読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
美貌の青年・藍沢結人は、ひとつの街ではひとつの恋しかしないと決めていた。なぜなら、恋をした相手の首に縄をかけ吊るすことを最大の愛情表現だと考えているから。このあかつき町でも、ひとりの劇団員の女性を自殺にみせかけて吊るしたので、別の街へ移ろうと考え…? 連続殺人者と犯罪被害者家族たちが入り乱れ、誰もが傷つけ、傷つけられる復讐の因果が回り始める!
罪が罪を生み、復讐は流転する。(裏表紙より)
藍沢が好きになるのは一つのことに情熱を向ける創作者が多い。この街でも劇団員の女性を愛し、睡眠薬を飲ませて首を吊るして殺した。だが財布をうっかり落としたことで、その拾い主の夕真に接近する。夕真は脚本家で、藍沢が殺した女性を脚本の変更で降板させてしまったという繋がりがあった。脚本に打ち込む夕真に藍沢は惹かれ。
好きになると殺しちゃうサイコパスの話、と思いきや物語は中盤から思いもよらない方向へ向かう。誰かに殺された人の被害者たちが協力し合って復讐を果たす会員制コミュニティサイトで繋がった人たちが藍沢や夕真に近付いてくるという、やばい人たちに復讐者たちが迫るびっくりな展開。
後半は種明かしからの怒涛の展開なんですが、夕真の設定はちょっと都合がよくてそこまで盛るー!? という気持ちに。そして最後の最後に、えええ? という真実も明かされて、最後はちょっと置いていかれたような気がしました……。前半が心理的にもはらはらさせられる感じだったので後半の勢いについていけなかったんですが、こういう作品がオレンジ文庫で出たのはすごいなあと思いました。
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