読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
王女と護舞官が失踪した――。そう記された歴史の影で、それでも二人の物語は続いていく。
「翼」と呼ばれる古代遺産を探す猫耳娘のイルナに誘われ、ユウファたちはかつて翼人が繁栄を極めたとされる秘境ナサンゴラへ向かうことに。亡命で全てを失い、言血の記憶が呼び起こす終わりなき悪夢に苛まれながらも、ユウファは様々な出会いを通し、己の宿命を見つめ直す。
しかし旅の果てに待ち受けていたのは、街全体が湖の底へ沈むという突然の凶報。一行の運命は「親子」を巡る長大な悲劇へと呑み込まれていく。
そしてその時、ユウファとアルナ、二人を繋ぐ大いなる因果が静かに胎動を始めていた――。(カバー折り返しより)
第二巻。大事な人たちを失ったことを悪夢に見ながら旅を続けるユウファ。イルナの旅に同行する形で、翼人の墓と呼ばれる街ナサンゴラへ。だがその街は毎年必ず水害が起きるという。その予兆が現れ、街に被害をもたらすのはよそ者であるユウファとイルナだと言われて囚われてしまう。
この世界の不思議が詰まった話で、世界観をより深く掘り下げようとしている幻想的な巻でもあったかなあと思います。言血の存在で、他人の記憶や感覚が近いというのが本当に面白いなあ。さらにこの世界では母親は『産む』ということができないようなので、なのに一巻から二巻を通して「母」と「子」のテーマを書いているのはすごく興味深い。
いやそれにしてもどんどんイルナがいい女になっていくというか……一巻では反発する部分が多かったように思うんですが、二巻は心からユウファのことを心配していていい子だなあと。イルナがいてくれてよかった。
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