読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

彩雲国、紅家の令嬢、紅秀麗は初の女性官吏として国のために邁進する。だが茶州で謎の奇病が流行したことをきっかけに窮地に追い込まれてしまい……。家とそれぞれの思惑が交差する中、秀麗は知り得た人々と絆を持って立ち向かう。
茶州の流行病から始まり、こう、最終的な黒幕的なものがちらっちらするんですが、制作時点で原作が完結しておらず途中まで。wikiのあらすじを読んでいるとここから最後に向けてぐわーっとくる感じなのに、惜しい。とっても。
原作は1巻と2巻だけ読んだだけなのでアニメだけの印象になるんですが、こんなに中華系官僚もの、かつ神仙にまつわる込み入った長編だったんだなあと感嘆しました。「貧乏令嬢、お給金を求めて後宮妃になる」から始まった話とは思えない。きっかけはどうあれ秀麗はずっとひたむきに女の身で自らの力で政治や民と向き合おうとしたんだなあ。
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東京、八丈島。高校生の娘、双葉が反抗期を迎えて生意気な態度をとるのに腹を据えかねた母、かおりは、その日から学校に持っていくお弁当を凄まじく手の込んだキャラ弁に変える。母の怒りを感じた双葉だが、残したり捨てたりするのは負けたことになると毎日意地でも完食。そんななか、進路をはじめとした変化が母娘に訪れ……。
原作は未読。劇中のお弁当、撮影用とはいえめちゃくちゃ手が込んでいるし美味しそうで見ていてお腹が空きました!
思春期の難しさと親の気持ちについて、最近別の方の本で触れたところだったので、いろんな母娘の反抗期を思うとなんだか、娘としては大変だったんだけれどお母さんも本当に大変だったんだなあ、すごいなあとしみじみしてしまう。めちゃくちゃ面倒臭いし邪魔くさいし腹の立つ生意気な子どもを、よく放り出さず面倒を見てくれたもんだ。同じこと、私も子どもにできるのかなあなんて思う。
お弁当生活最後の母の嫌がらせ弁当は、最高に素晴らしくて泣いてしまった。

フジテレビのアナウンサーとして活躍し、50代も半ばを過ぎてフリーに転身。直後、ステージ4の悪性リンパ腫であることが発覚する。一時は死を覚悟するほどの絶望のなかで、家族や友人からの励まし、医療者たちとのかかわり、SNSへのメッセージ——小さな希望を積み上げ、がんで失った引き算を、足し算に変えていく。猛烈に働いていたときには見えなかった発見など、激動の日々と気づきをありのままにつづる。(カバー折り返しより)
アナウンサーの笠井信輔さんの闘病と家族、そして入院中に変化した世の中のことの話。
テレビを拝見していて知らない方ではなかったので、癌だと聞いたときはびっくりしましたが、画面を見ているだけではわからない葛藤や、家族とのやりとり、家庭の中の笠井さんがうかがい知れて興味深かったです。
インスタやブログで情報発信してしまうのは、やっぱりメディアの方だなあと思ったり。世の中の流れ的にバズった後は炎上というのも、この国の社会の縮図という感じでなんとも言えない気持ちになったり。

劇団☆新感線の座付き作家、アニメーション「天元突破グレンラガン」「キルラキル」「プロメア」で知られる脚本家・中島かずきと、作品に関わった役者人、早乙女太一・早乙女友貴、新谷真弓、松山ケンイチ、堺雅人、朴璐美、梶裕貴、宮野真守、洲崎綾、藤原さくら、粟根まこと、上川隆也、福士蒼汰、十三名との対談集。
新感線は人生で一回生で見たいし、グレンラガンもキルラキルといったTRIGGER作品も大好きだし、と思って読んでみたんですが、中島さんのファンだけじゃなく作品のファンも必読という感じで、キャスト起用や俳優さんたちの仕事や心構えが語られていてとても面白かった!
また取り上げられている俳優さんたちがみんな存じ上げている方ばかりなのも、他のお仕事や出演のことを思い浮かべながら読めたので楽しかったなあ。
そうだったのかー! と思ったのが、上川さん。グレンラガン放送当時は何故起用されたのかよくわかっていなかったんですが、やっぱりあの頃アニメ好きなのは知られていなかったんですね。不思議だったんだよなあ、なんかすごくはまっているのが。

