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鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉
”ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、通称〈鳥籠荘〉には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人、そして響き続ける正体不明の金切り声。そんな〈鳥籠荘〉の住人の一人・衛藤キズナが、5階に住むひきこもり美大生・浅井有生と知りあったのは16歳の冬。そして、誘われたバイトは、絵のヌードモデル。やってみることにしたキズナは、油絵具の匂いがこもる雑然としたアトリエで浅井と一緒に過ごすうち、その時間が自分にとって次第に大切な日常の一部になっていくのを感じて……。
〈鳥籠荘〉のちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常をつづる物語。(カバー折り返しより)

ずっと「ぼんやり明るい」印象の物語でした。
短編連作。キズナをメインに置いて、住人たちの日常を描いたお話。
きっと〈鳥籠荘〉はちょっと薄暗いところで、昼間はぼんやり明るくて、夜もぼんやり明かりが灯っていて、というのを想像していました。
ヌードモデルと画家、という設定も大変おいしい上に、一方でほとんど甘くなくてちょっとあったかくて、というのがとても心地よかった。関係は変わるのかなあとちょっとどきどきしていました。パパと華乃子の話がとても温かでしたが(ラストの脱ぎ捨てられたあれがとてもよかった……!)、キズナの話はどうなるのかなあと続きがとても読みたくなりました。
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