読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。
斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。
初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく——。
これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。(裏表紙より)
ここまで徹底した薄幸ヒロインはずいぶん久しぶりに見た気がします。虐げられて育ったせいで儚げな雰囲気で、あまり強く前に出ることもないか弱い少女。そんな彼女を放っておけなくなってしまった、冷酷無慈悲と評判の異能家系の大家の当主の、儚い系大正風ファンタジーロマンス。
美世の境遇がもう本当にかわいそうで、序盤半泣きで読んでました。胸が痛いよ。どうしてこんなに虐げられなくちゃいけないんだ。
清霞が優しい人であることは最初からわかっていたので、これまで追い返されたというお嬢さん方はよっぽどよっぽど……な人柄だったんだろうなあ。しかし縁談を持ってくるという先代が謎めいている。ラストでこの人との対峙があるかもと匂わされていましたが、美世に戻ったかもしれない異能も含めて、二人がどう頑張って乗り越えるか楽しみだ。
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