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マイマイ新子 (新潮文庫)
新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて……。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。(裏表紙より)

小さな話が26話収録されています。昭和三十年、山口県の国衙に住む九歳の青木新子が見る時代。戦後からしばらく経ち、人のあり方が少しずつ変わりつつある感じが、大人の事情として描かれていて、もどかしい。みんなが「大人になれば分かる」と言うけれど、それがとても不満を覚える言葉だということを思い出したり、大人になった読み手の自分がそのことの意味を理解できたりして、新子のマイマイがむずむずするように、胸がざわざわする。
やるせないなあと思うのが、新子の言い分を大人たちがちゃんと聞かず、すれ違ったまま罰されるところ。言い分があるんだよ! ちゃんと聞いてよ! と思うけれど、新子は自分の感じたことを伝える語彙をあまり持っていないのだよなあ。九歳かあ、と思いました。
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