読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)。ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。あれも、いない人?(「雨の鈴」)。人気絶頂の著者が存分に腕をふるった、じわじわくる恐怖、極上のエンタテインメント小説。解説・宮部みゆき(裏表紙より)
めっっっちゃくちゃ面白かったので続きはあるんだろうかと思ったら、あるんですね二冊目が! 絶対読もう!
古い町と新しい街という二つの地区があるとある城下町。その古い地区に建つ家々の住民が遭遇する、家の怪異のお話。短編連作ですが共通する登場人物は「営繕かるかや」の尾端とその関係者。謎解きをする探偵側の情報はほとんど明かされず、最終的に彼にたどり着く怪異に遭遇した人たちの事情と怖い現象が綴られる。
これがまた、とても良い怪談で面白いんだよなあ。どこにでも起こりうると思わせる、身近な印象がある。襖の隙間、家鳴り、雨の日の路地、蓋をした風呂釜、古井戸、暗いガレージ。多分子どもの頃に怖かった、不思議な音、暗がりといったものを扱うからなのかな。家の現象だから当然なんだけれど、いや本当によかった。極上だった。
「雨の鈴」が一番好きかなあ。こうやって訪れる死の怪異って、めちゃくちゃ怖いのに、避ける手段があるっていうのが。昔の人はそうした知識を持っていたんだろうなと想像するのも面白い。
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