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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アン・ビショップ「紅玉の戦士」「翠玉の魔女」「灰色の女王」インヴィジブル・リングシリーズ
紅玉の戦士翠玉の魔女灰色の女王
光界(テリール)をほぼ全てを掌握する皇血族(ブラッド)。その多くは霊力を持つ宝玉を帯び、女王の階級を頂点に階級付けがされている。宝玉の色が濃いほど、その霊力は強い。
紅玉を持つ戦士ジャレッドは奴隷として制御の環を付け奴隷市に出された。彼を買ったのは冷酷無慈悲な〈灰色の女王〉グリゼル。グリゼルの治める領国デナ・ネヘルまでの旅路は、女王と奴隷たちで十三人。しかしそこへ〈灰色の女王〉を狙う大祭女ドロテアの魔の手が伸びた。

主人公のジャレッドが早速○○奴隷という凄まじい身分なわけで。男は女に仕えるものとなっているが、ジャレッドは主人殺しという忌むべき悪に手を染めてしまっています。でもあんまり気に病んでいない様子なのが気になった。ジャレッドたち奴隷が付けるという制御の環は、私としては孫悟空の金冠と同じだなという認識。はめてる場所がすごいけど。
取りあえず一巻ラスト周辺の「あんた、○○だな。(中略)○○なんだろう!」と叫ぶジャレッドに吹いた。そんなに怯えるか。
二巻では大掛かりなバトルが勃発するものの、表現が難しいんだろうなあと思った。
三巻は取りあえず最終巻なんだけど、長い戦いのひとときがようやく終わっただけという感じ。すごく駆け足で、ドロテア周辺が書かれていない。
それでだな!(いきなりテンションアップ)デイモンがエロいんだ! っていうかデイモン・サディ反則! いつ生まれるか分からない人を待ってるなんて! なにその健気さ。エロ魔人のくせに!(えがお) 長寿の彼の待つ時間を思うとときめきが止まらない。
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谷崎潤一郎「卍」
紅玉いづき「MAMA」
田中芳樹「愛蔵版 マヴァール年代記」
栗原ちひろ「オペラ・エテルニタ」

少ない。最近夜ゲームばっかりしてるからか。

今月の個人的ヒット。
田中芳樹「愛蔵版 マヴァール年代記」
 戦記物なのに読みやすくて楽しい。ラストが素晴らしくて胸にどーんと来た。

栗原ちひろ「オペラ・エテルニタ」
 これは全部揃えようと思った。好みの要素が多すぎる。女の子成分増えるかな?
マヴァール年代記(全) (創元推理文庫)
皇太子カルマーン、一領国公ヴェンツェル、流浪の人リドワーン、マヴァール帝国における三人の男たち。マヴァールに戦乱の嵐が吹き荒れた時代に彼らはいた。玉座と帝国を巡る争いである。始まりは、カルマーンが皇帝を密かに殺害した事による。

歴史物語、戦記というのか。三冊、氷の玉座、雪の帝冠、炎の凱歌をまとめた一冊を読みました。というかこれしか見当たらなかった。
とても読みやすいと思う。上手く分かりやすく表現してくれて、どんどん先に進みたくなる。戦闘描写が格好いい。疲れない。心理描写もすごく良かった。楽しかった。
人物に感情移入よりもどちらかというと歴史を追っていく方が楽しく感じられてしまった。でもリドワーンとアンジェリナ姫のカップリングは好き。というかみんな魅力的すぎて麻痺していたのかも。かなり夢中になってしまった。
ラストの<ネタバレ>ヴェンツェルが死に、カルマーンが死んでいく</ネタバレ>シーンは、感動するくらい美しかった。

<ネタバレ>「……悔いはない。おれにはこれ以外の生きかたはできなかったのだ。異なる時代、異なる国に生まれても、おれはこのようにふるまうしかなかっただろう。ああ、頼む、アンジェリナ、泣かないでくれ」

という指一本動かせなくなったヴェンツェルの言葉。

「ヴェンツェルはどうした」
「息絶えております」

というカルマーンとリドワーンの会話。

「医師を探して参ります」
 半ば泣き声になったフィレンツの言葉が、半死者を苦笑させた。
「無益だ」

というフィレンツとカルマーンの会話。
</ネタバレ>

終息に向けていくこれらのシーンは心を打った。納得できる綺麗な終わり方をしたと思う。良い本を読んだと思いました。感動した! みんな格好良すぎる。

アンケートのオススメからでした。ありがとうございました!
「MAMA」紅玉いづき
MAMA (電撃文庫 こ 10-2)
誉れ高き魔術師一族サルバドールに生まれながら〈サルバドールの落ちこぼれ〉である少女トトは、神殿に封じられた魔物に出会う。その魔物は数百年前に封じられた〈人喰いの魔物〉。求める声に答えたトトは、その時から魔物と二人で生きようとする。強くなろうと。「あなただけだ」と囁いて。

あらすじの『儚くも愛しい歪んだ愛の物語』の、『愛しい』は『かなしい』と読むのじゃなかろうか。
「MAMA」はちょっと少女小説チック。読み終わった後、ゴシックという言葉が思い浮かんだ。「AND」はライトノベルだなという感じ。
二人きりだった、二人しかいなかったのだ、と思い込んでいたトトが悲しくて愛おしい。そしてホーイチはその疑いすら抱かないほどトトしかいなかった。ない耳のように歪で、でもそれだけに二人が愛おしいと思った。名前が縛めである魔物のホーイチにとって、「この名をひとつ。そしてこれからの未来を全て」「キミに、あげる」という言葉は、とても大きな願いだったはず。
聖騎士はやっぱりあの人だよなとによによ。
書き下ろしの「AND」、ミレイニアに全部持ってかれた気がした。美少女! 暗い過去! 強さ!
シュバルツ・ヘルツ―黒い心臓
シュバルツ・ヘルツ


