読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ジェノビア帝国の将軍グレンは、罠にはまり敵国の地下牢に囚われていた。痛めつけられた彼の手当てに現れたのは、下働きの女ルネ。自らを犠牲にして献身的に尽くす彼女の真意がわからないまま、協力を得て脱獄に成功する。死を覚悟した目のルネを帝国に連れ帰ったグレンは、所有欲と愛情の区別がつかないなか少しずつ「恋人」としての扱い方を覚えていく。ルネは彼を全身で受け入れ、幸福感に包まれるが、彼女の秘された素性が波乱を呼び………。(裏表紙より)
スラム育ちで、皇帝になる男に見出され、衣食住を手にいられるからと戦働きで勲功を上げていたグレン。敵国に囚われた彼を助けたのは何を考えているかわからないルネ。脱獄後、残された彼女は殺される、ならば連れて帰ろう。でも逃げるようなら殺す。いびつながらなんだか切なくなるロマンスでした。
愛を知らないグレンと、空っぽのルネ。「逃げたら殺す」「わかった」と平然とやりとりする様子がとても寂しくて、どうか一緒にいてほしいと願わずにはいられなかった。不良少年と優等生少女が二人で必死に生き延びようとしている感じというか。
そのせいか大人の事情、皇帝たちの不穏さがすごく嫌な感じ。何も知らない子どもをいいように使っているような気がするのに、グレンとルネの幸せを考えるとこの状況でいいんだろうなあとも思えて。愛と殺意が同時に存在するグレンのぎこちなさがとてもよかった。
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