読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
家出をして海沿いの駅に降り立った私は、花束が手向けられた夜の広場で、突然、不思議な女の子から声をかけられた。「ねえ、ひとり?」(Amazonより)
YOASOBIの楽曲を元にしたいろいろな作家の短編集、その一作の電子版。
学校生活で周囲をぎくしゃくし、もう死んでしまってもいいかと電車に飛び乗った少女。夜の海に心惹かれて途中下車し、そこで不思議な女の子に声をかけられる、一夜の物語。
辻村さんの描く生徒や学生たちは生きづらさを抱えているけれど、作品はいつも彼ら彼女らを大丈夫だよと励ましてくれる。学校でのあれこれが生死につながってしまうほどの辛さ、けれど離れてみるとその世界がいかに狭くてつまらないものだったかわかる感じ、そしてそれを「しょうもない」とか「馬鹿みたい」と言えるいまがある。幽霊の正体が最後にくるっと明かされる感じも辻村さんらしくてよかったな。
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