたいに無邪気なのにちゃんとしっかりした男の子だ。でもエドワードのエロスにはかなわないな。
 その名前はあたしが築きあげ、閉じこめておいた壁を突き破った。

 エドワード、エドワード、エドワード。

 あたしは死ぬんだもの。もう彼のことを考えたってかまわない。

 エドワード、愛してる。

この辺りかなり切ない。

 でもね、そばにいてもらうにはこうするよりほかないの。

ベラが恋する女の子すぎる。盲目的すぎて怖いところもある。
トワイライト〈4〉牙は甘くささやく (トワイライト 4)
ベラは17歳の誕生日を迎え、エドワードの外見年齢よりも一つ年を取る。誕生日のパーティーをカレン家が開いてくれることになるが、そこでベラが血を流すアクシデントが。暴走するジャスパー、理性を失いかけるカレンたち。そうしてエドワードはベラに別れを告げた。

ベラに別れを告げるエドワードが切ない。ベラも身を切る思いだけれど、エドワードはいっそう苦しいはず。このまま生きていくのだから。ベラにエドワードの声だけが聞こえるのが切ないな。
ジェイコブはいい子なんだけれど、エドワードがいるから噛ませ犬になってしまうな。
ベラが本当にアメリカな女の子だなあと思う。等身大な気もするけれど、私の持っている『外国の女の子』のイメージにかなり近い。
物語が、始まる (中公文庫)
「物語が、始まる」が一番好きだった。〈雛型〉と呼ばれる人間もどきを拾ったゆき子。それに三郎と名付け、日々を過ごす。恋人もいて結婚を申し込まれた、けれど三郎に惹かれている。
三郎が老いていくところは切なかった。どちらも未熟、という感じがあって、それが可愛くて切ない。

「トカゲ」は気持ち悪くてどろどろしていた。宗教っぽかった。妖しい(あえてこの字)感じ。好きじゃない。

「婆」はよく分からなかった。穴に入って出て来るっていうのは、胎内に入って生まれ出てくるって意味なのかな。そうなると世界が新しくなったような気がするのも頷ける。でもたくさんの婆が降ってくる辺りが意味が分からない。

「墓を探す」はちょっと面白かった。墓を探しながら、自分も墓へ向かっている。人が憑くっていうのが妙で、でも物語の中で一番呼吸していてテンポを作っていた。

それから解説の穂村弘さんが面白かった。
新編 物いう小箱 (講談社文芸文庫)
一は日本、二は中国を舞台にした小品が収められている。どれもさくっと読めてすんなり入ってくる。それでいてばしっと決まる。

「碁盤」
好き。碁好きな遊女がある碁盤を手に入れ、本因坊がそれを見たが、女は亡くなってしまう。その碁盤は本因坊に巡り巡って辿り着くが、遊女の幽霊が出るという。実はそれは本因坊に譲られるはずだったものでという話。静かな雰囲気と静かな通い合いが良い。

「彦右衛門と狸」
笛吹名人の彦右衛門爺さんは、その我が儘の為に殿様から禄を取り上げられてしまった。それを良しとして田舎に引きこもって笛を吹いていた爺さんのところに毎晩狸がやって来るようになる。笛を習いたいのかと聞くと頷くので笛を作ってやると一緒に吹くようになった、という話。
童話っぽくて良かった。これはどうやら殿様マニュアルみたいなものだったらしい。

「竹林絵図」はある青年が絵の中に入ってちょっと絵を直して戻ってくるが、どうやら数日後に消えてしまったらしいというオチ。これを読んで梨木香歩の「家守綺譚」を思い出した。
新版 クラウド・コレクター (ちくま文庫)
吉田浩美さんの語りと、その祖父傳次郎氏の日記によって進む。アゾットにおける日記は傳次郎氏の空想旅行の記で、吉田さんはそれが書かれた意図を探ろうとする。書き下された日記本文と日記を読み解く吉田さん、二つの視点を行き来する物語。物語に関係するクリップアートがあって、作り込まれていて面白い。
旅はとても奇妙で幻想的。21の地区に別れているアゾット。手袋をする手によってその旅の目的を意味し、雲母の結晶は物語を凝結し、廃墟の街の地区があり、師匠を持たぬ職人の街の地区があり、カードの意味を読み解く哲学サーカスなるものがあったり。
「されど、書けば書くほど、世界がどこまでもふたつに分かれていくのを、いつしか思い知らされました」
「そのふたつとはすなわち」
「記憶されているものと、忘却されたものです」

「この世にはな、結局、〈解釈〉しか存在しておらんのじゃ。この世には人の数だけ〈解釈〉がある。そして、それらがときに結び合ったり、ときに争ったりしておる。世界というものはな、そうして〈解釈の戦い〉で成立しておるんじゃ」

そんな言葉がすごく良い。
傳次郎氏が聞いた「暦」の言葉、吉田さんが辿り着いたアゾットへの行き方の意味に、感動。He Who? Me とか、言葉遊び!
全部空想であるはずなのに、現実があるような気がしました。ぴったりこのこの世に沿っているような世界が、この本にはある。
壮大な嘘、というより、現実に確実に存在する小さな幻想、なんてポエムするくらいに好き。
獣の奏者 II 王獣編
「えええ、そこで終わるの!!?」読んだ直後はその衝撃でいっぱい。黒幕は最初からあっさり分かっているのだけれど、もっともっと話を膨らませられた気がするのに! とそこだけ残念な気持ち。
らぶをと最初は思ったけれど、リランとの繋がりの方が濃くてそっちの方にどきどきしていた。やはり獣と人は繋がれない、という絶望があってどうなるのと思ったけれど。
 それでも、ずっと奏で合ってきた音は、こんなふうに、思いがけぬときに、思いがけぬ調べを聞かせてくれる……。

これに集約されている。美しい物語の結末。
リランとエリンは同じ場所にいて、リランもエリンと同じ気持ちだったのだろうと思うと涙が出る。心が通えないことが何故あるだろう。竪琴の音は心の音だ。空から天地に響くんだ。
上橋さんの描く歴史の強者と弱者は、まるで本物の伝承のようで大好きだ。
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Author:月子
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