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黒銀のオラトリオ 口づけは宵闇に捧ぐ (一迅社文庫アイリス)
城から隔離された塔で、閉じ込められているかのように暮らしている忌み姫・オルウェンと、その執事・クラウス——彼らには、他人に知られてはいけない秘密の役目があった。オルウェンは異界へとつながる<扉>を胸元に宿し、クラウスは扉を開く<鍵>を左目に宿す。契約によって結ばれた主と僕として、異形の存在を扉の向こうに封じるため戦い続けてきたふたり。しかしその関係が次第に揺らぎはじめて……!?(裏表紙より)

二人きりの閉じられた世界に暮らす、繋がれた二人の物語、という印象でした。
〈扉〉を宿す姫・オルウェン。〈鍵守〉のクラウス。二人は、この世の異形ダリウスと戦い、彼らを扉の向こうに封じる役目を持つ。その結果、幼い頃から二人で暮らし、二人で過ごし、二人で戦ってきた。その暗さと歪な関係性、閉じられた世界。
そこから出て行こうとするオルウェンと、本当は彼女を自分のものにしたいクラウスの、精神的な攻防がはらはらどきどきでした。その結果、再びつないだ絆はまた新しい形をしていて……しんみりと、よかったなあと思える話でした。世界が開くって、いいな。
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