読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
山野内荒野は十三歳。父と、家政婦の奈々子さんと、鎌倉の家に三人で暮らしている。恋愛小説家の父は、常に女性の気配をまとい、まるでかげろうのよう。中学生になった日、電車の中で助けてもらった少年に恋をする。
第一部、第二部は、少女が背伸びしつつ成長する物語だったのですが、書き下ろしの第三部が、かなり「女」の物語の気配を帯びていて、書くものが変わった感じがするなあ、と思いながら読みました。この作品は、甘酸っぱくて苦しい青春小説の部分が好きだったので、最後に感じが変わったのは、ちょっと残念だったかもしれない。けれど、それが荒野の成長を描いたものとして意図的に書いたものなら、うまい、なあ。視線の運び方、立ち居振る舞い、台詞、全部がちゃんと自立した大人になってるんだもの。
面白かった。
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