読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「庭には誰も立ち入らないこと」——光一の亡父が遺した言葉だ。広大な大名庭園『望城園』を敷地内に持つ、江戸時代に藩主の別邸として使われた三日月邸。光一はそこで探偵事務所を開業した。
ある日、事務所を訪れた不思議な少女・咲は『半分この約束』の謎を解いてほしいと依頼する。彼女に連れられ庭に踏み入った光一は、植物の名を冠した人々と、存在するはずのない城を見る。(裏表紙より)
和のお城とアリスというイメージの組み合わせが少女趣味でとても可愛らしい。実態は、過去の亡霊と異界というのもまた。
思いがけずがっつり「お家の謎」で、冒頭の探偵事務所とはまったく別の方向にいくのに驚きつつも、途中から出てきた実果子や数馬とのやりとりになんとなくほっこりしました。同じ年頃の友人がいるのはいいものだ。
謎は謎のまま、朽ちるに任せるという終わりは、庭に息づいているもののことを思うと、最良の選択だったのかもしれない。
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