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空中庭園 (文春文庫)
郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、本当はみんなが秘密を持っており、それぞれが違う方向へ。異質でありながら家族であるしかない、普通の家族に見える一家の光と影……ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景を描いた連作家族小説。第3回婦人公論文芸賞受賞。解説・石田衣良(裏表紙より)

エグかったです……。血がどろぐちゃーじゃなくて、精神的な意味合いで。
包み隠さずというモットーの元にいるのに、本当はみんな秘密を抱えている。それはいい。けれど、これはちょっとと思うような無茶苦茶な家族であることが、視点を変え、読み進めていく度に、ものすごく、気持ちの悪いものになっている。歪なんかじゃなくて、腐敗に似ているような。
親子の視点、絵里子と母親の視点は特にしんどかった。絵里子の行動は計算されたものだったこと、頭を回しすぎてうるさいくらいの母親の口調、それぞれが相手をそれぞれの目線で見てそれが実際と食い違っていること。
でも、確かに家族は本音をとことん話し合うっていうのはないなあと。みんなそれぞれ生活しているわけだし、男女だし、年齢も違うし、まったく違うコミュティに属しているのに、家っていう建物では家族っていう宿命づけられたコミュティに押し込められる。本当は、みんなそれぞれの立場があって全然別のものなんだ、というのをこの小説で思い知らされた感じがしました。
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