王子様を待たないで。ダイヤもお寿司も自分で買いなさい。母が子どもたちに教えたのは、自らの人生に基づいた生きるためのエールだった。思春期の娘を見守る著者からのメッセージが詰まった一冊。
生まれ育ったところは、不良が多く、器量良しの女の子たちは早々と結婚するもすぐに離婚、あるいは子どもに手をあげる親になるパターンが多い。そんな家庭で育った西原さんは自立を目指し、失敗を経ていまがある。
書かれている話が、ありのままの現実。各家庭の経済格差が子どもの将来に影響するということが取りざたされているいまだからこそ、親になる人間は自分でお金を稼ぐことを前提で結婚や子どものことを考えなくちゃいけないし、子どもは子どもで自分で生きるすべを見つけ、王子様を待つんじゃなく見つけに行こうと。
そうね、そうだね、と思うところがたくさんありました。印象は、西原さんがあの頃の自分にかけたい言葉であり、娘へ贈るメッセージという感じ。面白かったのは思春期の娘を観察しているところ。多分実際はばちばちだろうし、本気でむかついてやりあうときもあるんだろうけれど、すごいなあと思うのは「かつての自分もそうだった」と思えているところ。大人になるとそういうのって忘れちゃうと思うんですよね。

ヤングケアラー、それは家族のケアや介護を担う青少年や若者たちのこと。認知症の家族、障害を持つ親や兄弟、家族の自殺など、介護を担う理由は様々。その当事者が語る、私のこれまで。
近頃よく見るヤングケアラーに最近関心があって、本を見つけたので読んでみました。
文章を書くプロではないけれど日常的に書くことで自分を見つめ直してきた人々による手記、でいいのかな。
子どもが介護することになると、壁になるのは進学や就職。非協力的な家族もいればその逆もあったり、そもそもどうすればいいのかわからないという家庭もある。そして子どもたちはみんな「後ろめたい」気持ちで自分の道を歩む。それがたとえ家族のサポートをすると決めていても、これでいいのか、この人がいなければと思う自分が嫌だと思ってしまうことが嫌だというの、すごく根深くて悲しい。誰にも相談できない状況でいる人が多いし、求めるものとは違う言葉をかけられたり、そうじゃないのになって思っていたりして、介護やケアに対する考えが改まる時期が来ているのかなあと思いました。家族で介護して当然じゃないし、普通という言葉の呪いを自覚するべきなんだろうな。

まだ古き世の名残が尾を引く開明の時代、明治45年。横濱。女学生の紅の父親が持つ長屋には、いつの頃からか、ひょろりと痩せた京訛りの青年絵師が住みついていた。紅が幼い頃から長屋に暮らす時川草介というその青年は、幼い頃に神隠しにあったことがあり、そのせいか怪異を見ることができるという。あるとき、紅の許嫁だった好青年・一谷誠一郎が行方不明となり、草介に助力を求めたが……?(Amazonより)
明治の末、庭師の父を持つ女学生の紅は、長屋に住む売れない絵師の草介に助けを求めた。消えてしまった許嫁はどうやら椿にかどわかされたらしく、怪異を見ることができる草介ならと思ったのだった。
まっすぐで世間知らず、心優しい女学生が、のらくらと生きる風変わりな訳あり絵師とともに身近な謎を解く。謎は、怪異のせいのように描かれているものの実際はもっと恐ろしいものによる仕業。紅の言動と振り回される草介のやりとりが楽しい分、真相や、隠された草介の過去なんかの影が黒々と深くなっていて、とても明治モダンらしさが詰まっている。
時川という名前から、過去作の『モノノケ踊りて、絵師が狩る。』に繋がる人物なんだなあと想像するのも楽しい。時川の人だから、なんとも形容しがたい、固く結びついて離れがたい関係を形成するのは当然のことなんだなあと思ったりなどして、今後の二人をもっと見ていたいなと思いました。