嘉手納奏は心臓移植の為にドイツを訪れていたが、気付いた時にはそれまでの記憶を失い、湖畔で倒れていた。彼を助けたのはウルテアという女性だが、夢のような戦いの果てに別れてしまう。再び奏を保護したのはアイザックという男。記憶を取り戻し日本に戻った奏のあとを追って、奏の家に居候する事になった。そして謎の転校生が現れ、奏の周りで不穏な事が起こり始める。

まだ導入という感じで、特に面白いとかまだ言えないです。でもさくさく読めるなと。
単語から「北欧神話?」と思ったけれど、どうやら色々と入り交じっているようで、オーパーツと聞くと「九龍?」とそれしか知らないので単純に思ってしまうんですが、先のバトルが楽しそうだなと気になります。
奏のフィギュアオタクという設定はこの後ちゃんと書かれるんだろうか。突っ走ってほしいと思ってしまう(笑)
ただ、もっとおにゃのこ成分をくれー、と思いました。

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
坂口安吾「桜の森の満開の下」
橋本治「ちゃんと話すための敬語の本」
乙一「銃とチョコレート」
恩田陸「小説以外」
田中芳樹「創竜伝」4
西加奈子「ミッキーかしまし」
アン・ビショップ「紅玉の戦士」「翠玉の魔女」「灰色の女王」
桑原水菜「シュバルツ・ヘルツ」

今年から今月の面白かった本を書く事にする。
坂口安吾「桜の森の満開の下」
 とにかく「夜長姫と耳男」に衝撃。「いま私を殺したように立派な仕事をして……」と言う姫が恐ろしすぎる。神殺しという言葉が過ぎった。

アン・ビショップ「紅玉の戦士」「翠玉の魔女」「灰色の女王」インヴィジブル・リングシリーズ
 設定にぶっ飛んだ後、最終巻に悶えた。なんちゅう恥ずかしい二人! ラストの、デイモン・サディが待ち続ける人の話に悶え転げる。
ミッキーかしまし
イランで生まれ、エジプトで過ごした日本人の著者の、Webちくまで連載されたエッセイ集。

面白い人の定義が面白い。「DRAGON BALLS」の題のやつ。

一、人を笑わせようとしないこと
一、なのに、ものすごく面白いこと
一、その面白さに気付いていないこと
一、面白いからこっちが笑うと、ムッとすること

妄想で「情熱大陸」を作るのも面白い。一回やってみたい。

小説家というのはえてして酒飲みなのだろうか、と思うくらいこの人もビールのことを書いている。恩田陸もお酒が好きなんだよな。著者は貧乏時代も過ごしたということで、そのエッセイも面白い。楽しい文章の呼吸を伝えられることが出来るのってすごいなあと思う。
創竜伝(4)四兄弟脱出行 (講談社文庫)
ドラゴン・ブラザーズの超人的能力を目の当たりにした闇の世界の支配者は、ついに長兄・始の謀殺指令を下す。火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、長兄・始がドラゴンに変身するときが迫る。世界を牛耳るフォー・シスターズさえもひれ伏す悪の帝王の陰謀は今、人類の最終戦争を誘発する。(裏表紙より)

前世ともいうべき竜王たちのシーンから始まる。前世でも変わらない関係が爽やかで好きだ。
この巻でどうやら天の意志らしき意識体が登場する。でも何か言われても竜堂兄弟ははね除けてしまいそうだ。
田中芳樹は風刺ともいうようなちょっときわどいことも書いている気がするんだが、またそれが分かりやすくて面白い。古い小説にありがちな、登場人物が読者に向かって語りかけるシーンがあったりして、ああ、と生暖かい気持ちになる。
話は特に進まず、始の変身と水地たちとの出会いが目的と思われる。ラストで舞台がアメリカに移り、この小説はどこまでいくかとちょっと不安になりつつも面白く読んでいる。
小説以外
恩田陸のエッセイ集。新聞雑誌などから、読書について、料理について、自作についてなどが語られる。

読書が好きな為に書いている、ということが書いてあったような。感想を書く前に図書館に返却してしまった。
読書遍歴が読めて嬉しかった。たくさんメモした。料理も美味しそうで困った。
銃とチョコレート (ミステリーランド)
混血の少年リンツの国では事件が起こっていた。怪盗ゴディバが富豪たちの宝物を盗むという事件である。ゴディバを追う探偵ロイズは少年少女のヒーローだった。ある日父が買ってくれた古びた聖書から風車小屋のマークが描かれた地図を発見したリンツは、これはゴディバの隠れ家の地図ではないかと推測し、ロイズに手紙を書いて。

子どものためのミステリーランド、という複数の作家によるシリーズものなので、王道を行きつつ綺麗に終わるのかと思ったら、そうでもなかった。さすが乙一といった感じ。
怪盗の正体は父さんかなと思ったんだが死んでしまったし、もしかして隣人か、とも思ったら両方だったなんてすごいトリック。ロイズが悪者というのもすごい。人死にが出るのもびっくりした。最初のロイズに会うまでは児童文学っぽく、ドゥバイヨルと共闘するのは青春小説! という感じがしてわくわくした。ロイズが人質にしたリンツ母にキスするシーンはマフィア映画みたいだし、ラスト、両親と子のシーンは厳かになった。くるりくるりと回って色んなチョコレートを味見したみたい。良かった!
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Author:月子
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